『謎の石は期待以上のようです。』
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琥珀糖のおかげで落ち着きを取り戻した義久三兄弟は真白たちへ謝罪を済ませると、改めて話の続きへと戻った。
義久
「取り乱してしまい大変、
申し訳ございませんでした。
しかし、真白殿、この琥珀糖は、
ほんとに心が落ち着きますな……驚きです」
義久は、どこか感心したように手元の琥珀糖へと目を落とした。その表情にも、いつもの穏やかさが戻っている。
著莪
「それじゃあ話の続きに戻りましょう。」
著莪はそう言って皆の様子を一度見渡すと、
それまでの柔らかな表情を引き締めた。
著莪
「今回、禁忌の眷属や、
災禍の神の目的は間違いなくあの黒曜石
だったのでしょう。」
火の童子は腕を組み、
思い返すように眉間へしわを寄せる。
火の童子
「灰燼を切り捨ててまで手に入れたかった物みたいやけど、あの石になんか特別な何かがあるんか?なんも感じへんかったけど。」
火の童子は、あの黒曜石を目にした時、
少なくとも自分には、特別な力など何ひとつ感じられなかった。
疾風は静かに考え込んでいたが、
ふと、何かが引っかかったように顔を上げた。
疾風
「それに禍狐の琥珀を連れ帰ったことにも、
何か意味があるのでしょうか?
同じ禁忌の眷属の、
灰燼は切り捨てられましたよね」
楓
「恐らくですが、
灰燼は尋問された所で、
情報が漏れる心配がないのでは?
そして反対に禍狐の琥珀は、
漏らされては困る情報を、
知っていたのではないでしょうか。」
義久
「確かに……
禍狐の琥珀は長らく災禍の神との繋がりがある
ようでしたから……
色々と情報は持ってそうですよね。」
著莪
「なるほどね……情報源は残せない。
だからあんな取引を持ちかけた訳か。」
真白
「あの黒曜石ですが、
穢れ人の身体から出てきました。
ですが、これまで討伐してきた穢れ人から、
あのような石が生まれたのは、
見たことがありません。」
三国
「今回の穢れ人は今まで見てきた穢れ人とは、
明らかに違うものだった。
そういう特別な何かがある穢れ人から
生まれるものなのでは?」
鬼鹿毛
(おぉ……三国様が珍しくまともな事を……。)
その隣では月影も三国の発言に感心したようにウンウンと何度も頷いていた。
義久
「玉繭様は、何か感じましたか?」
玉繭の神
「妾も何も感じなかったのぉ。
月の神よそなたはどうじゃ?」
月の神
「私も、あの石からは何も感じませんでした。
それどころか、
先見の明の権能すら働くことのない、
何の変哲もない石のように見えました。」
真白
「有明様の権能でさえ反応がない……
逆に気になりますね。」
澪斗
「そうですね。
あの石を取り返そうと結構必死でしたし……
それに、よほど重要な石なのでしょう」
真白
「あの石は、
災禍の神にとって、
どうしても手元に置いておかなければならないものなのでしょう。
ですが……
災禍の神は、あの石で何をしようとしているのか。
全く見当がつきません」
玉繭の神
「ですが、
ここで考えていても、
答えは出そうにありませんね。
ひとまず、
他に封印されている穢れ人の中に、
同じような事例がないか調べてみましょう」
月の女神
「そうですね。
私の方でも調べてみます」
今はまだ、
あの黒曜石が何なのか分からない。
なぜ、
あれほどまでに取り戻そうとしたのかも。
そしてなぜ、
禍狐の琥珀まで必要としているのかも。
その疑念だけを残し、
玉繭の神と月の女神は、
それぞれの天界へと帰っていった。
義久
「皆様、此度の穢れ人討伐にお力添えを頂き、
誠にありがとうございました。
我ら猫の眷属はこのご恩を忘れることなく、
皆様が我々の力を必要となさる時、
我らはすぐに駆けつけます。」
寿久
「もちろん我も必ず駆けつけます。
それに紡様、真白様、お初の言葉をほんとにありがとうございます。」
義弘
「お初の想いを知れたことで、
胸のつかえが取れたような、
そんな気がします。」
――その頃。
どこかの仄暗い洞窟では――
災禍の神の手に、
一つの黒曜石が握られていた。
災禍の神
「……素晴らしいね。
期待以上の出来だよ。
……これなら、
ほんとに面白い事になるよ」
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(人´∀`).☆.。.:*・゜




