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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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針生達の更なる被害と風魔衆の仕事

「猪は全て出て行ったか!?」


「先程、全ての猪が出て行きました!」


「くそっ!なんなんじゃ一体!何故、猪がいきなり突撃して来たのじゃ!意味か分からぬ!」


風魔衆の策で猪が屋敷内で暴れ回った結果、盛春達は死者はいないが、負傷者が50人程の被害か出た


負傷者全員、猪のタックルで弾き飛ばされた事による怪我だったのだが、人間以上に被害か出たのが


「殿、負傷した者達はしばらく休ませたら動ける様になると思いますが、屋敷に関してはかなりの修繕が必要な程、穴だらけになっており、被害が酷いです


それに武器庫と食糧庫が、火付されたのか、失火したのか分かりませぬが、爆破して中の物が使い物にならなくなっておりまして」


全体的に建物だった。それこそ穴だらけと言える状態だった。報告を受けた盛春は


「ええい!仕方ない、北に三里程の距離にあった山から木を切り倒して、修繕に使う!今から百名で行って来い!領民共の中から木こりも連れて行け!」


そう命令したが、家臣の1人から


「殿!それはなりませぬ!あの山は、伊達家の領内の山です!無許可で伐採したら、伊達家から良くて注意勧告を受けての追放、最悪の場合は戦に発展します」


「目的の山は伊達家の領内だから、ダメだ!」と反対された。しかし盛春は


「何じゃと!くそっ!今は伊達家と事を構えるの悪手じゃ!仕方ない、南に目を向けて下野国から木を集める!急いで向かい、伐採してこい!」


「ははっ!」


即座に目的地を下野国に変更した。盛春の態度に、これ以上の反論は危険だと判断した家臣達は、返事をして伐採に向かった


100名程の団体が屋敷から出て行く様子を確認した風魔衆は


「頭領、針生はどうやら軍勢が減った様ですけど、次の嫌がらせは、どんな事をやりますか?」


「屋敷を更に壊しますか?」


等、更なる嫌がらせにやる気を出していた。しかし、小太郎は


「今は流石に警戒しておるじゃろうから、この二つの亡骸をどうにかして、伊達家に渡そうと思う。だが、どの様な形で渡すかが」


亡骸を伊達家に渡す方法で悩んでいた。そんな中で小次郎から


「兄上!旅の僧侶の振りをして、亡骸を渡すと言うのはどうでしょうか?それこそ、「ここら辺の寺に知り合いが居ないから、お願いします」と頼み込むのは?


流石に、伊達家当主殿が謀略に長けた方と言えど、旅の僧侶に色々と聞く事は無いかと思いますか、どうでしょうか?」


「旅の僧侶に扮して、伊達家に亡骸を預けよう」と提案されて。それを聞いた小太郎は


「ふむ。それも良い考えじゃな。小次郎の考えを実行するとなると、この亡骸を殺された蘆名家当主殿の確認出来る人間か伊達家に居るのか?が、問題になるのじゃが、


ううむ。針生達にこの事が露見しない事は当然じゃが、伊達家に怪しまれない為にも、どうしたらよいものか?」


これまでにない程、頭を悩ませていた。そんな小太郎に小次郎が


「兄上。亡骸を守りながらでは、行動に制限が出ますから、伊達家に渡してしまいましょう!」


「動きやすくする為に、さっさと亡骸を渡そう」と言うと、他の忍達も


「そうですよ頭領!俺達は、幻庵様から「嫌がらせしつつ、柴田様をお守りしろ」と命令されているんですから!」


「そうだよ頭領!伊達様と佐竹様に後の事は任せて、私達は、お役目に就きましょうよ!」


「頭領!」


「頭領!」


「亡骸をさっさと渡そう」と、小太郎に強く押す。忍達の言葉を受けて小太郎は


「そうじゃな。少し、いや、かなり出たとこ勝負になるが、移動も考えると明後日の朝にでも伊達家に届けよう!」


「「「ははっ!」」」


こうして、忍達に押される形ではあるが、小太郎は亡骸を伊達家に渡す事にした


天正二十三年(1595年)十二月十一日

陸奥国 伊達家屋敷


「そろそろ柴田様が佐竹様を連れてくる頃かのう?」


「柴田様が常陸国にどれだけ少ない日数で到着したかによるからのう。しかし、蘆名家を乗っ取ろうとした愚か者共は、柴田様の恐ろしさを知らんとは言え、


とてつもない愚行をやったのう。関東での戦を経験させてもらった儂としては、あの時の様な働きを柴田様がやろうものならば、間違いなく陸奥国の者達は


伊達家にひれ伏すと思う!それくらい壮大で剛毅な戦であったなあ。しかも「日の本随一の名将」と呼ばれておるのに、本人はとてつもなく腰が低い!百万石近い領地を持つ武将とは思えない程であった」


風魔衆が伊達家に亡骸を届ける当日、その日の門番を務める足軽達は、六三郎が「いつ佐竹家を連れてくるのか?」から始まり、関東で六三郎が実行した無茶苦茶な戦の事や


六三郎の為人について、与太話が出る程に和やかな空気だった。そんな中、風魔衆が僧侶に扮した団体が門番の前に現れると


「御免!此方は、伊達様のお屋敷で間違いありませぬか?」


小太郎が代表として、足軽達に話しかける。話しかけられた足軽の1人が


「貴殿達、見た目は僧侶の様じゃが。殿に何用じゃ?いや、先ずは名を名乗りなされ!」


「名前を名乗れ」と呼びかけると、小太郎は


「これは失礼。拙僧の名は松尾芭蕉まつおばしょうと申します。後ろの者達は、拙僧と共に旅を続けております弟子達にございます」


まさかの松尾芭蕉と名乗った。それを聞いた足軽が


「旅の僧侶の松尾芭蕉殿一行じゃな!名は分かった!じゃが、殿に何用か?」


「うちの殿に何の用だ?」と更に質問すると、小太郎扮する芭蕉は


「はい。実は、拙僧達は下野国から、陸奥国へ入ったのですが、会津と呼ばれております地域の南端で、領民の方々が泣いておられたので、事情を聞いてみると


なんでも、善政を敷いていた領主様が謀反に遭って殺されてしまったとの事でした。しかも、新しい領主様は悪政を敷いておられる様ですので


そのせいで領民の方々方がひもじい思いをしておるそうです。その話を聞いて領主様のお屋敷の近くに行ってみましたら、


無造作に捨てられていた亡骸が二体ありました。これはもしや、前の領地様の亡骸からかもしれないと思いまして、領民の方々の助けになればと思い、伊達様の元に亡骸を持って来た次第にございます


よろしければ、お顔の確認と、領内の寺で簡潔でも良いので供養と葬儀をしていただきたいと思い、お持ちしたのです」


小太郎の「苦しむ領民の為に一役買いたい僧侶」の演技に足軽達は


「お、お、お、おい!松尾殿の話、殿と片倉様に伝えるべき話じゃぞ!」


「た、た、確か、に!お、おい!誰ぞ!蘆名家の殺された当主殿かもしれない亡骸が持ち込まれたと、殿と片倉様に伝えてくれ!」


パニックになっていた。そんな足軽達の前に小太郎達は亡骸を置くと


「それでは拙僧達は行きますので、失礼します」


そう言って、足軽達の前を去って行った。こうして、風魔衆の仕事の半分は終了した。

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― 新着の感想 ―
小太郎殿、その名はどこで思いついたのかw 六三郎はじめとした聞く人が聞いたら伝わる暗号みたいになりそう。
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