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【実は狐の眷属です!真白と紡ぎの神社日誌】  作者: 稲荷寿司
【小さな守り星再び!】

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38/50

仲間の輪

いつもお読みいただき、ほんとうに

ありがとうございます。(*´∀`*)

登場人物たちの想いや決意を感じていただけましたら幸いです。



「ユッキーさん。今は不安でしょうが……

 どうか、僕たちを信じてください」


(真白様たちのことは、信じている……

 けれど、それじゃ……)


「じ、じゃあ……

 あたし……あの子を助けたいのに……

 ここから……動けないってことですか……!?」


縁はそっと、優しい声音で言った。


「大丈夫だよ、ユッキーちゃん。落ち着いて。

 ここから出るときには──

 僕たち眷属“の中”に入ってもらえばいいんだ。」


ユッキー

「えっ……そんな事、できるんですか?」


真白

「ええ。僕も縁様も紡も、主神様にお仕えする眷属です。

 それなりに神気もありますから、

 あなたを守りながら連れていく事くらいできますよ。」


その時。


「それに――わたしもいますよっ!」


ぱたぱたと駆けてくる気配。

ふわっと白い袖が、ユッキーの前に広がる。


優羽

「ユッキーちゃん、はじめまして!

 私は、真白様たちと同じ眷属の優羽です!」


その瞬間、

目の前の手のひらサイズの精霊を見て──


(な、なんて……

 小さくて可愛らしいのかしら……!!!!)


優羽は、胸をぎゅーっと締めつけられる。


優羽

「縁様! お話は全部聞きました!

 私もお手伝いさせてくださいっ!」


ユッキー

(なっ……なんか勢いがすごい子ね……!)


後ずさりしながら、慌てて自己紹介する。


ユッキー

「あ、あ、あのっ!えっと……ユッキーです!

 はじめましてっ……!」


優羽

「きゃ〜っ……!やっぱり可愛い……!」


縁がくすっと笑い、肩に手を置く。


「もちろん、そのつもりでしたよ。

 優羽さんの力も心強いからね。」


優羽

「はいっ!!任せてください!」


真白

「ですが……優羽さん。

 まずは少し落ち着きましょう。

 ユッキーさんが驚いていますから。」


優羽

「はっ……!

 ごめんなさいユッキーちゃん!!

 ……あまりにも可愛すぎて……!」


ユッキーは、びくっと小さく身を震わせた。

どう反応すればいいのか分からず、

両前足を胸の前で、そっと揃える。


ユッキー

「あ、い、いえ……!

 その……ありがとう……ございます……?」


真白

「でも優羽さんの気持ちは分かりますよ。

 ユッキーさんは、しばらくここで過ごしていただくことになりますし……」


優羽

「ですよね!?ね、縁様!

 私、ユッキーちゃんと一緒に過ごしたいです!!

 私がお世話したいです!!」


「ふふ、そんなに前のめりにならなくても大丈夫だよ、優羽さん。

 もちろん、一緒に過ごしていいよ。」


優羽

「やったぁぁ……!」


真白

「優羽さんは“女性眷属”ですしね。

 僕たち男性眷属と過ごすより、

 ユッキーさんも安心できると思います。」


ユッキー

「えっ……良いんですか??

 優羽さん、その……よろしくお願いします……!」


優羽

「はいっ!任せてください!

 ユッキーちゃんのこと、私が全力でサポートします!!」


「優羽さん、ユッキーちゃんと触れ合う時は……

 その、そっとですよ!そっと!」


優羽は、にっこり笑って──


バンッ!


紡の背中を、豪快に叩いた。


優羽

「分かってるってば〜紡!

 じゃあ、ユッキーちゃん!

 私のお部屋へ行きましょう!!」


ユッキーは手のひらに乗せられ、

そのまま連れて行かれた。


「……ほ、本当に……大丈夫かな……」


「僕も偵察に行きたいところなんだけど……

 明日はちょっと……」


真白

「大丈夫ですよ、縁様。

 明日は神無月の合同会合の準備がありますよね。

 明日の偵察は、僕と優羽さんで行ってきます。」


「分かった。じゃあ──

 必ず主神様のお守りを持っていってね。

 まずはユッキーちゃんのご主人の状態を確認して、

 その後の対処法を一緒に考えよう。」


「真白様……どうか気をつけてください……。」


真白

「ええ、大丈夫ですよ。

 いざとなったら、優羽さんが力になってくれますしね。」


ふと、紡のおでこを見る。


真白

「ところで紡……

 そのおでこの白いものは?」


「あっ!これですか?

 優羽さんが

 “冷えピタ貼っとけば大丈夫だよ!”

 って貼ってくれたんです!

 すごく冷たくて気持ちいいんですよ〜!」


真白

「へぇ……そんな便利なものがあるんですね……」


紡が得意げに触ってみせる横で──


縁が、ぷっと吹き出した。


「……ふふっ……!」


(……優羽さん適当すぎでしょ!)


三人の間に、ほっとした空気が流れた。


だが、その穏やかな空気の奥には、

それぞれの胸に、同じ想いが宿っていた。


──必ず、ユッキーちゃんのご主人を助ける。


その強い決意を胸に、

眷属たちの夜は、ゆっくりと更けていった。




最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

次回はいよいよ朝を迎え、偵察へと向かいます。

引き続き、お付き合いいただけましたら嬉しいです。

(*´∀`*)

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