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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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田村家にお迎えに行きましたら

慶長元年(1596年)三月十日

陸奥国 某所


「そろそろ田村家の領地に入りますぞ!佐竹殿、疲れておりませぬか?」


「はっはっは!伊達殿、嫁と孫達を連れて帰る事が決まったのじゃ!疲れたなど言っておれぬ!


それに、儂達は船で常陸国に帰るだけじゃが、柴田殿は常陸国から畿内を目指すのじゃから、更に大変じゃろう!のう、柴田殿?」


皆さんこんにちは。佐竹殿から話を振られた柴田六三郎です。伊達政宗と佐竹殿の会話を聞いて分かった方も居ると思いますが


現在、田村家へ向かう道中を進んでおります。理由として、そろそろ田村家当主の次郎殿の正室の清姫さんの出産時期である事と


伊達政宗の正室の愛姫さんを迎えに行く為です。これで清姫さんが出産済みだったなら速攻で帰りたいですが


そんな事は恐らく無く、今月、弥生の末か翌月の卯月の頭頃の出産になると思っております。いくら清姫さんが若くても早産は危険ですからねえ


とりあえず今は、無事に出産してくれる事を祈っております


で、俺がそんな事を考えて移動している軍勢の中に四郎殿の嫁2人と子供2人、更には今回の嫁探しで「嫁いでも良い」と言ってくれた一乃さんと振さんも同行しております


まあ、歳上の一乃さんは既に平四郎殿に嫁ぐ事が決まったので、振さんが佐藤二郎殿に嫁ぐだけなのですが


その二郎殿の妹の初代さん曰く、「兄が田村様の元で世話になっているのは、戦で負けた際、撤退の道の選択を間違えたからだと思われます


なので、振姫様を嫁にもらう際に選択を間違えない様、私も同席させて下さい」と、何やら二郎殿がポンコツかの様に言うので


本当にポンコツな兄なのか、それともしっかりしている妹なのか、不謹慎ながらもワクワクしております


まあ、俺だったら妹達にポンコツ認定された場合、間違いなく落ち込みますね!


俺の場合は家に殆ど居ないから、ポンコツかどうかも分からないでしょうから、ポンコツ認定されないと願いましょう


六三郎が「自分は妹達からポンコツ認定されていないか?」と不安になりながら進む事、3日


慶長元年(1596年)三月十三日

陸奥国 田村家屋敷


「義兄上!柴田様!佐竹様!良くぞお越しくださいました!」


「うむ!義弟よ、愛を迎えに来たのじゃが、その様子だと清が大変な様じゃな」


「はい。出産が近づいているので、立ち上がるのもやっとな状態です。なので、、」


皆さんおはようございます。田村家に到着しました柴田六三郎です


次郎殿が俺達を出迎えに来てくれましたが、歯切れが悪いのは清姫さんの体調が思わしくないからだろうな


まあ、此処に居る俺含めた当主で次郎殿以外は子持ちなので


「次郎殿。清姫殿の体調が優れないのであれば、そのまま寝かせてやりなされ。伊達殿も佐竹殿も


そして拙者も全員子持ちなのですから、出産間近の嫁の身体を最優先に気遣う事は分かっておる。そうですな、伊達殿と佐竹殿?」


俺のこの言葉に


「「勿論じゃ!」」


納得してくれました。それを聞いた次郎殿も


「寛大なご配慮、誠に有難うございます!」


めっちゃ頭を下げております。そんな次郎殿に伊達政宗が


「義弟よ、此度はお主の元で世話になっておる愛を迎えに来た事と佐藤二郎に嫁をあてがいに来たのじゃ、大広間に二人を呼んでくれ!」


目的の2人を呼び出してくれと命令する。命令を受けた次郎殿は急いで家臣に命令して2人を連れて来ると


「藤次郎様!ご無事だったのですね!心配しておりました!」


愛姫さんは伊達政宗の無事に安堵しております。まあ、当然の反応ですよね。ですがもう1人の連れて来られた佐藤二郎殿は


「あ、あの、伊達様。田村様より、「拙者に嫁をあてがう」と言われたのですが、それは誠ですか?


拙者は先の騒乱の際、半ば巻き込まれた形とはいえ、針生平三郎の軍勢に居りましたので、本来ならば斬首されてもおかしくないと思うのですが」


とてもビビりながら、伊達政宗に話しております。そんな佐藤二郎殿にフォロー的な言葉をかけたのは


「佐藤殿、良く聞け!儂は此度、針生平三郎に殺された四郎の父の佐竹従四位下常陸介じゃ!


四郎が殺された事で、常陸国から出陣して来たが、針生平三郎と同調した者達全て、前年の師走に殲滅した!儂の手で四郎の仇を取りたかったが


奴らが死んだ事で、一先ず溜飲は下がったのじゃ!気にするな!」


佐竹殿でした。佐竹殿の言葉に佐藤殿は


「佐竹様!誠に、誠に申し訳ありませぬ!拙者は、拙者は!」


頭を下げて謝罪していた。しかし佐竹殿は


「佐藤殿、気にするでない!それに、儂と伊達殿が佐藤殿に嫁をあてがう理由も、また四郎絡みなのじゃ!」


かなりアバウトに、嫁をあてがう理由を伝える。佐藤殿は当然、理解出来ないので


「あの、佐竹様。それはどの様な理由なのですか?」


質問する。質問に答えたのは、伊達政宗でも佐竹殿でもなく


「佐藤殿、儂が説明しよう」


平四郎殿でした。平四郎殿を見た佐藤殿は


「へ、平四郎殿!ご、ご無事だったのですか!?」


驚いていたが、平四郎殿は気にせず続ける


「佐藤殿、拙者や平之助叔父上、そして兄に巻き込まれなかった者達は全員無事ですぞ


それよりも、当主様の嫁の事で祝着な事があったのじゃ!良く聞きなされ!当主様の正室として嫁いでおった拙者の妹の五美、


側室として嫁いでおった佐藤殿の妹の初代殿が生きておる!それだけでなく、当主様の子を出産しておったのじゃ!


佐竹様は、二人と子供達を常陸国に連れて行きたいと仰ってあるが、二人共、「兄が独り身なので、兄が嫁をもらうまでは動けない」と、佐竹様に伝えたのじゃが


それを解決する為に、拙者の新たな主家である伊達家の尽力により、拙者と佐藤殿の嫁になっても良いと言ってくれた女子が居るのじゃよ!」


平四郎殿の説明を聞いた佐藤殿は


「拙者が嫁を、誠にもらっても良いのですか?」


贖罪の思いがあるのか、困惑しております。ですが、この場面で出て来たのが


「兄上!佐竹様と伊達様の厚意を素直に受けなされ!」


佐藤殿の妹の初代さんです。初代さんの登場に佐藤殿は


「は、は、初代!お主、何故此処に居る!?」


パニックになっておりますが、初代さんは


「兄上!私は、兄上が選択を間違えない為にこの場に居ます!私は、兄上が独り身である事が心配だから、佐竹様に兄上の嫁をお頼みしたのです!


改めてですが兄上、四郎様に申し訳ないと思うのであれば嫁をもらってください!私は、四郎様の娘を産んだ以上、娘が最優先になります!


だから兄上、伊達様からの紹介の姫君を嫁にもらってください!」


佐藤殿に嫁をもらって欲しい理由を力説する。妹の言葉に佐藤殿は


「初代、分かった。伊達様、妹の言葉を受けた形になりますが、嫁をあてがってくださり、誠に忝うございます。そして佐竹様、妹と姪の事、よろしくお願いします」


納得した様で、伊達政宗と佐竹殿に頭を下げた。これで一件落着かな〜と、思っていたら


田村家の家臣の方が走って来まして


「殿!清姫様が、産気づきました!!」


清姫さんの出産が近い事を伝えてくれました。報告を受けた次郎殿は


「ま、ま、誠か。ど、ど、ど、どうすれば良い?し、し、柴田様!この様な状況で男親は何をしたら良いのですか?」


パニックになって、俺に質問して来ましたが、こんな時は


「次郎殿!こんな時、男親がやるべき事は神棚に向かって、母子の無事を祈る安産祈願だけじゃ!ほれ、神棚のある部屋に行こうではないか!共に安産祈願をしよう!」


安産祈願をするしかないので、神棚の部屋に行こうと伝えると


「儂も行こう!義弟の子が産まれるのじゃからな!無事を願おうではないか!」


「儂も微力ながら、安産祈願をさせてもらおう!」


「父上と同じく安産祈願をさせていただきますぞ!」


伊達政宗と佐竹親子が安産祈願を一緒にやると立ち上がる。こうして、俺の帰るチャンスが一気に来ましたが、今は清姫さんと子供の無事を祈りましょう!

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― 新着の感想 ―
着々と六三郎の帰宅が近づいているからこそフラグを積んでるようにしか見えないw
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