天国で待つにゃ!
16:30。ちまの葬儀が始まる。
少し早めに出てちまの元ナワバリを一緒にドライブした。
「この排水溝を歩いてたね。」
「そんなとこまで謙虚だったね。」
「あの道端で見つかった!って顔してたね。」
「いつも家に来た時は大声で訴えるのに、そういう時だけ敏感だったね。」
散歩コースをゆっくり巡って、火葬場へ向かう。
昔飼っていた犬が共同墓地に眠っている。
少し早めに到着したら「猫ちゃんごとどうぞ。」と、太った神主さんが言ってくれた。
ちまが眠る箱を抱き抱えて指定されたところへ運ぶ。
焼香を促されたので泣きながら願った。天国に行けますように、と。
約15分程度、お経を唱えてもらった。
じんわりと、そして大きく「ちまは、もう、亡くなったんだ。」という喪失感が生まれて涙がとまらなかった。
程なくして火葬となった。
涙をハンカチで拭いちまを見送る最後。
ふわふわ猫さんのちま。
一生懸命生きたちま。
他の猫のことまできにかける、優しいちま。
撫でた。沢山撫でた。
それでもなで尽くせない。
ちまとの別れ。現実が押し寄せる。
火葬のスイッチのボタンを押すように言われた。
心の中で、ちま、頑張ったねと呟いて、押す。
ちまがどんどん進んでいく。
蓋がされた火葬場。
ちま、本当にありがとう。
大粒の涙が止まらない。
火葬してもらっている間、分骨用のアクセサリー売り場を見ていた。
高価だがちゃんとしたものを選びたかった。
遺影のフォトフレームの色に合わせて白い小さな壺を買った。
ちまのトレードマークの欠けた犬歯が、どうしても欲しくて。
40分程度だろうか。
火葬が終わったことを告げられる。
見に行くと、骨になっているちま。
下半身から順番にお骨入れにいれていく。
その間、爪や犬歯を蓋に取ってもらった。
最後に喉仏をいれて、ちまは小さくなった。
10月までは預かってもらえて、その後は共同墓地に行くらしい。
丁度四十九日が終わる頃まで、小さなちまをお参りできる。
帰り際、飼われている黒猫が鳴いていた。
猫の声に反応して行くと、共同墓地にたどり着いた。
案内してくれたんだね、ありがとう。
昔飼っていた犬が眠っている墓地。
「元気かい?しばらくしたらお友達が行くから、あの世で仲良くしていてね。」と祈りながら伝えた。
帰ってきて早速、遺影を飾りその横に犬歯が入った小さな壺を置いた。
「おかえり。」
「随分小さくなっちゃったね。」
「これで毎日会えるね。」
「大好きだよ。」
「もう、苦しまなくていいからね。」
祈りをあげる。
しっかりと供養して貰い、分骨までできたから、涙はでない。
悲しみが消えたんじゃない。
でも、もう鳴き声も聞こえないけど、これでずっと傍に居られるんだ。
見守ってくれているんだ。
大好きなちま。
君は人間より立派に善行を尽くしたよ。
きっと、天国行きに決まってるよ。
ほんの少しの間だけ、お預けだね。
ありがとう、うちに来てくれて。
ありがとう、先住猫ともじゃれてくれて。
ありがとう、ありがとう。
もう言葉なんかじゃ表せないくらい、感謝してる。
ねぇちま。わたし、少しでも強くなれたよね。
「わからんにゃ。でも僕を見習うにゃ!」
そう言ってくれてる気がするんだ。
最愛の猫、最愛の親友、ここに眠る。
ありがとう、ちま。
出会えた時から最後の最後まで幸せだよ。
きっと、これからも、見守っていてくれるよね。
ちまちま日記を読んでくださった全ての方々へ。
ちまを愛してくれてありがとうございます。
ちまにもその愛を伝えてきました。
本当にありがとうございます。
そして、今からちまちま日記を読んでくださる方々へ。
ちまという猫がどんな一生を遂げたのか。
少しでも響くものがあれば、ちまも救われます。
これも何かのご縁。
作品は終わりますが、この日記は特別なものです。
ちまが天国で「ちゅーるよこすにゃっ!」と元気にじゃれることが、わたしの願いです。
長々とお付き合い下さり、ありがとうございました。
「あのぅ、えさ、くれませんか?」




