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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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秀吉は2回も驚かされる

天正二十三年(1595年)三月二十日

備前国 某所


「さて、親父殿へ文を届けて今日で五日、そろそろ返事が来る頃のはずじゃが」


三月の初頭に備中国を出発していた秀吉は、備中国と播磨国の中間の備前国の某所に本陣を構えたいた。長女の吉姫が、


将来織田家の重要な地位に就く可能性の高い、それこそ一歩間違えたら後継者になる可能性もある次三郎に嫁入りする可能性もあるとの事で、


事実確認をしたくて堪らないが、流石に信忠の息子に「うちの娘と付き合っているのか?」といきなり問いただす事は出来ないので、


勝家と市に間を取り持ってもらおうとの事で先触れを出して、その返事を待っている状態だった


秀吉が待っている際、今回秀吉の側に居る面々の1人になった且元が


「しかし、殿。確か、吉姫様は、越前守様の次男殿の正室候補に上がっていたはず。それに関しては、やはり越前守様には」


「柴田家の次男の嫁候補だった件はどうするの?」と秀吉に質問する。且元の質問に秀吉は


「こればかりは仕方ない。親父殿の次男、つまり六三郎殿の弟の京六郎殿の事をまったく知らないだけでなく、比較対象が六三郎殿という傑物では、


将来的な不安もある。それこそ、いつになるか分からぬが、親父殿が身罷られた後、件の京六郎殿が微々たるお役目も出来ない様な無能であったら


吉が食う物にも困る暮らしを送ってしまうからのう。柴田家の人間じゃから、そんな事は無いと分かっているが、それでもやはりな


まあ、親父殿とお市様には儂が頭を下げて詫ひるしかない!それくらいは構わぬ。それに、予想でしかないが柴田家は正式に決まっておらぬ事には意外に寛容な気がするので、小言を言われて済むと思っておる」


「自分から頭を下げて詫びる」と返しつつ、小言を言われるくらいで済むと予想していた。秀吉の答えに且元は


「殿は越前守様と六三郎殿に多大な信頼を持っておられるのですな」


秀吉の柴田家への信頼の厚さを口にする。その言葉を聞いた秀吉は


「勿論じゃ!それこそ親父殿は当時、武士になって間もない儂や小一郎に対して、「何か分からぬ事があれば儂に聞きに来い!」と接してくださったり、又左が織田家から放逐された時も、


儂と寧々が又左の子達の面倒を見ている事を聞いた様で「これで美味い物を腹一杯喰わせてやれ!」と多くの銭を何も言わずに渡してくれた


そんな親父殿だけでも感謝してもし足りぬのに、六三郎殿は儂に子を授けてくれた、更に武功を挙げさせてくれて、広大な領地を手に入れさせてくれた


そんな親父殿と六三郎殿に、一時とは言え良からぬ感情を持ってしまったのは儂の器の小ささの証じゃ!!じゃが、そんな感情も今は無い!」


これまでの柴田家との思い出を語っていた。それを聞いて且元は


「それだけの信頼を築ける関係性なのですな。羽柴家でも、家臣同士で、その様な関係性になりたいですな」


と、まるで現在の羽柴家中で何かトラブルが起きているかの様な言葉を口にする。それを聞いた秀吉は


「何じゃ助作?家臣同士で何か諍いが起きたのか?」


そう且元に質問すると、且元が


「ええ、実は」


説明しようとした所で


「羽柴様!!どちらに居られますか!?柴田家家臣の吉田にございます!柴田家先代の越前守様の命にて、お迎えにあがりました!!」


吉田達が秀吉一行を迎えに来て声をかけていた。吉田の声を聞いた秀吉は


「済まん助作!その話は此度の件が終わってから聞くとしよう。良いな?」


「は、はい」


後回しにする決断をする。そして


「吉田殿!此処じゃあ!」


吉田に声をかけて、場所を教える。およそ5分後、吉田達が秀吉の元に到着すると


「吉田殿、親父殿は何と言っておったか教えてくれぬか?」


即座に今回の件の事を質問する。質問された吉田は


「羽柴様。大殿からの文にございます。大殿より羽柴様が此度の事を聞いて来たのであれば見せてくれと、仰っておりましたので、此方の文を」


勝家からの文を秀吉に渡す。受け取った秀吉は急いで読み始める


「どれ。「藤吉郎、備前国に居るのに文が遅くなって誠に済まぬ!藤吉郎が気になっておる、次三郎様と吉姫の事じゃが、どうやら勘九郎様は既に知っておった様じゃ!


その事で、文ではなく直接、藤吉郎に頼みたい事があるので、吉田達の先導で屋敷に来てくれぬか?


市の事ならば、心配せずとと良い。本来ならば、儂が藤吉郎の元に行くべきじゃと思うが、


六三郎が陸奥国へ行っているので、動けぬのじゃ!誠に済まぬ!改めてじゃが藤吉郎、播磨国へ来てもらいたい!」との事じゃが、吉田殿。何故六三郎殿は陸奥国へ行っておるのじゃ?」


読み終えた秀吉は吉田に六三郎が陸奥国へ行っている理由を質問する。吉田は大まかに秀吉に説明すると


「何とまあ、甲斐国で働いていたら、関東の武蔵国に北条家の内乱鎮圧の為に出陣し、そこから陸奥国へ行くとは!しかも大殿とご一緒に!吉田殿、つかぬ事を聞くが、


六三郎殿が帰って来ない事に、お市様は機嫌を悪くしておられぬか?」


六三郎の働きを少し不憫に思いつつ、市の機嫌を確認する。秀吉に対して吉田は


「奥方様は殿ではなく、兄君の右府様に対して怒り心頭な時もありますが、大体「またか」と呆れておりますので、機嫌は大丈夫かと」


「恐らく機嫌は大丈夫」と秀吉に伝える。吉田の言葉を聞いた秀吉は


「それならば有り難いが、しかし勘九郎様が次三郎様と吉の事を知っている事にも驚いたが、六三郎殿が関東よりも北に行っておるとは!今日だけで二度も驚かされましたぞ!」


笑顔で驚いていた。そんな秀吉に吉田は


「羽柴様。大殿がどの様な事を頼みたいかは分かりませぬが、きっと驚かされると思います。そろそろ出立をお願いします」


「うむ。それではよろしく頼みますぞ!」


「柴田家に行ったら更に驚かされるかもよ?」とフラグ発言をしつつ、播磨国へ向けて出発した。

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― 新着の感想 ―
羽柴家内での不穏な空気といえば、石田三成と加藤清正や福島正則などの武断派とのアレコレだけど……違うんかな?
六三郎の出張に継ぐ出張も、長年のお家芸になってるから慣れちゃったんだろうなお市w
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