第13話 2人目の婚約者
女子達は紅茶をゆっくりと飲みながら会話などをしていた。
「リサっちてさぁ、何でジョセフを好きになったの?もしかして一目惚れ?」
「どうなんでしょ、ジョセフ様の素顔はあまり見たことがありませんので少なくとも一目惚れではないと思います」
「へえ、じゃあもし私がジョセフのこと好きって言ったらジョセフは私を選んでくれるのかなぁ?」
「ジンジャー、あまりリサをからかうな…」
「ごめんごめん、テレサ、冗談だって」
「実際、王女様が冒険者を目指していた少年と結婚だなんて普通は…」
マリーはリサに関して疑問を抱いていたのだが、それ以上は何も言わなかった。
「私は人の心を読んだり相手の真実を見抜くことができます」
「てことは嘘とかついていたらすぐに分かるってこと?」
「はい、ジョセフ様には下心が全くなく、とても暖かい心を感じることができましたの」
リサはジンジャー達に必死に好意を持つまでの経緯を語っていたのだが、マリーやテレサは苦笑いをしている様子でかなり微妙だ。
いわゆるテレパシー能力なのだが、これは魔法ではなく異能力の一種で呪文を唱えずとも発動できているのだが、いまだにその謎は解明されていない。
「それでジョセフとの出会いがきになるな~」
「うふふ、それはですね」
リサは初めての出会いを思い出しながらクスッと笑っていた。
「そんなにおかしい出会いだったの?」
「はい、私は森でゴブリンに襲われ、護衛の兵隊が一人負傷を追い、このままでは全滅すると思った矢先にいきなりジョセフ様が現れ、ゴブリンを我武者羅に後先考えずに討伐してくれたのですが、それがきっかけでゴブリンの持ってた武器に塗られていた毒で瀕死の状態になったのですわ」
「ええっ!」
マリー、ジンジャー、テレサは思わず声を出してしまい、やっぱりなぁ…と頷いた。
「ジョセフ君らしいわね…」
「前からそんな無茶ばかり…」
「普通そこまでして助けますかね?」
三人はため息をつきながらかなり呆れていたようだ。
「でもジョセフって見た目はマジで何考えてるか分かんないけどあの独特な発想のおかげでここまで辿り着いてるわけだしカリスマ性?はあるよね」
「私もそう思う」
「ただやっぱりジョセフ様にはもう少し無理のないやり方で頑張ってほしいです」
「あたしも人のこと言えないけどそれは賛成かな」
「「「うん、うん」」」
「ジョセフと結婚するってことは王位も継承ってことなのか?」
「いいえ、他国に留学している弟がいますので王位は弟が継ぎますわ」
「リサっち、弟いたんだ!」
「はい」
それを聞いた3人は驚きを隠せずにいた。
「でも絶対ジョセフ君王位とって継ぐ気なさそうよね」
「私もジョセフに限っては王位継承目的でリサを連れてるとは思わないな」
「私はそうだとしてもジョセフ様を選んだことに後悔はありませんわ、ジョセフ様と婚約することによって好きでもない他の誰かと結婚せずに済んだのですから…」
リサの話しによれば、婚約者候補の男性の殆どが王位継承が目当てでしかも、リサのことをいやらしい目で見る変態ばかりだったとか、まああの両親のことを考えれば本人が今まで婚約を拒否し続けてたのを許してくれてたのは親心としては当たり前なのかな?これも聞いた話だけどリサの両親もお互いを愛し合った結果、結婚に発展してるみたいで、リサもその遺伝子を受け継いでいるというわけだ。
「ジョセフ様はやっぱり年下は嫌いなのかなぁ…?」
「多分嫌いではないと思うよ、ジョセフは年上のお姉さんが好きだったり」
「何でジンジャーはあたしを見ながら言ってるの」
マリーはジンジャーに対し、疑問を抱きながらもまあいいかという表情だった。
今日はジョセフの体調をテレサ達が気遣ってくれたのか、今回はクエストの依頼を受けずに休日を取ることになり、ジョセフ自身はリザードマン討伐のあとマリーに回復魔法で治療してもらったから大丈夫だと言ったものの、テレサ達は異口同音で反対したのだ。
ジョセフは普段行くことのなかった王都ベイカーハイドの図書館に佐藤夏樹と二人で行くことになったのだがその理由は佐藤夏樹にこの世界の読み書きを教えるためだ。
手当たり次第で小さい幼児が最初に読むような絵本とか童話は無いのかと順に本棚を探し、1冊だけ見つけることができるためそのまま図書館に机などが設置されていたためそこで勉強することにした。
「ジョセフ、本当にここで勉強会を?」
「お前も俺の仲間なんだ、文字の読み書きくらいは出来といて損はないだろう」
佐藤夏樹はどうやら女子メンバー達のお茶会に参加したかったようだがそんな暇があるならクエストの合間に勉強していた方がいいだろうとジョセフは考える。
第一、文字の読めない、知識がないってのは、どんなに強くてもカッコ悪いことだとジョセフは思ったからだ。
現代人が江戸や室町時代にタイムスリップして雑頭の侍達に斬りかかられるなんてシーンは当たり前の如くあるのだがそうならなくていいようには知識を身に付け、想像力を豊かにしなければならない。
今までこの世界で生き残れたのも全て、アニメとかラノベで異世界転移とか転生物の作品観たり読んだりしていたから対策も立てられたけど、自分だけが理解できても今後のチームワークには活かせない。
「まず最初に俺が音読するから俺が読んだ文字を追いながら繰り返し読んで書くを続けよう」
「はいはい…」
「佐藤夏樹にはガッカリなことなのだろうが全てはお前の為だ、許してくれ……」
「異世界に来てまで勉強ってマジでめんどくせえなぁ…」
「俺がいないときでもなんとか対処できるようにするためだ」
「んでもよぉ…やっぱり男二人でってのは…」
「文句言わずに文字を少しでも覚えろ」
佐藤夏樹は何だかんだ文句を言いながらこの世界の言語の勉強をしており、ジョセフが女子でないことに不満を募らせていた。
読み書きに関してはジョセフみたいに最初から神様のおかげで習得済みってわけでもない人達もいるのだから勉強しとかないと後々面倒ごとに巻き込まれた際とかなんとかなるかもしれない。
「よーし、今日はこのくらいにしとくか」
「えっ?」
「無理に長時間やってても頭に入らないだろ?」
「いいのかよ?」
「いいんだよ」
女子に勉強教えてもらいたいようだし無理に男であるジョセフが教えてもやる気が湧かないと思い勉強会をお開きにした。
「まぁあいつも少しづつ文字も覚えてきてるようだし、続きはマリーかジンジャー辺りにでも教えてもらえばいいか」
ジョセフは佐藤夏樹と雑談をしながら歩いていると執事のような恰好をした白髪の男性がジョセフに声をかけた。
「あのぉ~っ、ジョセフ・ジョーンズとはあなたでしょうか?」
「Who are you?」
「私はワトソン王国公爵家に仕えている執事のヘンリーでございます」
「公爵家ねぇ~」
「てっ――ジョセフ、公爵家だぞ!何で驚かねえんだよ!」
「十分驚いているよ、リサの件もあるから慣れたよ…」
ジョセフはリサの婚約のせいで公爵家の執事とか来ても目ん玉がビヨ~~ン!と飛び出るなんてそんなギャグマンガ展開にはならなかった。
「単刀直入に言わせてもらいますが公爵様が話があるそうですのでジョセフさんを連れてくるようにとのことですので着いてきてください」
(マジか、ほぼこれ強制じゃん、めんどくせーなぁ)と思いながらジョセフは執事に馬車へと誘導され佐藤夏樹と一緒に馬車まで連れていかれたのだった。
公爵家の馬車というだけあってとてもきらびやかな細工に重工感ある作り込み、並の冒険者が持てるような代物ではないとジョセフはすぐに察した。
だからこそ面倒だとジョセフは感じた。
馬車に乗り込んでからは何故公爵様がジョセフを呼び出したのか聞いてみるとまぁ何でも会わせたい人がいるとか何とかだが嫌な予感しかしない。
そんなこんなで説明を受け、佐藤夏樹は貴族の館に入って可愛い女の子と仲良くなりたいとか妄想しているのだろうけど逆にジョセフはとっとと宿に帰って日記書いて寝たと思っていた。
サングラスかけてるから寝てもバレないだろうと考えたジョセフは暫く馬車の中で眠り、今後のことを考え込んでいた。
神様の手違いとしても、ジョセフは自分が本当にこの世界にいていいのか?この悩みは簡単には解消できずにいた。
異世界で活躍する主人公達みたいにいきなり可愛い異世界少女に好意寄せられてハーレム生活してます。といったテンプレ展開がジョセフは嫌いだからだ。
ジョセフはコクッコクッ、と眠っていたら馬車がピタッと止まり、やっと公爵家の屋敷に到着したみたいだ。
「ジョセフさん、到着しました」
執事が馬車の扉を開け、ジョセフはゆっくりと降りた。
ジョセフは顔を見上げ、公爵家の屋敷はリサの住んでいた宮廷ほどではないにしろものすごく大きい家に住んでいるのは流石公爵だなと思った。
執事が玄関の扉を開けると広間には大きな階段があり、深紅色の絨毯にジョセフと佐藤夏樹は足をおそるそるゆっくりと乗せながら入っていった。
「ご主人様、ジョセフさんをお連れしました」
「うむ、よくぞ連れてきた」
執事は公爵にすぐさま報告をしており、そのまま執事はジョセフ達を応接間に誘導した。
応接間にはリサと同じくらいの年頃の女の子が俺の顔を見た瞬間、じーっと見つめてきた。
「それではジョセフ殿と連れの方、どうか座りたまえ」
公爵は席に座りながらジョセフ達も座るように促し、ジョセフは恐る恐る腰を掛けるのに対して佐藤夏樹はそのまま遠慮せずに座り始める。
「失礼します…」
「自己紹介がまだであったな、私はワトソン王国国王の弟で公爵のランスロット・ワトソンと申すものだ」
「ジョセフ・ジョーンズと言います」
「俺は佐藤夏樹」
「先程から気になっていましたがあちらの可愛いお嬢様は娘さんでしょうか?」
ジョセフは公爵の傍らでジョセフのことをじーっと見ている少女について尋ねた。
「ああ、あれは私の娘のアイリスでな、今回はアイリスの件で呼び出したのだが大丈夫かな?」
「ええ、大丈夫です…」
ジョセフは苦笑いしながら公爵の発言を受け流す。
(やっぱりこういうめんどくさいことに巻き込まれてしまうのか…何か嫌な予感はしたがここは異世界転移、転生者あるある考えたら護衛をしてくれとか嫁に貰ってくれとかそんな面倒ごとになる気がして怖い……)ジョセフにとってそれだけは極力避けたいようだった。
アイリスはリサと違いかなりのおてんば娘って感じで父親の隣に座ってからジョセフのことを見ながらニコニコとしている。
「あなたが噂のジョセフかしら?」
「そうですが…」
「リサからは手紙のやり取りで今までの活躍も聞いているぞ~」
「そっそれはどうも…」
アイリス妙に語尾を伸ばす癖があり、ジョセフはアイリスが大体何が言いたいのかは予想がついていたのだが敢えて聞いてみることにした。
「そこで呼び出した理由なのだが、単刀直入に言うと娘のアイリスと婚約をしてもらえないかと思っているのだがどうかな?」
(うわ~、やっぱり来たよ…つか初対面で婚約要請されるとか何これ?俺は何かフェロモンでも漂わせながら歩いているのか?さっぱり意味が分からん!)ジョセフの脳内は混乱していた。
「婚約デスカ?失礼ですがアイリス様の年齢はおいくつで?」
「私はリサ王女より一つ年下なのだが年下はお嫌いかな?」
「嫌い…っというか、リサ王女の時にも申したんですが、歳の差が…」
ジョセフはそう言うとアイリスはしょんぼりとした表情で俯いてしまっていた。
ここで「分かりました、娘さんを…」なんて言おうものなら間違いなく佐藤夏樹に「お前ってロリコンだったのか…」と言われて軽蔑されそうな気がしたからだ。
(困ったものだなぁ、ここアニメとかラノベのパターン考えたらすんげえ断りにくい…どうする、ここで婚約するか拒否するか迷う……)ジョセフは言葉を選ぶ余裕すらなくかなりのヘタレっぷりを晒すことになっていた。
ジョセフはかなり深刻に悩んでいた。
(やべえよ…あのアイリスって子なんか急に目がうるうるし始めたよ、くそぉっ、こうなったらもうロリコンと言われようが関係ねぇ!)もうジョセフは考えるのを辞め苦渋の決断をした。
「分かりました、アイリス様が俺を婚約者に指名するのであればこちらこそよろしくお願いします」
アイリスはパーッと顔の表情が明るくなり、公爵も大喜びした様子であった。
「それではジョセフ殿、娘のアイリスを任せる」
「はっ、はぁ…」
ジョセフにとってもう何もかもどうでもよくなってきたのだ。
(この年で婚約なんてめんどくさいけどここで断って恨みとか持たれたくねえしなぁ)とジョセフの顔は憔悴しきっており、その姿は終末期が近づく老人そのものだった。
一夫多妻も認められてるわけでちゃんと婚約をしていればリサに浮気だ不倫だと騒がれずに済むだろうとジョセフは考える。
(アイリス達とお茶会をしていたのだが早く終わってくれないかなぁ……)ジョセフはずっと見つめてくるしアイリスとのお茶会を終わらせたいと思っており、佐藤夏樹は横からジョセフの顔見てニヤけていた。
ジョセフは自分がロリコン認定されそうで一秒でも早く元の世界に帰りたいと帰宅願望すら生じていた。
日本に帰れないことは分かってはいるものの。
マリーに実は日本という場所から来ましたので元の世界に転送してくださいなんて頼もうとも試みたのだがマリーがまずジョセフが別の世界から来た人間だなんて信用する確率も低いだろうしそもそもそんな魔法って存在するのか?なかったら確実に恥をかくだけで、ジョセフがこの物語の主人公である以上日本に帰ったら物語終わっちまうからだ。
いっそのことジョセフの物語は第一部で終わらせ、佐藤夏樹を第二部で新主人公にするってのも悪くないかもと頭に浮かべていた。
問題は佐藤夏樹がハーレムやってくれるかどうかが疑問だった。オタクは基本ハーレムにロマンを抱くものだと思っているから少なくともハーレム願望はあるはずとジョセフは無理やり考える。
「なぁ、佐藤夏樹…」
「なんだよ?」
「お前、ハーレムしたいとか思ったことあるか?」
「したいとは思ったことあるけど、やっぱり好きな女性一人を追いかけたいなぁ……」
(マジかよ、こいつ結構一途に女性を愛するタイプかよ。困ったわぁ、マジでこれ
……俺マジで異世界でハーレム生活充実させなかったらこれはタイトル詐欺になってしまう……)ジョセフは日記にもタイトルを書いてしまい、ハーレム願望に興味のない佐藤夏樹では主人公は務まらないことに肩を竦め俯いた。
ジョセフ自身が何とかしてハーレム生活を充実させるしかなくなり、もうロリコンと思われようが関係ないとも思った。アイリスとリサくらいの年頃の女の子がジョセフに好意を寄せるならもう拒む必要はないと思考が退行しかかっていた。
「ただいまぁ~」
「あっ、ジョセフ様おかえりなっ…」
(そりゃ驚くよなぁ、アイリスまで婚約者になってるんだから)ジョセフはリサは発狂することをかなり恐れていた。
「アイリス、何でジョセフ様と一緒に?」
「私はジョセフの婚約者だから~」
(やっ、こいつなんてことをストレートに!そこはオブラートに包んで何とかしなきゃ!)ジョセフは空気を読まないアイリスに心の中でツッコミを入れる。
「ジョセフ様って、やっぱり年下の子が好きだったんですね?」
「俺がそんなことで婚約者にしたとでも思うか?」
「違うんですか?」
「リサの時みたいにほぼ強引だよ、《《強引に》》」
「そっ、そんな…私、強引にしたつもりは…」
(うわぁ~そんな悲しい瞳で俺を見つめないでくれ~、俺が泣かせたみたいに思われるだろ……)焦燥感に駆られたジョセフは口をグググっとへの字に曲げながら俯く。
「おいおいジョセフ、女の子を泣かせてんじゃねーよ」
「別に泣かせてねーよ…」
リサが大袈裟にとらえたのが原因でジョセフは佐藤夏樹にまで誤解された。
「ジョセフ~、リサは涙もろいからあんまり言いすぎないようにするのだぞ~」
「それ最初から言って…」
「ふぅ~っ、やれやれだぜ」
ジョセフはため息を吐き俯く。
アイリスがメンバーに加わることになったため宿の部屋が余ってないか再び確認してみるが今のところ空き部屋が無いためジョセフの部屋に泊まると言い始めたが流石にそうなると完全にロリコン認定されるではと思ったジョセフはそれは拒否してリサの部屋で泊まってもらうことにした。
アイリスを婚約者にしてからがずっと、リサがいた時よりも地獄になってきた。
何が地獄になったのかと言うとクエストに行くときとかが特に大変だった。
「ジョセフ~!」
何かとジョセフにくっついてくるからだ。
ジョセフは色々と大変で魔獣の討伐の時なんか集中できなくてとっても気が散っていた。
そのせいか佐藤夏樹達に美味しいところ持っていかれ、戦うより守ることを強いられ魔法を発動して殲滅なんてことも再びマリーがチート魔法でワンパンで終わらせバランスが崩れてしまった。
「初めてクエストに同行したがジョセフのおかげでみんな無事だな~」
「いやっ、俺アイリスの世話してるおかげで何もしていないんだが…」
アイリスがずっとジョセフから離れないからジョセフは一回も活躍できずにクエストが終わってしまったのだ。
「アイリス、ジョセフ様から離れてください!」
「もぉ~っ、もしかしてリサは嫉妬しているのかな~?」
「クエストの最中はジョセフ様の邪魔をしないでください!」
「よくぞ言ってくれた、リサ!」
「私は邪魔なんてしていないよ~、ジョセフに守ってもらっているのだ~」
守ってもらうこと前提でくっつかれても守れるものも守れないことを言おうとしたのだが流石に言いすぎるのは大人げないと思ったジョセフはオブラートに包むようにアイリスに言葉を発した。
「アイリス、俺を頼ってくれるのはいいがそんなにくっつかれたら守れないから…」
「そっか~、ジョセフもやっぱり邪魔に感じていたのか~」
「だからさ、何でそんな顔するんだよ、マジでそんな悲しい瞳で見つめるの辞めてくれ……」
ジョセフは思わず本音を口に出してしまった。
「ジョセフは私のこと必要ないって思っているのか?」
「だから何でそういう発想になるんだよ……違う、俺がいなくても強くあってほしいだけだ!」
「うん、私強くなってみる」
リサと親戚関係だからかやっぱりこの二人は良い意味でも悪い意味でも似た者同士だ。
アイリスはリサ同様魔法とかも使用できるみたいだからマリーに教えてもらうようにジョセフは頼んでおくことにした。
「ジョセフ君のあの時使っていた魔法、まさかとは思っていたけど光と闇を組み合わせていたけど属性を組み合わせるなんてあたしでも簡単にできなかったのに…」
マリーは気難しそうな顔で疑問に思っていた。
「確かにジョセフ君には光だけでなく闇属性に適性を持っているのは分かっていたけど本来光魔法に適性がある場合闇属性の魔法は使えないと言われている…全属性魔法が使用できるあたしは例外として…」
光と闇属性を一緒に使える人間は全属性適正が無い限りありえないということだったのだ。
ジョセフはこの前のリザードマン討伐の時に光属性魔法『パープルサンダー』を使用した際に光以外に何かを感じていた。
マリーの話しによるとジョセフには光属性に適性があるとだけ言っていたけど他の属性の魔法にも適正があったりするのだろうか、もしそうだとしたらマリーは何故隠す必要があるのだろうか疑問に感じた。
(それに何故『パープルサンダー』なんて知らないはずの呪文名を知っていたんだ)ジョセフはマリーが何者なのか気になっていた。
ジョセフは悪霊か何かにとりつかれているのかもしれない。そう思うようにもなっていた。




