信長達が出発したら伊達家は謀略を開始する
3日も投稿を休んで、申し訳ありません。
天正二十三年〔1595年〕三月二十七日
陸奥国 伊達家屋敷
「それでは出立するぞ!!」
「「「「ははっ!」」」」
「右府様!柴田殿!よろしくお願いします!隆次郎、そして藤五郎!五郎八と兵五郎を始めとした皆の事、よろしく頼むぞ!」
「「ははっ!」」
皆さんおはようございます。今日から畿内へ向けて、伊達家の特産品を持って出発します柴田六三郎です。
やっと出発出来るのがとても、嬉しく思っております。寒さが中々の辛さでしたので、やっぱり慣れない土地に長く居るものじゃないなと思っております
そんな俺達、畿内に行く組の中に伊達家から当主である伊達政宗の弟の隆次郎くんが居るのは、伊達家の帳簿管理をする為だからと言うのは分かります
でもですね、伊達政宗の長女の五郎八姫と長男の兵五郎くんか居て、更に以前助けました権兵衛さんとアナさん家族、
更に刺繍と裁縫の腕が凄い幼女の睦子ちゃんとその弟の栄太郎くんも俺達の移動に組み込まれて居ました
その人達を護衛する為の藤五郎殿達だとは思うのですが、急な人数の増加は進行予定が遅れないかなあ?と心配です
他にも大殿が、「進みながら高代達も回収するぞ!」と宣言したので、予定では東海道を進みながらの畿内行きルートになります
なんだろう、道中で俺の仕事が増える予感しかしないのは、俺か働き過ぎているからかな?
※六三郎の予感はフラグです
その時はその時だ!とりあえず、何も無い事を祈っておこう
六三郎はそんな事を考えながら、陸奥国を南へ進んでいた。信長一行の姿が見えなくなった事を確認した政宗は屋敷内に戻り、大広間の上座に座ると
「さて、愛!五郎八を右府様達と共に畿内へ行かせたが、誠に良かったのじゃな?」
正室の愛姫に長女の五郎八姫を信長一行に組み込ませた事を、本当に良かったのか?と確認する。政宗の言葉に愛姫は
「ええ。右府様と柴田様、更には隆次郎殿と藤五郎殿も居るからこそ、畿内に行って陸奥国では見られない物、経験出来ない事を安全な状況である今のうちに知って欲しいのです」
「周りが安全だからこそ、今しか出来ないない畿内行きで、見聞を広めて欲しい」と政宗に返す。愛姫の言葉に政宗は
「そうか。愛が儂と同じ考えで安心した」
同じ考えである事を伝える。更に
「それとじゃ、愛。儂が以前言っておった愛の実家の田村家の事じゃ。確か、現在の当主は愛の弟の次郎氏顕(じろううじあき〕殿が当主であったな?」
「はい。父上は二十一年前、兄上は十一年前、それぞれ畠山との戦で討死して、残った弟が家督を継ぎました
ですが、弟は身体が弱く、子供を残せるかどうかも怪しいのですが、殿?まさか、田村家に熊菊丸を行かせて、家督相続をさせるのですか?」
愛姫の実家の田村家の事で、何やら確認の様に愛姫に質問して、愛姫も答えた。しかし愛姫は自らの産んだ嫡男の熊菊丸が養子に出されると思った様だった
そんな愛姫に対して、政宗は
「いや、愛よ。儂としても熊菊丸は嫡男として育てていくつもりじゃ!養子に行かせる事はしない。儂が考えておるのは、兵五郎を養子に行かせる事じゃ」
熊菊丸が産まれた事で、微妙な立場になっている兵五郎を養子に行かせたいと愛姫に伝える。それを聞いた愛姫は
「それは構いませんが、兄上は子を残さずに亡くなりましたし、弟も現在子が居ません。兵五郎を婿養子の形で行かせるには、相手となる娘が居ませんから、難しいと思いますが、どの様な形で実行するのでしょうか?」
熊菊丸ではなく兵五郎が養子に行く事に安堵していたが、「兄にも弟にも娘が居ないがどうするのか?」と政宗に質問する
その質問に政宗は
「そこでじゃが愛よ。儂としては、次郎殿に男児が奇跡的に産まれたのであれば、田村家に口出しはせぬ。じゃが、その次郎殿が子を残さずに亡くなった場合は
愛の伝手を使い、田村家の親戚筋から兵五郎に嫁がせても良い女子を見つけて欲しい。右府様からの命令でもある「陸奥国統一」を十年以内に成し遂げなければならぬ!
その為にも、余計な心配や不安は、ひとつでも無くしておきたい!だからこそ、愛!
次郎殿が子を残さずに亡くなった場合、田村家の領地で跡目争いが起きる可能性の芽を儂は潰しておきたいのじゃ!
陸奥国統一の戦の最中に、田村家の領地に気を配っていては、北に進めぬ!その為にも田村家の家督に口出しするぞ!良いな?」
愛姫に対して、田村家の家督に口出しする理由を細かく丁寧に伝える。それを聞いた愛姫は
「分かりました。殿は、田村家の家督を奪うのではなく、出来るかぎり穏便に、田村家当主である次郎の子供が産まれるのかどうかを見ながら、私に親戚筋を当たってくれ。と、そう申しているのですね?」
政宗のやりたい事を、自分なりにまとめて政宗に伝える。愛姫の言葉に政宗は
「その通りじゃ!愛、儂は此度柴田殿や赤備えの面々を見て、謀略だけでも武力だけでも家臣は従わないと判断した
謀略も武力も勿論必要じゃが、その二つに加えて、仁徳も必要じゃと分かった。以前の儂なら、無理矢理にでも田村家の領地に攻め込んで、次郎殿を捕まえて
兵五郎に家督を譲らせていた。じゃが、そんな事をしたら、儂の死後に陸奥国が乱れてしまう。だからこそじっくりと次郎殿に子が出来るかを見守りたい」
六三郎に出会って、共に行動する内に考えが変わったと話す。それを聞いた愛姫は
「ふふっ。殿、以前の殿より良い意味で鋭くなりましたね。野心は残しつつ、先の事を考える様になっておりますね」
政宗を褒めていた。そんな愛姫に政宗は
「関東での戦と、七尺超えの大熊退治、そして権兵衛家族を助けた時の柴田殿は、全てを己の手柄と言わずに皆の手柄と言っておった
あれだけの事をやっておきながらじゃ!それを踏まえて、儂も全てを儂や小十郎を含めた一部の者達で成し遂げようとせずに、
他の者達にも手柄を挙げる機会を持ってもらおうと思ってな。次郎殿の場合は、子を残したらそれが手柄じゃ!だから愛、次郎殿に「子を作れ!」と発破をかける文を書いて良いぞ?」
「誠ですか!?ありがとうございます!」
六三郎の事をとても大物であるかの様に見ていた。そして、愛姫に「弟へ子作りの発破をかける文を書いて良いと伝え、愛姫も政宗の言葉に感謝する
六三郎の「目立ちたくないから武功や手柄は皆で分け合う」と言う理由を知らない政宗は、史実よりは穏やかな謀略を開始した。




