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精霊と共に  作者: キリくん
水の大精霊
36/37

ウォルカへの道

マジでおまたせしてすみませんでした!

━ある少女の話━


私はあの時死んだ。大好きな家族にはもう会えない。

そして私は生まれ変わった。知らない世界に。神様から使命を聞かされ、この世界で生きている。けど私の心は欠けていた。家族にもう一度会いたい。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


シャングリラから旅立って数日。ようやく港街ウォルカの近くまで来ていた。


「わあ!アーサー、見えてきたわよ!」


セリアが窓から身を乗り出して目を輝かせている。


「セリア落ちるなよー」

「大丈夫よ!」


その時馬車がガタッ!と大きく揺れた。


「きゃっ!」

「危ない!」


窓から落っこちそうになるセリアをとっさに掴まえる。そのまま何とか引っ張り出す。


「落ちるなよって言ったばかりだぞ?」

「ご、ごめん。ありがと。・・・・・・そろそろ離してくれる?」

「え?あ、ああ!ごめん」


セリアに言われて自分がセリアの腰の当たりを抱きしめた状態なことに気がつき、慌てて手を離す。


「お前ら何やってんだよ・・・」

「ラブラブだねー」

「2人ともうるさいわよ!」

「ははは・・・」


セリアが2人にガミガミ言っていたその時━━


「助けてー!!!!」


その声は確かに聞こえた。助けを求める声が。


「御者さん!馬車を止めてください!」

「ど、どうしたんだ!?」


御者の馬獣人のおじさんは慌てて馬車を止めてくれた。

俺はおじさんの問いに答えずに馬車から飛び出した。


「アーサーどうしたの!?」


急に飛び出した俺にセリア達は驚く。


「今子供の助けてって声が聞こえたんだ!・・・向こうから聞こえる!待ってろ!」

「待ってアーサー!!」

「ちょっと!もう!すみません御者さん、私たちここで降ります!これここまでの駄賃です。行くわよロット!」

「わかった」

「ちょ、お客さん!」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


確かこっちの方角から聞こえたはず・・・あれか!


「いやっ!!!助けてー!!!」


声の主はリス族の女の子だった。蜘蛛の魔物に襲われている。


「『フレイムウインド』!」


女の子を巻き込まないように注意しつつ魔物を攻撃する。

魔物は奇声を上げながら炎に包まれている。

だが、安心はできない。虫の魔物は燃やされたぐらいで倒れたりはしないはずだ。まずはあの女の子の安全な場所に!


「君!大丈夫かい?」

「うう・・・お母さん・・・助けて・・・」


魔物に襲われた恐怖で泣き崩れているようだ。とりあえず怪我はしていないみたいなので安心した。


「もう大丈夫だよ。さ、お母さんのところに帰ろう?」

「・・・本当?」

「本当だよ。お兄ちゃんに任せとけ!」

「・・・・・・うん。・・・!!お兄ちゃん後ろ!」


その声でとっさに振り向くと怒り狂った蜘蛛の魔物が飛びかかってきた。


「しまっ━━━━!!」


とっさに少女をかばったその時━━━


「「『ウインドブラスト』!!」」


突然横から突風が吹き荒れ、魔物を吹き飛ばした。


「先走りすぎよアーサー!!」

「セリア、ロット!助かったよ」

「油断すんな!まだ生きてるぞ!」


ロットの言う通り、蜘蛛はまだ倒せてはいなかった。俺は女の子をセリアに任せて剣を抜いた。


「あいつらは頭を潰さないとしぶといんだったな。よし、ロット。あれやろうぜ」

「・・・本気か?」

「せっかくだし特訓の成果を発揮するのも悪くないだろ?」

「・・・わかったよ」


仕方ない。と言った感じにロットは首を振る。


「サラ、頼むよ」

「りょーかい『フレイムソード』」

「・・・『フレイムソード』」


俺たちは炎の剣を構えると蜘蛛の魔物は甲高い音の鳴き声で威嚇してくる。


「行くぞ!」


俺の合図で俺たちは同時に魔物に向かって走り出す。

蜘蛛は口から白い糸を出してくるが、俺たちはその糸を切り裂きながら走り抜ける。

そして蜘蛛の目の前にたどり着き━━


「ロット!」

「わかってる!」


蜘蛛の左右から接近した俺たちは頭に向かって技を放った。


「「『クロスフレイムソード』!!」


技を放った俺たちは剣を鞘に納める。蜘蛛の魔物は頭部に十字の軌跡を残して地に伏した。


「やったなロット!」

「おう」


手を掲げるとロットも手を出し、ハイタッチをする。


「もう!一人で勝手に飛び出したら危ないって前にも言ったわよね!?私たちが遅れてたらこの子もあなたも無事じゃなかったわよ?」

「ごめんごめん。でも俺が遅れてたらその子が危険だったんだ。仕方ないだろ?」

「それはそうだけど・・・」

「おいお前ら、夫婦喧嘩は他所でやれ」

「だ、誰がふ━━━」

「おい、大丈夫か?」


ロットに噛み付こうとしたセリアだったが、ロットは目もくれずに助けた少女に声をかける。


「う、うん。平気だよ」

「そうか。だが、なんで1人でこんなとこにいたんだ?外には魔物がいて危ないんだぞ?」

「その・・・お、お母さんが病気になって・・・ここのお花があれば治るって言ってたから・・・。お父さんはお仕事で忙しいし・・・」


よく見ると少女の手には白い小さな花が握られていた。


「そうか。お前、名前は?」

「・・・マリア」

「マリアか。お母さんを助けたかったんだよな?」

「うん・・・」

「でもな?マリアのお母さんとお父さんはマリアがいなくなったらすごく心配すると思うんだ。もしマリアに何かあったら2人とも悲しむぞ?」

「うん・・・ごめん・・・なさい」


ロットはいつになく真剣な表情をしていた。

だがその表情はすぐに柔らかくなる。


「・・・けど、お母さんを助けるために1人でここまで来たその勇気はすごいことだ。よく頑張ったな」

「・・・・・・うん!」

「さ、俺たちが家まで送ってやるよ。マリアはどっから来たんだ?」

「私ウォルカって街から来たの!」

「お、ちょうどいいな。俺たちもそこに行く途中だったんだ。セリア、あの魔物の素材俺とアーサーで回収するからマリアと先に行っててくれ」

「え、えぇ。わかったわ」


セリアは意外そうな顔をしながらマリアを連れて街道の方へ戻って行った。

そして俺とロットは先程の魔物から素材を回収していた。この世界にはギルドといういわゆる冒険者のための施設がある。そこで魔物の素材を換金してくれるというわけだ。まあよくあるやつって感じだ。


「ロット、お前結構面倒見がいいんだな」

「・・・そうでもねーよ。なんというか・・・俺みたいに不幸になって欲しくないんだよ」

「・・・そうか」

「・・・あー!ったく!恥ずかしいこと言わせんな!さっさと回収して戻るぞ!」


そう言って黙って黙々と回収を始めてしまった。俺はクスリと笑いながら回収を急いだ。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


街道に戻るとなんと御者さんは馬車を止めて待っていてくれた。


「すみませんわざわざ待ってもらって」

「いいんだよいいんだよ。長いことやってると珍しくもないからね。さ、行きましょう」


こうしてマリアを加えて再び出発した。マリアと色々と喋りながら馬車に揺られ、ウォルカまであと少しのところまで近づいていた。


「マリアちゃん。マリアちゃんにとってウォルカってどんなところ?」

「すっごくきれいなの!海がキラキラしてて、美味しいお魚がいっぱい取れるんだよ!」

「へぇー、それは楽しみだな」

「・・・でもね」


笑顔だったマリアの顔が曇る。


「ちょっと前からお魚が取れなくなったり、病気になる人が増えてるの」

「病気?一体何が・・・」

「お客さん!着いたよ!」


御者さんの声を聞き、俺たちは窓から顔を出した。そこに広がる光景はマリアが言っていた景色とは真逆でどんよりとした海に暗い雰囲気の街が広がっていた。


だいぶお待たせして申し訳ありません!これからもゆっくりと更新していきますのでよろしくお願いします!

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