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第69話 三方への苦慮

ク……クライマックスバトルが始まる……よ(白目

 ここへ来て、新しい敵が登場してしまった。


 ある意味で、一番敵として普通の敵の登場であるのだが、こちらの人数的な優位性が完全に逆転してしまったなと、丈二は困惑する。

 その考えは、八木もケレースも同じで、徐々に追い込まれている感情を払拭できないでいた。


 ※ ※ ※


 現在の戦況はこうだ。

 バフォメットについては、『三つ葉』のB級冒険者3名と組合長とで一進一退。


 ラスルトは、小屋の中に消えたため、現状はFREEにしてしまっている。

 恐らくは、ラスルトが元神官のメーリエに化け、ゼアス・ピオン辺りに連絡を取っているか何かをして、悪意を張り巡らせているだろう。


 本当は、こちらを早急に潰したいのだが、目の前には『中級ダンジョン下層のボスモンスター闇の復讐者』が、その行く手を阻んでいる。


 対闇の復讐者に充てられる人員は、攻撃が出来るものとしては、丈二、サニー、カットレイだろうか……。ミッツは回復をしていそうだが、どうだろう。


 支援する人員は、アビー、ベンジー、マリダ婆さんとしゃべる黒猫。

 マリダ婆さんは、ある意味で後衛職としては、優秀なアタッカーではあるが、今回ばかりは相手が悪い。


 何せ、アンデットにも関わらず、光魔法が通じない相手である。


 ◇


 サニーが、闇の復讐者を牽制してくれている。

 その間に、丈二は、マリダ婆さんに2点確認をする。


『マリダさんすみませんが、その黒猫について教えてもらえませんか? ラスルトと戦っていたようですが、戦力としてどうなのでしょう。』


『仕方がない……さね。この子は普通の猫ではなくてね、悪魔なのよ。』


『悪魔?そこのバフォメットと同じ悪魔なのですか?』


『ええ……。ただ、何故か人間の記憶を持っていて、人間に対する敵意がないの。寧ろ人間に感性が近いわ。緊急時だから馴初めは割愛するけど、一部の神殿の人間も把握しているの。』


『神殿も……ですか。』


『流石に害悪があるかどうかの判断があって、初めて私の子として一緒にいることが許可されますからねぇ。それで、戦力としては、とても強いわ!』


 マリダから、黒猫の強さを掻い摘んで説明を受ける。

 黒いオーラを纏い、自身の爪での引っかき攻撃時に、そのオーラで攻撃範囲を拡大して、切れ味が信じられない程鋭く強化して敵を葬る。

 猫の速さやしなやかな戦闘スタイルで、それが信じられないほど強化されているイメージで良いらしい。


『もうひとつ。マリダさんも封印魔法を扱うことが出来ますか?』


『小屋を封印している宝珠を使えるかという意味ならNOね。使い方を知らないから。でも、そこにいるような悪魔を封印する術を持っているかという意味なら可能よ。』


『正直俺は、小屋を封印し直す理由がわからないのです。ラスルトが隠したかった秘密については、暴いてしまった以上、意味がないと考えていますが。』


『そうね……。そこの悪魔は「未だ封印されている」の。どうやら、自我は悪魔自身が乗っ取っているみたいだけれど、あれはただの傀儡……ね。その封印の鍵が何処にあるのか知っている?』


『え? まさか……。』


『そう。あの小屋の中よ。正確にはあの小屋の下。多分ラスルト様は、小屋に秘密があることまでは知っていそうね。でも、何処にそれがあるのかは知らないでしょう。ただ、何らかの方法で、その力を弱めることは、出来ているようね。』


『ああ。だから、そこのバフォメットの傀儡が存在している。』


『そういうことね。』


 思いもよらなかった情報であった。

 ぼんやりとであるが、今のこの状況の全体像が見えてきた気がする。


 ◇


 丈二は、マリダを含めて、八木とケレースとで作戦をまとめはじめる。


 闇の復讐者は、サニーの牽制に痺れを切らし、既にサニーへ襲い掛かっている。

 サニーは銅鉱山での戦いから、格段に強くなっており、如何に中級ダンジョンの下層ボスモンスターであっても、すんなりとダメージを与えられない。


 それは、戦いが始まると同時に、『歌』で能力向上バフを掛けながら支援をしている「吟遊詩人のベンジー」の功績がでかい。



 定石ならば、このままサニーに闇の復讐者を宛がい、増援に手を回すことで相手を打破するべきであろうが、ラスルトのしていることが気になる。


 あれとの化かし合いは、丈二が適任であるが、あの悪意を正面から受けると相手の策にハマってしまう気がする。そのためにも、それを癒すことの出来るサニーが必要ではないかという話となったのである。



 そこで、サニーと戦闘をスイッチして、闇の暗殺者を倒す役に「黒猫」のツブリーナに任せる話となったのだが、当の本人がそれを断固拒否。


 それは、彼が、ラスルトの恐ろしさを唯一人『見ていた』からであり、彼にとっては、たかだか中級ダンジョンのボスや、自信と同じ悪魔の分身程度のMOBよりも、ラスルトの得体のしれない恐怖に対して、ここにいる面々は全力を注いで、その恐怖に対処をすべきだと判断したに他ならなかった。


 ◇


 さて、どう立ち回るべきかなと、再び悩んでいる丈二に対して、カットレイが見かねて提案を出す。


「なぁにいちゃん。思うんやけどな、にいちゃんとサニーはん。相性の悪いマリダはんと我儘言ってる黒猫で、小屋の中をお願いできへんか? ミッツも戦えるだけは回復しとるで?」


「でも、それだと戦力が心もとなくないか?」

 神官長を守りながら、カットレイと手負いのミッツ、サポート役のアビーとベンジーだけでは、どうしても、対ボス級モンスターに対して攻撃力が心もとないと思ってしまう。


「それなんやけどな。ワシの感がそろそろやと、ギンギン言っとるんや! それに、ワシかてレベル1であれを倒した片割れやで?」


 は?そろそろって何だ?

 ……あ!!! 成程な。こいつらやっぱり、スゲー面白いわっ!


「正解だ!やっぱお前スゲーよ!ここは任せたぜ!死ぬなよ!」

「上等や!ここは任せとき!」


「マリダさんに黒猫!それにサニーさん!この銀色能面野郎は、カットレイ達に任せて俺たちはラスルトのサイコ野郎を追うことにするぞ!」


 気が付いた一手で、自分達が再び有利になることを確信した丈二は、考えられる対ラスルト最強のツーマンセル2組に声をかけ、恐らく決着のつくであろう森の小屋の中に向かって、武器を構え歩き出す。

いつ終わるんだこの章と思われた方!BMをして確かめてみましょう( ノД`)

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