ビビリーにょ伯爵
うちにはちま以外にも2匹猫がいる。
ハチワレメス猫で人懐っこいぼーっとしている「ぬぼ先生」と、シャム風小柄なビビリオス猫「ビビリーにょ伯爵だ。」
2匹はとても仲が良く、特にビビリーにょ伯爵にとってぬぼ先生は母代わりになっており、よく顔を舐めて〜と甘えに行く。
ぬぼ先生も面倒見がいいのでよく可愛がっている。時々猫特有の気まぐれで喧嘩はするが、仲良しだ。
ちまはその二人の間に入ったりはしない。
むしろ微笑ましく眺めているだけだ。
ビビリーにょ伯爵は物音1つで身体をビクンとさせるくらいビビリ猫のくせに、よく脱走していく。
そして脱走経路の下でうずくまってすぐ戻ってきては「世界…怖い…」と怯えているが、内弁慶で家の中では強気だ。小さな肩で風を切り家の中を歩き回る。
もちろんちまにも強気だ。
「ふ、ふん!おっさん、僕は伯爵なんだぞ。」
「そうですか、そうですか。」
「この前も脱走して世界を見てきたんだ。」
子猫の頃から家飼いのビビリーにょ伯爵は野良になったつもりになっただけで強気だ。
一方ちまは、長年野良で暮らしてきて、ビビリーにょ伯爵の可愛い自慢にも優しく応対する。
「今度は1晩かけて散歩に行ってやるんだ!」
「えぇ、それはまぁ。危険ですよ。」
「ふん!僕は強いんだぞ!」
和やかな会話をぬぼ先生はぼーっと眺めている。
「あんた達。仲良いのね。」




