仲間の輪
いつもお読みいただき、ほんとうに
ありがとうございます。(*´∀`*)
登場人物たちの想いや決意を感じていただけましたら幸いです。
「ユッキーさん。今は不安でしょうが……
どうか、僕たちを信じてください」
(真白様たちのことは、信じている……
けれど、それじゃ……)
「じ、じゃあ……
あたし……あの子を助けたいのに……
ここから……動けないってことですか……!?」
縁はそっと、優しい声音で言った。
縁
「大丈夫だよ、ユッキーちゃん。落ち着いて。
ここから出るときには──
僕たち眷属“の中”に入ってもらえばいいんだ。」
ユッキー
「えっ……そんな事、できるんですか?」
真白
「ええ。僕も縁様も紡も、主神様にお仕えする眷属です。
それなりに神気もありますから、
あなたを守りながら連れていく事くらいできますよ。」
その時。
「それに――わたしもいますよっ!」
ぱたぱたと駆けてくる気配。
ふわっと白い袖が、ユッキーの前に広がる。
優羽
「ユッキーちゃん、はじめまして!
私は、真白様たちと同じ眷属の優羽です!」
その瞬間、
目の前の手のひらサイズの精霊を見て──
(な、なんて……
小さくて可愛らしいのかしら……!!!!)
優羽は、胸をぎゅーっと締めつけられる。
優羽
「縁様! お話は全部聞きました!
私もお手伝いさせてくださいっ!」
ユッキー
(なっ……なんか勢いがすごい子ね……!)
後ずさりしながら、慌てて自己紹介する。
ユッキー
「あ、あ、あのっ!えっと……ユッキーです!
はじめましてっ……!」
優羽
「きゃ〜っ……!やっぱり可愛い……!」
縁がくすっと笑い、肩に手を置く。
縁
「もちろん、そのつもりでしたよ。
優羽さんの力も心強いからね。」
優羽
「はいっ!!任せてください!」
真白
「ですが……優羽さん。
まずは少し落ち着きましょう。
ユッキーさんが驚いていますから。」
優羽
「はっ……!
ごめんなさいユッキーちゃん!!
……あまりにも可愛すぎて……!」
ユッキーは、びくっと小さく身を震わせた。
どう反応すればいいのか分からず、
両前足を胸の前で、そっと揃える。
ユッキー
「あ、い、いえ……!
その……ありがとう……ございます……?」
真白
「でも優羽さんの気持ちは分かりますよ。
ユッキーさんは、しばらくここで過ごしていただくことになりますし……」
優羽
「ですよね!?ね、縁様!
私、ユッキーちゃんと一緒に過ごしたいです!!
私がお世話したいです!!」
縁
「ふふ、そんなに前のめりにならなくても大丈夫だよ、優羽さん。
もちろん、一緒に過ごしていいよ。」
優羽
「やったぁぁ……!」
真白
「優羽さんは“女性眷属”ですしね。
僕たち男性眷属と過ごすより、
ユッキーさんも安心できると思います。」
ユッキー
「えっ……良いんですか??
優羽さん、その……よろしくお願いします……!」
優羽
「はいっ!任せてください!
ユッキーちゃんのこと、私が全力でサポートします!!」
紡
「優羽さん、ユッキーちゃんと触れ合う時は……
その、そっとですよ!そっと!」
優羽は、にっこり笑って──
バンッ!
紡の背中を、豪快に叩いた。
優羽
「分かってるってば〜紡!
じゃあ、ユッキーちゃん!
私のお部屋へ行きましょう!!」
ユッキーは手のひらに乗せられ、
そのまま連れて行かれた。
紡
「……ほ、本当に……大丈夫かな……」
縁
「僕も偵察に行きたいところなんだけど……
明日はちょっと……」
真白
「大丈夫ですよ、縁様。
明日は神無月の合同会合の準備がありますよね。
明日の偵察は、僕と優羽さんで行ってきます。」
縁
「分かった。じゃあ──
必ず主神様のお守りを持っていってね。
まずはユッキーちゃんのご主人の状態を確認して、
その後の対処法を一緒に考えよう。」
紡
「真白様……どうか気をつけてください……。」
真白
「ええ、大丈夫ですよ。
いざとなったら、優羽さんが力になってくれますしね。」
ふと、紡のおでこを見る。
真白
「ところで紡……
そのおでこの白いものは?」
紡
「あっ!これですか?
優羽さんが
“冷えピタ貼っとけば大丈夫だよ!”
って貼ってくれたんです!
すごく冷たくて気持ちいいんですよ〜!」
真白
「へぇ……そんな便利なものがあるんですね……」
紡が得意げに触ってみせる横で──
縁が、ぷっと吹き出した。
縁
「……ふふっ……!」
(……優羽さん適当すぎでしょ!)
三人の間に、ほっとした空気が流れた。
だが、その穏やかな空気の奥には、
それぞれの胸に、同じ想いが宿っていた。
──必ず、ユッキーちゃんのご主人を助ける。
その強い決意を胸に、
眷属たちの夜は、ゆっくりと更けていった。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
次回はいよいよ朝を迎え、偵察へと向かいます。
引き続き、お付き合いいただけましたら嬉しいです。
(*´∀`*)




