2-31.エピローグ
サロンが終わって1週間後、各公爵夫人達からサロンのお礼の手紙が届いた。
皆楽しかったと書いてありホッとする。少しでもこの国の団結のためにお役に立てていたら良いんだけれど。
(そして、みんなフリードリヒ様との仲を応援してくれているわ……)
明け透けなアドバイスも貰ってしまい苦笑いしていると、フリードリヒ様が現れた。
「あぁ、ここにいたのエミリア。珍しいね」
従者から手紙をもらった後すぐに読みたくて、私は屋敷の入り口の近くの部屋にいたのだった。
(そういえばこの部屋、フリードリヒ様と初めて会ったところだ……)
変わったなぁと思う。私も、フリードリヒ様も。
「お探しでしたか?」
「またどこか行ったのかと思って」
「大丈夫です、もう滅多なことしませんよ。情勢も落ち着いてきているのですよね」
「うん。隣国の戦争も終わりそうだ」
手紙をさっとテーブルの端に押しやる。
しかし、先程の手紙の「頑張れ」という全員の励ましが頭を離れない。
(い……良いのかしら。女性からいっても)
歳の差があるからフリードリヒ様が遠慮しているのではと言ったのはリーゼロッテ様だった。
彼女曰くフリードリヒ様が奥手なイメージがあまりないらしい。
脳内のアナスタシア様は「なぜいかないのですかァ?」と言っている。
ヴィルヘルミーネ様が「行け!」と檄を飛ばしている。
エレオノーレ様も「頑張って下さいお姉様」と健気に応援してくれてるな……
(〜っやってやるわ!私だって二番手の女として経験はあるもの!!!)
隣に座ったフリードリヒ様にぴたりとくっ付く。
「?」
「……今夜、お部屋に行ってもよろしいですか?」
じっとフリードリヒ様の顔を見る。耐えろ私!もうだいぶ彼の顔は見れるようになった!
こういうのは男性が喜ぶはず……
「君って本当……」
彼は手で顔を覆って小さくため息を吐いた。
覆った手を下ろす。
ニコリした顔が見えて、綺麗な笑顔だなぁ……なんて思っていたら
ソファに押し倒された。
食べられるように唇が重なる。
リップ音が聞こえる。
「……今ここでする?」
「……へ……?」
息が耳にかかって。
さっきまで笑っていたフリードリヒ様の目はもう笑っていなかった。
真剣な視線に囚われてとても逃げられない。
で、でもここは誰か来るかも。まだ昼間だし!色々と良くないんじゃ……
「その、よ、夜まで待って……」
「冗談だよ」
フリードリヒ様はあっさりと離れて行った。
私は押し倒された状態のまま固まる。
「真っ赤で可愛いね」と彼に言われた。
「それじゃ、夜に待ってるね」
「はひ」
ドアの閉まる音が聞こえた。
天井のシャンデリアを見ながら呟く。
「幸せ過ぎて死にそう……」
致死量の彼を浴びてしまった。
やっぱりフリードリヒ様は推しで、恋人で、私の夫だった。
20万字近いお話を読んでくださった方、本当にありがとうございました。
楽しく連載させていただきました。




