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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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積もる話と新たな官位と陸奥国の慶事

勝家に促され、利兵衛の案内で勝四郎は江の部屋の前まで来ていた。襖の前で利兵衛が


「江姫様、勝四郎様が来てくださいましたぞ。大殿より積もる話もあるだろうから、


との事で、しばらくはお二人でごゆるりと過ごしてくれとの事です。開けますぞ?」


そう声をかけると、利兵衛が開けるよりも早く、襖が開く。開いた先に立っていたのは勿論、江だった。その江は勝四郎を見るなり


「勝四郎様!」


勝四郎に抱きついた。抱きつかれた勝四郎は


「ちょ、ちょっと。江殿?」


パニックになっていた。そんな勝四郎を他所に、柴田家の娘達のぶっ飛んだ行動を見慣れている利兵衛は


「江姫様、その様な行動は部屋の中でしてくださいませ。とりあえず、拙者は大殿達の元に戻りますので、続きはお二人で」


冷静にその場を後にした。利兵衛が去った後に2人は部屋の中に入ると


「勝四郎様!お待ちしておりました!私の為に、無理をしていただき、誠に、誠に」


江は改めて挨拶したが、既に涙腺が崩壊していた。そんな江に勝四郎は


「江殿。拙者一人で何かしたわけではありませぬ。武田家の皆は勿論ですが、手伝ってくれた徳川家、上杉家、長宗我部家の方々、更に領民の皆の協力もありました


何より六三郎殿が、方針を示して、分かりやすく説明した結果、甲斐国は暮らしやすい国になり、今や甲斐国で六三郎殿は


神や仏の様な存在として、領民達に慕われております!」


甲斐国復興において、六三郎が陣頭指揮を取っていた事を説明する。その話を聞いた江は


「流石、兄上ですねえ。幼い頃は自身の事よりも私や姉上達の為に働いておりましたが、それを国単位でやってのけるとは」


六三郎の世話になっていた事を思い出しつつ、甲斐国復興がどれだけ大変だったかを想像していた


そこから続けて


「勝四郎様、元服前に初陣を経験したと、聞きましたが、これもやはり兄上が関係しておられるのですか?」


初陣の事を質問した。これに勝四郎は


「江殿。その初陣も、当然六三郎殿が関わっております。


それこそ、六三郎殿が知らせてくれなかったら武田家は領地を奪われていたのです


知らせてくれる為に六三郎殿は、武蔵国から甲斐国へ急いで来てくれました!


そして拙者に「妹を嫁がせても大丈夫な男である事を見せてくれ!」と、背中を押す言葉を授けてくれました


そこで拙者は家臣達と共に、出陣する事を決断出来たのです。改めてですが、六三郎殿は拙者にとって目指すべき存在です!」


とても目を輝かせて、江に話していた。そんな勝四郎に江は


「勝四郎様が目を輝かせて、兄上の事を話していると、少しばかり兄上に嫉妬してしまいます」


少し顔を膨らませて、ヤキモチを焼いていた。江を見た勝四郎は


「江殿、申し訳ない。ですが、六三郎殿と共に北条家の支城に到着した拙者達ですが


そこで最悪な事が起きました。江殿も知っていると思いますが、右府様の次男の織田三介が、高代殿を手篭めにしようとしたのです


間一髪のところで、徳川様の次男の勝之尉殿が止めてくれましたが、その事で拙者は勿論、武田家全員、更には北条家全員が


織田三介に殺意を持っておりました。高代殿は、越前守様の奥方様より歳上の北条家の正室殿や側室の方全員の出産を助けてくれた方です


それを、あの織田三介は!今でも許せませぬ!そんな状況だったので、共に出陣していた右府様の御舎弟の尾張守様は内心、


針の筵だったでしょう!それ程までに、あの男は、、江殿。熱くなり過ぎまして申し訳ない」


初陣の話に関連して、信雄の愚行を思い出した結果、怒り心頭になっていたが、何とか冷静さを取り戻していた


そんな勝四郎に江は


「勝四郎様、高代義姉上の事も気にかけてくださり、嬉しいかぎりです!それに、勝四郎様が兄上の周りの方々の事も思っている事が分かりました


そんなお優しい勝四郎様との子供は、間違いなく健やかに育つでしょう。そう確信しました」


勝四郎との未来を語っていた。こうして、5年の予定が信長と六三郎の出張のせいで9年に長引いた事もあり


江と勝四郎の会話は、夜遅くまで続いていった


播磨国でそんな微笑ましい事が起きていた頃、信長はまたしても御所に来ていた。その理由は


慶長元年(1596年)三月一日

山城国 御所


「さて、織田右府よ。以前、お主の息子である織田内府が申請していた家臣達の官位じゃが、里見太郎義勝が正六位上安房守、


武田勝四郎信虎が従五位上甲斐守、そして伊達藤次郎政宗が正五位下陸奥守で間違いないのじゃな?」


「ははっ!その者達は、柴田播磨守と共に関東の騒乱を鎮めた者達の中で現在、無官にございます!領地は関東に広大な領地を持つ北条家から割譲済みですので


主上から官位を賜り、治めております領地において、正当性を示す為にございます」


信長が事前に3人の官位を申請しておく様に信忠へ話していた事を了承されたので、その旨が書かれた勅許状を貰う為だった


主上はその場で、3人それぞれの官位認定の書状を書き出した。そして、程なくして書き終えると、側に居た近衛前久に渡して


「近衛よ、この三枚の書状を織田右府に渡してくれ」


「信長に渡してくれ」と命令する。それを聞いた前久は直ぐに動いて、信長の前に行き


「織田殿、主上からの書状じゃ」


そう声をかけて手渡す。受け取った信長もこの場で中身を確認する事は不敬であると分かっていたので、受け取るだけにした


こうして、信長としては予定が終わったので帰ろうとしたら、主上から


「そう言えば、織田右府よ。織田家が営んでおる、神戸家と言う茶屋について聞きたいのじゃか


あの茶屋は、御所の近くに移動させるか、新たに作る事は出来ぬか?洛中の民達の声で、飯だけでなく甘味も大層美味いと聞いたのでな


それだけでなく、数年前に近衛が行った際の話を聞いたのじゃが、何でも柴田播磨守が当時、料理を作っていたとの事じゃ


朕は、あの者の料理をとても美味いと思っておる。神戸家の料理をどうにか食べたいのじゃが、どうにか出来ぬか?」


まさかの「神戸家の料理を食いたい!どうにか出来ないか?」とリクエストしてきた


これには信長も


「主上の思い、どうにかしたい気持ちはあります。ですが、神戸家の料理は出来立てを食べるからこそ美味いので、


御所まで運んでいる間に冷えてしまっては元も子もありませぬ。なので、方法としては神戸家の料理人を御所に招くか


神戸家を貸切にして、神戸家で食事を楽しむかの、どれかになります」


2つの方法を示すしか出来なかった。しかし主上は


「貸切とは、朕達だけで神戸家で食事をする事じゃな?可能なのか?」


貸切に食いついた。そこで信長は


「はい。当日では無理ですが、出来れば遅くとも十日前くらいに神戸家に行きまして、貸切にして欲しい旨を伝え、


どの様な料理を作って欲しいのかも伝えておけば、大丈夫かと。更にその際、自らが食べたい食材を持っていけば、より楽しめます」


貸切のシステムを簡単に説明した。説明を聞いた主上は


「それは良き事を聞いた!織田右府よ、十五日後に神戸家を貸切で使いたい!店の者達に、伝えてくれ!料理は神戸家で出している物で構わぬとも!頼むぞ!」


「御意!」


十五日後に神戸家の貸切を決断した。こうして、高代の知らない所で、とてつもない責任重大案件がスタートした


畿内がそんな状況になっている頃、陸奥国では、六三郎が歓喜していた


慶長元年(1596年)三月一日

陸奥国 伊達家屋敷


「母上!誠に、此方の二人の姫君が佐藤二郎と、平四郎に嫁いでも良いと言ったのですな?」


「ええ。実家の最上家の分家である中野家の、更に分家の中で嫁いでも良いと言ったと太郎殿からの文に書いてあります。二人共、自己紹介してくださいな」


「はい。村山中野家の長女の一乃いちのと申します。歳は今年で二十三歳と、嫁ぐには少し遅いかもしれませんが、よろしくお願いします」


「私は、上山中野家の次女のふりと申します。歳は今年で二十一歳です。嫁ぐには少し遅いかもしれませんが、よろしくお願いします」


最上家の分家である中野家の更に分家筋から、若干押し付けられた感はあるが、これで嫁問題は解決した


これを受けて六三郎は


(やっと帰る事が出来る!あとは、田村家の次郎殿と清姫さんの子供がしっかり産まれてくるだけだ!頼むぞー!)


内心、帰宅にリーチがかかっている事に歓喜していた。

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― 新着の感想 ―
流石に15日じゃ六三郎が振る舞う事はなさそうだけど、すんなり帰れる気がしないのはこれまでの実績だなぁw
帰宅へのリーチがかかると次の出張というツモを引いちゃうフラグ。やったね役満だ
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