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小さな大冒険。

ちまは相変わらず父の部屋の縁側の隅っこ暮しだ。

エアコンすらついていない暑い部屋の中でも、最も太陽の熱を帯びる出窓では体力を消耗しやすいはず。

それでもちまが決めた安住の地なので、無理に出すことはしない。

ただ1つ、運動不足が気になっていた。

なので30cmの距離まで餌を求め歩く練習をしていた。


そんな矢先、小さな大冒険が始まった。

なんと父の部屋から出てきて、にゃーにゃーと鳴いた。

もちろん餌を用意したら、ヨボヨボながら歩いてごはんをガツガツと食べて元気が出たようだ。

エアコンが効くリビングで毛ずくろいをしていた。

思わずちまー!と抱きしめたい気持ちが先走り歩み寄ると、

「あのぅ、びっくりしました、そっとしておいてくれますか。」

と、テーブルの下までそそくさと逃げた。

なんだ、ちま。さっきまでヨボヨボだったのにダッシュができるじゃんか。と、こころで喜ぶ。

それからはそーっと近づいてブラッシングをしてあげると、目を細め身を任せてくれた。


小さな大冒険はまだ止まらない。

気づけばちまがいなくなっている。

リビングはドアが閉まっており、この部屋の中のどこかにいる。どこだ?

探してみるとすぐ見つかった。

ふと、視線を上げるとーー。


なんと、出窓で寝転がっているではないか!


この高さまでジャンプが出来るという事だ。

素晴らしい勇気、そして生命力。

よく頑張ったね、今日も生きたね、えらいよ。

一日一歩ずつ、マイペース、マイペース。

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