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第9話 神無月編 1 お知らせ

お目に留めていだだき光栄です。


神無月編、始まります。


神様が出張に行ってしまったら、

おやしろまんはどうなるのか?


今回もよろしくお願いします♪

10月1日 朝5時


勇助の左耳につけている鳥居の形の

神環(じんかん)から

ピンポンパンポ〜ン♪とお知らせ音が鳴った。


寝ていた勇助はガバッと飛び起きる。

愛猫ホームズも余波でガバッとひっくり返る。


「な、なに?なんか鳴った!」

ひっくり返ったホームズを抱き寄せ辺りを見渡す。


心臓がバクバクしてるところに

もう一度、神環から

ピンポンパンポ〜ン♪と鳴る。


『今月は、おやしろまんになれません。

何故なら神様が出張だからです』


と無機質な音声でアナウンスが流れた。


「え、え?え?……タゴサク構文?」


『にぁ〜あ?』


心臓のバクバクが治らず、

思考も上手く回らず、

何が何だかわからないまま、

一日が始まった。


…………………


早朝のドキドキ寝起きで、体のリズムが崩れ、

フラフラしながら学校に向かう。


学校に着いても、今朝の件が気になって

授業に身が入らない。


ふぁ〜っと欠伸をしつつ窓から空を眺めた。


「……朝のはなんだったんだろう……

はぁ……。


…………あ、

そっか!先生に聞いてみよう!」


勇助は産休の代理で来てる化学の

スマイリー先生に相談することを思いつくと、

少し気分が晴れた。


そして放課後、さっそく化学準備室に向かう。


「珍しいですね、勇助さんから相談とは」

にこり。


この先生は現在2000年ぶりの絶賛長期休暇を

始めたばかりのフフフエルと言う天使だった。

(なぜ、ここにいるかは過去の話を参照)


「ごめんなさい。

誰に相談していいかわからなくて……」

と今朝の出来事を話した。


「あぁ、なるほどですね。

今日から神無月なので日本の八百万の神々は

出雲に集まるからではないでしょうか」

にこり。


「神無月?」


「はい、私も管轄外なので詳しくは

知識程度ですが……

十月に全国の神々が出雲に集まり、

来年のことを決める会議があるようです」

にこり。


「だから出張なんだぁ!」


「そうですね。

サミットみたいな感じでしょうか。

八百万は、数えきれないと言う

意味のようですが、現代で例えると

G7ならぬ、G8ミリオン。

会議は大変でしょうね♪」

にこり。


(……まとまるんだろうか……)


「そして面白いのは、答え合わせのように

出雲地方は今月は神在月って呼ぶようです。

ほんとに面白いです」

にこり。


西洋の天使に日本の神様を教えてもらうと言う

奇妙な状況だが、勇助としては頼りになる先生として、2学期から絶妙な距離で接している。

また、おやしろまんを知る唯一の人でもあった。


「そう言えば♪

この時期、出雲に行くのも面白そうですね」

フフフ♪


先生は、バカンス意欲が出たのか何か考えてる様子。

神様や、先生に関わると大事(おおごと)

になるため、勇助はお礼を言うと

そそくさと下校をした。


その夜、夕食を済まして居間でテレビを

ホームズとじゃれ合いながら見てると

母親のイボンヌが勇助に話しかけてきた。


「勇助〜!来週アモーレ、

若サン達ト慰安旅行ニ行クコトニナッタヨ!」


「慰安旅行? 行ってらっしゃい。」


「違ウ違ウ!勇助モ!カヨサンモ!」


「えぇーー!オレも?いきなりじゃない?」


どうやら父親の知り合いの旅館で

突然キャンセルが出たらしく、

「せっかくだから」と組の若頭を含めた

数人と、通いのお手伝いのカヨさん、

勇助を含めて久々の慰安旅行にしたらしい。


「何処行くの?」


「出雲!」


「はぁぁぁ‼︎」


「ドウシタ勇助? 嫌?」


「あ、いやなんでも……遠いなって思って……」


「ソレ大丈夫!飛行機全員分

チケット取レタ!miracoloネ♪」


「奇跡ってなんかシャレになってない気が……」


イタリア人の母親は日本探訪に興味津々。


「ソフトクリーム、ぜんざい、蕎麦、絶対!

温泉モ絶対!」


「ってマンマ、ホームズはどうするの?」


「モチロン一緒!」

イボンヌはホームズを抱き抱えながら

クルンとまわる。


ホームズは、なすがまま

「にゃぁ〜?」と鳴いた。


(もう……なんでもありだね……)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


"おやしろまん"の世界を少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。


勇助たちの物語は、これから少しずつ広がっていきます。


また次のお話でお会いできたら幸いです。


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