魔王様にお願い
一文無しだと気づいたのは、魔王城で客人として過ごし始めて一週間くらい過ぎた頃だ。
我ながら遅すぎるな。
てなことで、お仕事中の魔王さんの元へゴー!
魔王城を勝手に歩いて大丈夫かって?
問題なしだ!
なんの力もない人間の子供が一人、相手にするのも億劫なほどで相手にするだけ時間無駄だって言われたからな。
というわけで、魔王さんの執務室に向かう。
「雑用でいいから、働かせて欲しいんだよ」
「ふむ、人間のそれも子供ができる仕事か」
魔王さんは机を指で叩いて、机上の書類の山をパラパラとめくる。
「人間のくせにここで働きたいってお前、すげぇ変わってるな」
「普通なら一刻も早く逃げ出したいと考えるだろうけど」
レックスとズワルトがいう。
「しょうがないだろ。一文無しで出自のわからない子供なんて働く場所があるかもわからないし」
「あっても危険が多いでしょうね。冒険者登録できるのも数年後みたいですし」
冒険者がいるのは知ってるけど、あれは15
歳くらいかららしい。
まあ、オレのいた町は冒険者と関わりのないとこだったし、詳しい話は全くわからないけどね。
大人たちに聞いても知らなくていいって言われるし。
「ちょうどいい。人間には人間の相手をしてもらおう」
会話が途切れたところで、魔王さんが口をはさむ。
全員の視線が魔王さんの方へ。
「勇者たちの受付だ」
デューが頷く。その後ろでレックスとズワルトも納得した顔をしている。
「それなら問題ないですね」
受付?
なにそれ?
ありがとうございました。




