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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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睦子の秘密を聞いた北条家一同は

「それでは、睦子の秘密を話すが、先ず睦子と弟の栄太郎の姉弟の苗字である柴田は、母方の苗字なのじゃ。睦子も栄太郎も、父方の苗字を名乗れぬ!それ以上に、父親の名も顔も知らされておらぬ!」


信長の最初の説明に反応したのは督姫だった。督姫は


「な、何故ですか右府様?何故、睦子達は父親の顔も名も知らないのですか?ま、まさか睦子達の父親はとんでもない、ろくでなしなのですか?」


睦子と栄太郎の父親から、クソ親父なのかと信長に質問する。督姫の質問に信長は


「いや、恐らくろくでなしではない、はずじゃ。儂はこの話を伊達家当主、伊達藤次郎の母の義姫殿から教えてもらったのじゃが、


奥州の難しい情勢が原因としか言えぬ!此処まで言えば、左京大夫も相模守殿も幻庵殿は、何かしら思い浮かぶ事が無いか?」


男3人に話を振る。振られた3人のうち、最初に答えたのは氏直だった。氏直は


「もしや右府様!睦子達は、藤次郎殿の隠し子なのですか?」


2人が政宗の隠し子だと推測した。氏直の答えに信長は


「それならば、藤次郎が二人を畿内に行かせぬ。じゃが、近い考えではある」


少し答えに近いと説明する。続いて答えた氏政は


「右府殿。もしや、睦子達は最上家に滅ぼされた一族の生き残りなのでは?」


2人が最上家に滅ぼされた一族の生き残りであると推測した。氏政の答えに信長は


「相模守殿、流石じゃ。最上家が関係しておる所までは、近づいたぞ」


氏政の答えで、更に正解に近づいたと答える。最期に幻庵が


「右府様。もしや、睦子達は最上家に連なる子供なのでは?」


鋭い読みで、ほぼ正解を当てると信長は


「幻庵殿、見事じゃ。そこまで当てたのじゃ。細かい部分まで言うと、睦子と栄太郎は五年前に亡くなった最上家先代当主、つまり最上出羽守の父親が還暦を過ぎてから授かった子じゃ


簡潔に言うと、最上出羽守の四十歳下の弟妹になる。更に付け加えるのであれば、出羽守は二人の存在を知らぬのじゃ


睦子と栄太郎も自分達が最上家に連なる人間である事を知らぬのじゃ。だから母方の苗字を名乗っておる。ちなみにじゃが、六三郎の柴田家とは親類ではない」


睦子と栄太郎の秘密を聞いた4人のうち、督姫は


「睦子達は最上家に連なる子供だったのですね。どうりで、何処かで見た事がある感じがしていたのですが今思えば、最上家の竹姫と駒姫に顔が似ております」


これまで感じていた既視感の正体が分かって嬉しそうな顔になっていた。更に督姫は


「左京様!幻庵殿!二年前の戦で最上家も参加しておりましたよね?どの様なお方で、どれくらいの大きさの領地を持っておられるのか、聞いておられないでしょうか?」


最上義光の為人や、領地の大きさについて氏直と幻庵に質問すると、2人の代わりに信長が答える


「督姫殿、その質問じゃが、先ず出羽守の為人は基本的は大らかなれど、領地を大きくする為に謀略を繰り広げ、身内も容赦なく政の道具として使う大名じゃ


領地に関してじゃが、出羽国の米沢を中心に治めておるが、出羽国の南側半国が領地と言って良い。おおよそではあるが、


現時点で約二十万石の領地と言って良いが、恐らく出羽守の最終目標は出羽国の統一じゃろう。それが達成出来たならば、三十万石は超えると見て良いな」


義光の為人と最上家の領地の事をざっくりと答える。それを聞いた督姫は


「左京様!義父上!幻庵殿!領地も充分なのです!最上殿に二人の事を伝えて、最上家の人間であると認めてもらいましょう!そうなれば、睦子を新次郎の嫁、それこそ正室にする事に反対する者は誰も出てきません!」


睦子を新次郎の正室に迎える事が、自身の中で確定する程、興奮していた。そんな督姫に氏直は


「のう、督。それ程まで睦子を新次郎の正室に押す理由は何なのじゃ?新次郎が睦子に惚れたから、だけで押しておるのであれば、一旦冷静になって考えてみた方が良いと思うのじゃが」


「一旦冷静になれ」と諭す。そんな氏直に督姫は


「左京様、確かに新次郎が睦子に惚れたからと言うのも理由のひとつです。ですが、私が睦子を新次郎の正室に押す最大の理由は、これです」


そう言って、自身が着ている着物の睦子が縫い合わせた部分を見せる。それを見せながら


「睦子は、この様に小袖を縫い合わせたり、端材を使って見事な模様を作ったりと裁縫の才能があり、それはひいては倹約の才能に繋がります!


それに、弟の栄太郎の元服の時の為に銭を稼いでおきたい。と、幼い今の時点で考えている出来た娘だからこそ私は新次郎の正室に押しているのです!」


睦子を新次郎の正室に押す理由を目一杯、氏直に伝える。督姫の迫力に氏直は


「わ、分かった。分かったから、落ち着いてくれ」


督姫を宥める。2人のやり取りを見た氏政は


「話を聞くだけならば、儂も新次郎の正室に睦子は良いと思う。一度、睦子と話してみたいのう」


睦子を新次郎の正室に押す事に賛成する。更に幻庵も


「確かに、我慢強い睦子ならば新次郎様の正室に良いですな!」


同じ考えである事を示す。北条家一同は、睦子が新次郎の正室になる事に乗り気になっていたが、此処で信長が


「じゃが、出羽守にこの事を伝えて、睦子と栄太郎か最上家の人間であると認めさせないといかぬぞ?」


一同を現実に戻す言葉をかける。その言葉に督姫が


「その際は、私と左京様が最上殿の元へ行き、認めてもらいます!左京様、よろしいですね?」


「いざとなれば、自分と夫が出羽国へ行く!」と宣言した事で、一旦この話は終了した。

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― 新着の感想 ―
色々と考えはあるんだろうけど、北条家が最上家の領地を狙って内政干渉と取られてもおかしくないやつだーw 信長や幻庵の手腕が試される案件になったかな?
反義光派にとって、かつぐ神輿が出来る訳で、そこに関東の北条氏が後押しするって、北条幻庵の爺様とか含みを持たせるはず!?
この時代の東北は血縁関係ぐちゃぐちゃだからなぁ‥
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