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Motor Racing World  作者: ジャミー
10/23

難しい問題

6月末。

期末テストの時期になり、先日それが終わった。

和貴はテスト期間中、中根家でテスト勉強をしていた。

優奈に勉強を教えると約束したからである。

そして和貴は理奈に教わった。

優奈の言う通り、理奈の教え方は問題があった。

和貴は基礎学力が高めなので、理奈の教え方を理解出来た。

だが優奈は学力が低いので、理奈の言葉が理解出来ない。

優奈にはもっと噛み砕いて教える必用がある。

理奈はそれが出来ていなかった。

優奈からすれば、理奈の言葉は理解不能だろう。

だから和貴が時間を掛け、優奈にも分かる言葉で教えた。

こうして3人のテスト勉強は進められた。

その結果、優奈は成績が大幅にジャンプアップ。

中間テストから100位以上のポジションアップを果たした。

理奈の学年トップは変わらず。

和貴も中間テストの31位から16位まで上がっていた。

それぞれが納得したテスト結果だった。

そしてテストが終わるとすぐ、MRWを再開した。

和貴は次のレースを優奈、理奈と組むか、ナガタレーシングに戻るかで悩んでいた。

だが、その悩みはすぐに解消した。

昼休みは和貴、理奈、優奈の3人で弁当を食べるのが恒例になっていた。

そのとある月曜日。

理奈がとても上機嫌な笑顔を見せていた。

「理奈ちゃんおめでとう」

「ありがとう佐伯くん。こんなに早く結果が出るとは思わなかった」

「クラス2で優勝はマジで凄いよ」

「依頼してくれたチームのレベルも高かったし、ベースが良かったのが大きいと思ってるんだけど」

「それでも理奈ちゃんの力があってこそだよ。もう立派なチューナー、いや、コンストラクターか」

初参加の鈴鹿はファイナルラップでエンジンブローしてリタイア。

だがその走りは多くの人の心を惹き付けた。

MRWのマシンチューニングはとても幅が広く、難しい。

だから有力チューナーは数えるほどしかいない。

理奈はその有力チューナーの仲間入りをして、チューニングの依頼が数多く入った。

それだけでも大きな進歩だが、理奈はそれで満足せず、さらにステップアップした。

『MRWコンストラクターファクトリー』

というMRWと完全相互互換のソフトが存在する。

MRWだけでも多彩なレースゲームソフトだが、このソフトはマシンチューニングに特化している。

これを使えばレースマシンをゼロから造ることが出来、モノコックの設計から空力パーツのデザインまで可能になる。

当然扱いは難しく、専門知識がないと戦闘力のあるマシンは造れない。

それにソフト自体が高価で、MRWは一般的なゲームソフトの価格だが、コンストラクターファクトリーは10万円以上のプライスタグが付く。

さらに動作環境もハイスペックPCが求められる。

そのため絶対ユーザー数が限られ、情報もほとんど無い。

だが理奈はこれを購入し、更なるマシンの戦闘力向上を目指した。

その結果、理奈が依頼を受け、製作した車が昨日のクラス2のレースで優勝した。

和貴たちが参戦しているのはクラス3だが、クラス2はさらに速く、改造範囲も広い。

具体的にはカーボンモノコックへの変更が可能で、空力パーツの規制も緩い。

理奈はMRW内に存在するクラス2の車をベースに、空力向上を目的としたモノコックの形状変更、空力パーツの作成、サスペンションジオメトリーの変更等を行なった。

この領域に手をつけるにはコンストラクターファクトリーが不可欠になる。

それらの変更が見事に当たり、大幅な戦闘力アップを果たした結果が優勝に繋がった。

「で、コンストラクターファクトリー使って、クラス3の458も改良するつもり?」

「もちろん。そのために買ったようなものだからね」

「なら次もこのチームで走ろうかな」

「ホント?」

優奈の目が輝く。

「クラス2のモディファイをクラス3で使えれば強力だろう。それに次はもてきだろ?458向きのサーキットだ」

次の舞台は栃木県のツインリンクもてぎ。

鈴鹿よりフェラーリの特性に向いている。

「その件だけど、レース運営から打診があって、クラス3シリーズに継続参戦するなら固定ゼッケン与えてくれるんだって」

「へえ、たった1レース出ただけで固定ゼッケンか。普通は3レースくらい走らないと打診ないけどな」

「うん。でも条件があって、確実にドライバーをふたり揃える必用があるの。今の状況だと、佐伯くんと優奈になっちゃう。けどそれをやったら・・・」

「俺はナガタレーシングに戻れなくなるな」

しばし考えた。

だが、

「いいよ。それで登録してくれ」

すぐに結論を出した。

「えっ、いいの?」

驚く優奈。

「あたしたちは嬉しいけど、佐伯くんは優れたドライバーなんだから、もう少し考えたほうがいいんじゃないの?」

理奈も戸惑いを隠さない。

その中で和貴は冷静だった。

「そこまで俺を評価してくれるのは嬉しいよ。けど原則として、ドライバーを選ぶのはチーム側、つまり理奈ちゃんだ。今は理奈ちゃんの車に乗りたいってドライバーは大勢いるだろう。

その中からベストな選択肢を選ぶ権利が理奈ちゃんにはある。それで俺を選んでくれたなら、断る理由はないよ」

「ナガタレーシングにはどう説明するの?」

「ありのままを言うだけだ。理奈ちゃんからオファーを受け、それに乗るからチームを抜けるってな。所詮MRWはゲームの世界だ。実際のレースみたいに契約でがんじがらめになっていない。

一言断るだけでいいし、それにあそこはドライバー候補をたくさん抱えてる。鈴鹿で勝ったから、売り込みも増えてるだろう」

ここで改めて理奈に真剣な眼差しを向ける。

「だから理奈ちゃん、この前の鈴鹿は代役ドライバーだったけど、次は本気のドライバーをふたり揃えてくる。クラス3は激戦区だ。強豪チームはより強くなるし、

鈴鹿でやったギャンブルはもう通用しなくなる。マジで気合いを入れないと勝てないよ」

その言葉を受けた理奈は、

「望むところよ。もうエンジンブローなんて絶対に起こさない。次は必ず勝つから」

瞳に宿る闘志が増す。

そしてこういう状況になると、威勢が弱くなるのが優奈。

「あ・・・あたしも頑張る。次は足引っ張らないようにするから」

明らかに繕った笑み。

「そうだな。お前のレベルアップは最優先事項かもな。けどいきなり速くはなれない。まあ地道に頑張れ」

優奈の頭をポンと優しく叩いた。

その日の夜、和貴はナガタレーシングの監督にチームを離れ、理奈たちと組む旨を伝えた。

監督の長田も予想していたようで、激励の言葉と共に送り出してくれた。

ただその際、理奈にチューニングの依頼をしたいと言ってきたので、思わず笑ってしまった。

それを理奈に伝えたら、こちらも笑いながら了承したので、問題は一切なくなった。

理奈が監督兼代表として立ち上げたチームナカネにはゼッケン51が与えられ、車名もナカネ458に決定した。

その数日後、

昼休みにふたりがいつものように教室に来た。

ただ、理奈が明らかに疲れているように見えた。

「理奈ちゃん、なにかあったの?」

「うん。ちょっとチューニングの依頼で困ったのが出てきたの」

「まさか、ナガタレーシング?」

「ううん、あそこはもう暫定仕様送って、方向性は決まってる。911のメリットを活かしつつ、扱いやすさ重視にした。それで大満足の返事をもらったから、問題ないよ」

「そっか。なら、どんな依頼なの?」

「ねえ佐伯くん、今日の放課後いいかな?ウチでテストドライブして欲しいから」

「ああ、構わんよ、それで理奈ちゃんの負担が減るなら」

「お願い、ちょっと力を貸して」

ここで優奈が、

「お姉ちゃん、あのオファーは無理があるよ。いくら和貴でも、あたしと同じ意見になるはず。もう時間もないし、断っても仕方ないよ」

理奈を諭すような言葉をかける。

「普通なら断るよ。今も出来ないオファーはバンバン断ってるから。でもこのオファーは簡単には断れないのよ」

理奈がさらに暗くなった。

事情を聞きたくなったが、どうせ放課後には分かると考え、この場で深い詮索はしなかった。

そして放課後。

通い慣れた中根家の玄関をくぐる。

最初は多少緊張したが、今はそんなものはない。

専用部屋に入り、シューズを履く。

その間に理奈がMRWを立ち上げる。

「で、どんな依頼なの?」

「とりあえずベース車で走ってみて。それから意見聞きたいから」

と言って用意されたのは、

「ヒュンダイ?」

「うん、ジェネシスクーペ。3.8リッターNAと2リッターターボがあるけど、バランスいいのはNAだよ。これでもてぎを走ってみて」

ヒュンダイは、言わずと知れた韓国車。

ただ現在では日本に正規輸入されていないので、馴染みは薄い。

和貴も使ったことがなかった。

まずは感触を確かめながら探るように走る。

「ごく普通のFR車だね。そこそこまとまってて、出来は悪くないかな」

そこから攻めの走りに切り替える。

すると簡単にリアが流れ出した。

「ふうん、ドリフトコントロールはしやすいかな。エンジンも癖がないし、ちょっと詰めの甘いシルビアって感じだな」

ほぼ全てのコーナーをドリフトで走る。

その様子を見た理奈がため息をついた。

「佐伯くんまで優奈と同じことをするんだね」

落胆混じりの声。

「え?だってこれ、本気で攻める車じゃないよ」

そこに優奈が、

「だから言ったでしょ、和貴も同じ意見になるって」

と言ってきた。

「どういう意味だ?」

「それは後で説明する。とにかく佐伯くんは本気でタイムを削る走りをして。話はそれから」

「了解」

タイムアタックに入る。

タイムを削るならドリフトよりグリップだが、この車はそれを許さない。

「ちょっとリアグリップがなさ過ぎだな、簡単に流れる」

「タイヤが悪い?」

「それもあるだろうけど、ボディ剛性が低いんじゃないかな。エンジンパワーに負けてる気がする。出来の悪いシルビアだな」

コーナー立ち上がりで簡単にリアが流れるので、アクセルワークに気を遣う。

さらにボディ剛性が低く、限界域の挙動が読めない。

フラストレーションが溜まるアタックになった。

なんとか1周まとめ、コントロールラインを通過。

「さすが佐伯くん、優奈より1.3秒速いよ」

「いや、これはタイムがどうこう言う車じゃないよ」

「あたしも和貴と同意見。車が酷すぎる」

優奈もそんな感想を口にした。

それを受けた理奈がいっそう暗い表情を見せる。

「それは分かってる。でも、それをなんとかするのがこのオファーなのよ」

「ちょっと待った、理奈ちゃん、まさかこれをベースにレース用に改造するの?」

「そう。あたしたちと一緒のクラス3仕様。それに今度のもてきで確実に予選を通るパフォーマンスに仕上げるのが目標」

その言葉を受け、あまりの無謀さに和貴の思考は一瞬停止する。

その直後、頭をフル回転させる。

MRWのクラス3は激戦区である。

そのため、車のパフォーマンスも高いレベルが要求される。

その結果、

アストンマーチンバンテージ。

ポルシェ911。

BMWM3。

フェラーリ458。

この4車種で全参加車の95%を占める。

残りの5%は様々だが、不利な条件なのは間違いない。

日本のレースなので国産車に拘って参戦するチームもあるが、クラス3ギリギリの魔改造で凌いでおり、それでも上位争いに加われないのが現状である。

そのような状況で、この出来の悪いベース車。

普通なら断るオファー。

だが理奈は断れないと言っている。

「理奈ちゃん、依頼主はどんなチームなの?」

「韓国のチームよ。向こうではトップチームみたい。そこが日本に挑戦するの」

「やっぱりそうか」

理奈の苦悩がようやく理解出来た。

日本人の反韓感情、韓国人の反日感情は比較的若い世代で根強い。

だが日本はアジアでのモータースポーツ先進国なので、海外チームのエントリーを歓迎している。

実際にクラス3でも、タイやマレーシアのチームがいくつか参戦している。

そして日本のチームも、モータースポーツがより盛んなヨーロッパやアメリカのMRWレースに挑戦している。

だがレベルの差は明らかで、欧米のレースで好成績を挙げた日本チームはまだ存在しない。

日本のMRW運営は、欧米への挑戦をサポートしつつ、アジアのチーム受け入れという二重の役割を担っている。

だからたとえ反韓感情が強くても、韓国チームの挑戦は受け入れるスタンスを取る。

このような状況で理奈が断れば、それは反韓感情によるものだと誤解されても不思議ではない。

日本のMRW関係者にとって、それだけは避けたい。

「そもそも韓国のMRW事情ってどうなってるんだ?ほとんど情報入って来ないし、日本のチームが遠征した話も聞かない」

「日本はクラス3がメインだけど、クラス1からクラス5のレースを開催してる。それに対し韓国はクラス4が最高峰。だからクラス3のノウハウは全くと言っていいほどないのが現状」

「なんだそりゃ?それでよく挑戦する気になれたもんだな」

「それに加えて外車及び海外チームの参戦は基本NG。だから大半がこのジェネシスクーペ。クラス4が最高峰なのもそれが理由よ」

「その話だけ聞いてると、挑戦そのものが無謀な気がする。いくらいい車を用意しても、チームとドライバーのレベルが低ければ無駄だぞ」

「あたしもそんな気がするけど、今の日本側のスタンスでは韓国チームのオファーは断れない。それに時間がないのも辛い」

「もうレースまで2週間切ってるからなあ」

「だから大幅な魔改造は出来ない。手っ取り早く思いついたのがリアミッドシップ化だけど、バルクヘッドの位置変更申請が間に合わない」

バルクヘッドとは隔壁と言う意味で、フロントとリアに存在する。

フロントバルクヘッドはエンジンルームと室内の隔壁、リアバルクヘッドは室内とトランクルームの隔壁になる。

フロントエンジン車をリアミッドシップにする魔改造は実車でもMRWでも定番だが、クラス3の場合はリアバルクヘッドの位置変更申請が必要になる。

これは申請から認証まで2週間前後掛かるので、もてぎのレースには間に合わない。

「リアミッドシップが無理なら、せめてトランスアクスル化だな。これならフロアとリアバルクヘッドの加工で済む。剛性落ちるけど、どうせパイプフレーム化するんだろ?」

「もちろんそうするけど、それも問題があるの。エンジンのストレスマウントが出来ない」

「えっなんで?だってV6だろ?」

「ブロック剛性が足らないの。元々重いボディだから結構パワーを上げる必要がある。そこまで上げると余裕がなくなる」

「ホントに問題だらけの車だな。マジでクラス4が限界じゃないのか?」

「本音を言えば、あたしも無謀だと思ってる。けどやるしかない。エンジン固定はストレスマウントが無理でもリジッドにはする。じゃ内とプロペラシャフトのジョイントが持たないから」

「でもストレスマウントが出来ないなら、それを補うフレームが必要になるわけか。トランスアクスルのケーシングはどうする?」

「汎用品を使う。専用設計する時間がないし、それに予算の余裕もないの」

「そうなるとリアサスのブラケットはパイプフレームにマウントか。なんか重くなりそうだな」

「うん、軽量化には限界がありそう。でもそれより問題なのは前後バランス。トラクション掛からないからリア荷重増やしたいけど、まだフロントヘビーになりそうなの」

「課題はリア荷重の増加か。うーん・・・」

和貴も悩み出した。

そんなふたりの様子を優奈は呆れながら見ていた。

「お姉ちゃんも和貴もそんな真剣に悩まないでよ。そもそも依頼自体が無理なんだから。ベースが悪い、時間もお金も足らないじゃ、いい車が出来るわけないよ。よっぽど逆転の発想がなければ無理よ」

「逆転の発想・・・そうだ!あれがあった。優奈、ナイスだ」

「なにかアイデア出たの?」

「理奈ちゃん、GT500のGT-Rの2002年モデルって知ってる?」

「2002年?タイトル獲った2003年モデルは有名だから知ってるけど、その前は知らない」

「もう10年以上前の車だからネット上にもロクな資料がないと思うけど、MRWのマシンギャラリーに詳細な資料があるはずだ」

早速ギャラリーを検索したら、出てきた。

「2002年モデル、前期と後期があるよ?」

「後期のほうだ」

「違いは・・・そっか、この年からRB26捨ててV6にスイッチしたんだね」

「えっなんで?RB26ってあたしも知ってる。GT-R専用の名エンジンでしょ?レース使用前提設計の。なんで捨てたの?」

優奈が素朴な疑問を口にする。

和貴がそれに答えた。

「RB26が世に出たのは、俺たちが生まれるずっと前の1989年だ。当時のツーリングカーレースに勝つために専用設計されたエンジンは600馬力オーバーに耐えられるように造られた。そしてそれを載せるシャーシは、そのパワーを活かすため4WDが採用された」

「うん。それがR32GT-R。当時のツーリングカーレースで圧倒的速さで勝ちまくった」

「1周で3秒から5秒速かったって話だ。ライバルが諦めるには充分過ぎる差だ」

「結果的に他メーカーは撤退し、GT-Rワンメイクになり、レースそのものが崩壊した」

「ツーリングカーレースは規則が大幅に変わり、GT-Rは出れなくなり、GT選手権に活躍の場を移した」

「そこでも強かったんだよね?」

「最初はな。だが馬力が大幅に絞られ、さらにタイヤも太くなり、ダウンフォースも増えた。その結果、FRで充分になり、RB26の優位性はほぼ失われた」

「それでもずっと使われたし、タイトルも獲ってる」

「RB26はGT-Rの象徴だ。簡単には捨てられない。でも現場は大きく重いエンジンに手を焼いていた。終盤はブロック削ってまで軽量化していたが、焼け石に水だ。パワーが同じならコンパクトでバランスのいいエンジンを積んだほうが結果的に速くなる。そんな現場の声に押され、RB26を捨てるという大英断が取られたのが2002年だ」

「で、それをやって速くなったの?」

「すぐには結果が出なかったけど、素性は良かった。それが翌年のタイトル獲得に繋がったんだ。で、この2002年モデルは面白いパッケージなんだよ」

和貴と優奈が話し込んでいる間、ずっとモニターの文面を読んでいた理奈が驚きの声を漏らした」

「リアラジエーター?トランクルームのこんな低い位置にラジエーター置いたの?」

「ああ。冷却用のフレッシュエアはリアウィンドウ後部から取り入れてる。それでも充分な風量が得られた。2003年モデルは重量配分が改善したからフロントラジエーターに戻ったけど、トラックルームを冷却用スペースに使っていた」

「この発想はなかったなあ。トランクルームでも充分に冷えるんだね」

「配管が伸びる分重くはなる。でもバランスは改善するはずだ。冷却系等をリアに移して、フロントをがらんどうにすれば空力メリットも得られてダウンフォースも稼げる。長い目で見れば発展性は低いけど、突貫で造るならこの手はアリだと思うよ」

「そうだよね。ちょっとやってみるよ。コンストラクターファクトリーなら簡単に出来そうだから」

理奈は笑顔で自室に戻って行った。


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