ウナギに拘る転生女子達
「義母上が、「宇治丸料理を覚えて来なさい」と仰っているのですか、、分かりました
それでは、うめ殿。宗六郎を見ていてください。宗六郎、うめ殿の側に居るのですよ宜しいですね?」
「はい!」
「良いお返事です。それでは行って参ります。宇治丸料理とは、どの様な物か楽しみですねえ」
信忠がウナギ料理を出すと決めて、市が高代に覚えてもらって播磨国の屋敷で作ってもらう為
京六郎が高代にその旨を伝えると、高代は了承して台所に向かった。京六郎と共に台所に高代が到着して事情を説明すると
「その様な事が、、分かりました。奥方様に覚えていただける様に我々の腕をお見せします!」
料理頭らしき人物が自信を覗かせていた。そんな料理頭に高代も
「よろしくお願いします」
と、頭を下げて料理を覚えようと集中していた。しかし、料理が進むにつれて
(ああ、いい香り!これ、よ〜く見たらウナギの蒲焼じゃない!漬けタレに少しお砂糖を入れたら、もっと美味しくなるだろうけど、
この時代のお砂糖は高級品だと聞いた事があるし、これはこれで美味しいに違いないだろうけど、何か惜しい!
それに白焼きもあるけど、食べるのは塩か〜。これでも美味しいんだけど、ワサビをちょっと付けてから、食べると美味しいんだよねえ
未来だと三河国と尾張国の愛知県、それから遠江国と駿河国と伊豆国の一部の静岡県もウナギが有名だったわねえ
今の時代からウナギの養殖を推奨させてみようかしら?六三郎さんが提案したら信長も家康は勿論、周辺の商人や漁師の皆さんもノリノリでやりそうじゃない?)
ウナギ料理にあと少し調味料が欲しいと思ったり、養殖を六三郎経由で推奨しようと考えていたが
(駄目だ、そんな事をしたら六三郎さんが過労死する可能性が上がってしまうじゃない!
それに、東海道の重要な国で養殖をやろうとしたら、間違いなく六三郎さんが責任者になってしまう!
それに状況次第では尾張国を柴田家が治める事になって、ますます子供達と過ごす時間が無くなるわ!ウナギの養殖は諦めましょう
信長も六三郎さんのお役目が減るかどうかは、九州の情勢次第と言っていたし、最悪の場合、九州が新たな領地になる可能性もあるから
うん、やっぱり静かに過ごす事が正解と見た方が良いわね!今は、六三郎さんが広めた戦国時代のウナギ料理を覚えましょう)
静観する事が正解だと決めて、料理を覚える事に集中した。しかし
(私の好みを押し付けたくないけど、蒲焼の作り方は関東風の白焼きから蒸してタレに漬けて焼く方法を広めたいなあ
前世は関東で産まれ育ったから、関東風が馴染みがあるけど、変な事をすると六三郎さんに迷惑かけてしまうし、我慢よ!)
前世で慣れ親しんだ関東風で食べたいと思っていた。高代がそんなジレンマを抱えていた頃
毛利家の面々が大広間に呼ばれていた。そこで市や京六郎達と初対面を果たす
そこで京六郎を見た藤四郎と又次郎は
「いやはや、六三郎殿の弟の京六郎殿が身の丈高く、見事な体躯をしておるだけでも驚きましたぞ!」
「これでまだ初陣どころか元服もまだとなると、将来が楽しみですな!」
京六郎の細マッチョ体型を褒めていたが、安芸乃は
(何、あの高身長細マッチョイケメン!めっちゃタイプなんだけど!しかも、隣に居るのが、母親である戦国一の美女と言われた
お市の方なんて!どれだけ織田家のDNAは美形になるのよ!信長と信忠も美形だし、
この京六郎くんにもそのDNAが入っているとはいえ、ここ迄の美形になるなんて信じられない!
だって、あの柴田殿の弟という事は、お父さんは柴田勝家でしょ!柴田殿は言っちゃあなんだけど、
前世で見た柴田勝家の肖像画と同じ、益荒雄な顔と言うか、ワイルド系と言うか、男くさい武士らしい顔だったけど
こんな細マッチョイケメンの弟が産まれるなんて、勝家も柴田殿も髭を剃ったら多少はイケメンになる可能性もあるのかしら?
だとしたら、京六郎くんの妹か、柴田殿の娘を幸鶴丸の正室に何とかお願い出来ないかしら?間違いなく、毛利家が盛り上がりそうだし
1回、お父さんや叔父さん達に文を書いてみましょう!それが良いわ!とりあえず今は、優しい綺麗なお姉さんアピールしておこう!)
京六郎の顔に興奮しつつ、他の家臣達と同じ様に、柴田家との縁組を考えていた
そんな安芸乃に市が
「貴女が安芸乃姫ですね。見た目は三十郎兄上の嫁に相応しいですが、お料理の腕はどうですか?」
安芸乃に料理の腕を質問した。市の質問に安芸乃は
「奥方様、私は料理の腕は壊滅的にありません!ですが、これから上達して行きますので、どうか長い目で見てください!」
正直に「料理の腕は壊滅的です」と答えたが、市は
「それならば、三十郎兄上に嫁ぐ前に料理の腕を磨きましょうか
兄上、勘九郎殿、安芸乃姫も高代と同じく宇治丸料理を覚えさせてみたいと思いますので、宜しいですよね?」
安芸乃にもウナギ料理を覚えさせる事を提案した。市の提案に2人は
「良かろう」
「そうですな、それは良い事ですので安芸乃、頑張ってみよ」
了承した。こうして、安芸乃も台所に行く事になった。安芸乃が藤四郎と共に台所に到着するとそこでは
「奥方様、何処かで宇治丸を料理した事があるのですか?我々と同じ様に宇治丸を捌いておりますが」
高代が既にウナギを捌いて白焼きと蒲焼を作っていた。その様子に藤四郎が
「料理人の方々、そちらの方は何方の奥方なのですか?」
高代の事を質問すると、料理頭が
「小早川様、此方の方は柴田播磨守様の奥方様です」
簡単な説明をすると高代が藤四郎に振り向いて
「柴田六三郎様の側室の高代と申します」と自己紹介した。高代の自己紹介を聞いた藤四郎は
「六三郎殿の側室の高代殿でしたか!しかし、何故高代殿が宇治丸料理を作っているのですか?」
「何で料理してるの?」と、質問すると高代は
「義母上に覚えて来なさいと言われて、手順を見た後で実践しているのです」
「覚える為です」と答えた。高代の言葉に藤四郎は
「聞きましたか安芸乃殿、やはり織田家の一族に嫁ぐとなれば、料理の腕はそれなりの物を求められるのです。なので、しっかりと覚えてくだされ」
安芸乃に「頑張って料理の腕を磨いて」と懇願していた。藤四郎の懇願に安芸乃は
「藤四郎殿、分かりましたから。改めてですが、料理人の方々と高代殿。宇治丸料理を一から作り方を見せていただきたいのですが、よろしいですか?」
ウナギ料理を一から作ってくれと頼むと、高代も料理人達も
「「「分かりました」」」
と、答えてウナギの蒲焼と白焼きを作り始めた。作り方を見た安芸乃は
(作ってるのって、ウナギの蒲焼と白焼きよね?
この時代にのウナギは、ぶつ切りにして串焼きにして食べてるイメージしか無かったけど、前世の料理があるなんて!
あ、でもウナギの蒲焼は蒸しから始まって焼いてタレ漬けてまた焼いてるわね。少し関東風に近いのかな?
私の好みとしては前世で産まれ育った場所が理由でもあるけど慣れ親しんだ
蒸さないで強火でじっくり焼きながら皮目をパリッとさせてそこにタレを塗りながら焼く関西風で食べたいなあ)
関西風で食べたいと思っていたが、蒲焼の暴力的な香りに
「グ〜」
腹の虫が鳴っていた。そんな安芸乃に高代は
「姫様!義母上に言われて来たのであれば、最初は宇治丸を捌く事から始めてみませんか?
見ているだけでは覚えきれないですよ!?さ、慣れてみましょう!自ら作って食べたら美味しさも増しますよ」
「先ずは捌く事からやってみよう」と安芸乃を誘って、安芸乃も恐る恐る台所に降りた
こうして、本来会う事の無かった転生女子同士が対面する事になったが、ここから高代が振り回されていく事になる。




