1000年の奇跡、またあなたに巡り逢えたね。 ~ 平安から平成へ ~
狐の嫁入りっ ちょっと? 九尾な女の子 ヒロインズイラスト感謝際!
番外編に書き下ろした短編になります。
ときは平安の世、魑魅魍魎が闊歩し陰陽師が活躍した時代のことでございます。
そんな時代に大陸より訪れ日の本へと渡って来た狐の妖がおりました。
その妖は九本の尻尾を生やし、蜂蜜色の毛をしたそれはそれは美しい狐の妖でありました。
人間の世界に溶け込むべくして、その狐の妖は人に化けました。狐が化けた人間は、それはそれは美しい女性に化けて平安の時代を生きました。
その妖は玉藻前と名乗ったて人間と接点を持ちました。
【周書】【太平広記】など一部の伝承には天界より遣わされた神獣であると語られ、平安の世の中を迎える吉兆であり、幸福をもたらす象徴として描かれた、その妖とは大妖怪白面金毛九尾の狐と申します。
しかし……。
人の悲しみ嘆き、恐れを好み、喰らい。人々に忌まれ、恐れられ、疎まれ、嫌われ、祀られ、奉られ、崇められ、願われた存在。
やがて彼女は討たれることとなりました。
陰陽師の時代の陰に存在した1人の退魔師に。
だが歴史は闇に光を照らすことはありません。
残された記述には、討伐隊に討たれた白面金毛九尾の狐は殺生石に封じられ砕かれ、その際に殺生石は大きく四つに割れ残る破片は日本全土に飛散した、とされております。
ときは平成の世、魑魅魍魎などはオカルト話、陰陽師や退魔師も無論、存在せずアニメや小説、漫画の中で活躍する時代と思われている、現代に生まれて生きる、ちょっと? 九尾な女の子のお話であります。
小さな殺生石の破片から生まれ変わった白面金毛九尾の狐(雌)は、人の世となった現在の世の陰でひっそりと生きる妖や陰陽師に追われ傷付いていきました。
ちっぽけな殺生石から転生した故に全盛期の妖力も仙術も使えずに傷付いた九尾の狐は、たまたまか果たして意図的にか、近くを通り掛った人間の女性の胎内へと逃げ込み事無きを得ることになります。
その女性の名は久遠寺 小五音。久遠寺稲荷神社の1人娘にして新婚の女性でありました。
この女性の胎内に逃げ込んだ九尾の狐は十月十日の時間を経て人間の子として生まれ直したのでありました。
やがて稲荷神社の久遠寺家に生まれたのは蜂蜜色の髪の毛に真紅の瞳が愛くるしい可愛い女の子、久遠寺 美九音。
その久遠寺家のお隣さんの企業家で七霧財閥、その裏では古より退魔術の業を継承してきた一族の大きな屋敷に、1人の男の子が両親に手を引かれてやってきました。
その男の子の名前は七霧 知泰。
二人は運命的に、はたまた意図的に出会い、幼馴染みとなり、そしていつも一緒に過ごしたのでした。
そんな幼馴染みの2人は私立陽鱗学園高等部に通う事になりました。
物語は久遠寺 美九音と七霧 知泰の平穏な時間が失われ運命の歯車が回り出すことになった、2人が高校二年生に進級した春の日から始まる物語。
「俺、知っていたと思うんだ。だけど知らない振りをして気付かない振りをしていた、あの時まで……」
「ウチね? 知泰が気付いていることを知っていたんだと思う。だからあんたの前では耳も尻尾も曝け出しちゃうんだよ?」
あれから1000年……やっと逢えたね。
記憶の奥底に眠ったふたりが交わした約束……。
運命か、それとも宿命か、はたまた奇跡か。
過去は昔、平安から。
「いつかもし生まれ変わったら、俺……」
「いつかもし生まれ変わっても、ウチ……」
例えなにに生まれ変わろうとも。
例えなにに生まれ変わっていようとも。
絶対におまえを。
絶対にあんたを。
俺は……。
ウチは……。
探し出してやるさ!
探し出してみせるんだからねっ!
現代は今、平成へ。
1000年の時を経て動き出すラブストーリーX ラブコメディー〇 狐の嫁入りっ ちょっと?九尾な女の子。
「さあっ! ウチの前に跪きなさい」
ご拝読アリガタウ。
今後も「狐の嫁入りっ ちょっと? 九尾な女の子」を宜しくお願い致します。
第3章に突入するまでの暫くの間、紅葉や未美視点で書き下ろした番外編、短編物語をお楽しみくださいね。




