第12話 決闘前夜
宿でチェックインの手続きを済ませた和泉達はそれぞれ自分達の泊まる部屋へと入り寛いでいる間、和泉はジョセフとリサが一緒に泊まっている部屋で相談事をしていた。
「――それで、和泉は一体何を言いたいのかは検討がつくが取り敢えず聞くことにしよう」
一先ず息を吐いたジョセフはベッドに腰を掛ける。その傍らにはリサがいてジョセフに身体を密着させており、和泉はいつにも増してドン引きしていた。
「ホワイトブラッド騎士団との決闘なんだが……相手の剣だけをへし折って実力の差を見せつけたいって思っているんだけどさ、何かいい方法はないかな?」
和泉はジョセフに無傷で勝利する方法を尋ねるもジョセフは声を低く唸らせながら渋った表情をしていた。
「力加減の問題だろ?和泉は気付いているか知らないが剣のスキルとか魔力量とかも関係するだろうから一概には言えないが力をコントロールするっていうのは頭の中でイメージするのも一つではあるが人それぞれだからなぁ……魔法とかならそう言ったイメージとかで威力を調整したりとかできるけど剣と剣同士が交錯する場合は相手の力量をしっかり把握していないと剣だけをへし折って戦闘不能にするっていうのはかなり至難の業だぞ?」
ジョセフは帽子の上から頭をガリガリ掻きながらそう言うと和泉は頷きつつも力加減の問題点を解決することはできなかったが剣のスキルを使用する際のイメージやコツが掴めそうな気がしていた。
「ありがとう、わざわざ二人の時間を割いてまで俺の相談に乗ってくれて……」
「いいってことよ、同じ日本から来た転移者同士仲良くしようじゃぁないか」
「ジョセフ様、和泉さんや夏樹さんと出会ってから随分と表情が柔らかくなりましたね。初めて出会った時なんて覇気を常に出している感じで近寄りがたかったのに今ではこうやって他の人と会話できていることは私にとっても嬉しいことです」
和泉はジョセフに軽く頭を下げながら感謝の言葉を述べ、ジョセフはコミュ障ながらも微笑しリサはそんなジョセフに視線を向け笑みを浮かべた。
「正直さ、こうゆうのは俺よりも裕二とかに相談した方がいいと思うがあのチカって子のお守りをしているわけだから邪魔もできないし夏樹は結構適当な部分があるから和泉にとって参考になるとは思ってないだろうから俺を頼るのは合理的と言ったところだろうがまぁ、頼られるってのも案外悪くないもんだな……」
「俺、そろそろ自分の部屋に戻ることにするよ。やっぱりジョセフとリサの二人っきりの時間を邪魔するわけにもいかないし……」
ジョセフとリサのことを気遣った和泉は慌てて部屋から出ようし、ジョセフは和泉に手を振りながら「Good Night 和泉」と挨拶をした。
「おやすみ、ジョセフ、リサ、明日もよろしく」
和泉は二人に挨拶を返しそのまま部屋を出て、自分が泊まる部屋へと入りそのままベッドに飛び込み熟睡した。




