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☆第一惑星――水の星

ブラッシュアップしての再投稿です。内容もボリュームアップする予定。1話ずつ、ゆっくり投稿していきます。


「」人のセリフ

()心の声

『』通信などの機械音、ほかの人が言った言葉をそのまま入れるとき。


※私の小説のルールです。



◆ルミナール号船内

 ルビィは深く息を吸い、声を整えた。

「改めて確認します」

 モニターに、八つの探索候補惑星が映し出される。

「アデーロス第三銀河に存在する、生命反応を持つ惑星を、この中から五つ探索します」

「動植物・微生物データを収集後、帰還」


 一瞬、間を置く。


「五〇年前、ダイヤ・デズモンド率いるルミナス号が向かったミッションと――同じ」

 結依は、何も言わずに頷いた。


 最初に選ばれたのは、ほぼ全面が水に覆われた青い惑星だった。


『大気、重力、成分分析を開始します』

 アストラの声。


 結依が眉を上げる。

「それ、誰がやるの?」


『私です。危険環境下での作業は、アンドロイドの担当です』

 即答だった。


 ルビィが小さく頷く。

「頼もしいですね」


 わずかに、アストラの姿勢が誇らしげに整う。


 着陸後。

 結依とアストラは、水辺でサンプル採取を開始した。


 その数分後――

 ――ピッ、ピッ、ピッ!!

『警告。巨大生命体、接近中』


「は?」

 結依が振り向いた、その瞬間。

 水面が、不自然に盛り上がる。

 ぬるりと現れたのは――

 イカともタコともつかない、異様に長い触手。

「でかっ……!」


 次の瞬間。

 ――ドンッ!!!

 振り抜かれた腕が、アストラを直撃した。


「アストラ!」

 左腕が、文字通り吹き飛ぶ。

「っ……!」

 結依は即座に通信を開く。

「ルビィ! アストラがやられた!」

 同時に、光線銃を構える。

「《フォトン・ランサー》、発射!」

 放たれた光線は、水の膜に阻まれ、威力が大きく減衰する。

「効いてない!? 嘘でしょ!」


 操縦席のルビィが、即座に判断を下す。

「結依、直接戦闘は無理!」

「船を囮にします!」


「了解!」


 ルミナール号のエンジンが唸りを上げる。

 巨大生物は、船の動きに反応し、進行方向を変えた。

「よし……こっちに食いついた!」


 結依は走りながら叫ぶ。

「アストラ、無事!?」


 倒れていたアストラが、何事もなかったかのように答える。

『問題ありません』

 そして。

 地面に落ちていた左腕を拾い上げ――

 カチッ。

 自分の肩へと装着した。

 あまりにも自然な動作。


 結依は、思わず固まる。

「……あんた、壊れやすいの?」


 アストラは首をわずかに傾げる。

『設計上、外れやすいだけです』


「それを“壊れやすい”って言うのよ!」

 遠くから、ルビィの笑い声が通信に混じる。


 巨大生物は、ルミナール号を追い、水中へと消えていった。

 水辺に、静けさが戻る。


 アストラは水面に残る波紋を静かに観測しながら、淡々と分析結果を口にした。

『先ほどの巨大生命体……見た感じ、地球で言う“クラーケン”みたいな生物に類似していますね』


 

 結依は腰に手を当て、呆れたようにため息をつく。

「クラーケンって、あの海の化け物でしょ?」

 そして、空を仰ぎながら小さくぼやいた。

「よりにもよって、なんで最初の惑星でそれ引くのよ……」


 通信越しに、ルビィが答える。

「伝説の続きだもの」

「平穏なわけ、ないでしょ」


 アストラは、落ちていた水サンプルを拾い直す。

『なお、サンプルは無事です』


 結依は空を仰ぐ。

「……あんた、本当に便利ね」


 採取が一段落した、そのとき。

 ――ピッ、ピッ、ピッ。


「……また?」

 結依は即座に銃を構え、周囲を見渡す。

「今度はどこから来るのよ」

 ルビィも警戒しながら、船の方へ視線を送る。


『安心してください』

 アストラの声は、先ほどよりも落ち着いていた。

『先ほどの巨大生命体とは、異なる反応です』


「違う?」


『ここから約二五キロ先に、集団反応を確認しました』

 ホログラムに、複数の点が表示される。

『数は……およそ五〇』


 結依が目を細める。

「また化け物の群れ?」


 アストラは首を横に振った。

『個体サイズは、我々とほぼ同等です』

 ルビィの目が、一瞬だけ鋭く光る。

「……知的生命体?」


『その可能性が高いです』

 淡々と続ける。

『集団で行動し、一定の位置に留まっている』

『村、あるいは町規模の居住地と推測されます』


 結依が、息を吐いた。

「やっと“話が通じそう”なのが出てきたね」


 ルビィは腕を組み、考え込む。

「宇宙船で近づくのは……目立ちすぎる」

「敵意を持たれても困るし」

 結依も頷く。


 アストラが即座に提案する。

『地上移動が適切と判断します』

「徒歩?」

『いえ』

 アストラが指差す。

 格納庫が開く。

 そこに並んでいたのは――

 三台のバイク。


「……バイク?」

 結依が目を瞬かせる。


『多目的水陸空対応走行ユニットです』


 ルビィは一台に近づき、軽く跨る。

「見た目は完全にバイクね」


『操作性も同様です』


 そのとき。

 結依がふと気づいた。

「……あれ?」


 アストラもバイクに跨っている。

「アストラ?」


『はい』


「飛べないの?」

 一拍。


『私は、空を飛べません』


 沈黙。


「「……え?」」

 二人の声が重なる。

「アンドロイドなのに?」


『はい』


「関節外れるのに?」


『はい』


 結依が即座に突っ込む。

「なんでそこだけ人間寄りなのよ!」


 アストラは真顔で答えた。

『設計者の趣味です』


「誰のよ!」


『オリオン・ミラノ博士です』


 ルビィは、どこか納得したように頷く。

(……首チョンパ人形の人だものね……)


 三人はそれぞれバイクに跨る。

 静かなエンジン音が、水の惑星に低く響いた。

 ルビィは前を見据える。

「五〇年前のミッションでは、ここまで辿り着けなかったのかな?」


 結依が笑う。

「今回は、生きて帰るよ」


 アストラが淡々と告げる。

『目的は調査です。戦闘は非推奨です』


「わかってる」

 ルビィが頷く。


「でも、何か出たら?」

 結依がニヤリと笑う。


 アストラは、ほんのわずかに間を置いた。

『……その時は、外れる部位を最大限活用します』


「それ、活用って言わないから!」


 三台のバイクは走り出す。

 二五キロ先――


 ――未知の集落へと向かって。


私からのお願い。

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