表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/142

第68話 何でそんなんがおるんや!(再)

誤字指摘ありがとうございました(/・ω・)/

『やはり、この方ですよね。どれだけ綺麗に変装しても、息遣いや身のこなしは、そうそう替えれませんものね。私からしてみれば、お粗末なものでしたから、何故皆さんお気付きにならないのかと思っていたのですよ。』


 若月は、未だ『歪モード』のまま、映像をじっと見入り、表情を変えずに唇だけを動かす。


『そうっすね。分かりやすいのは蜃気楼みたいなものだったんす。』

『蜃気楼?』


『カニバリズムによる変身、気配遮断と気配偽造を上手く使ってたんすよ。』

『んー。私はその辺りの知識が乏しいですから、気が付かないことに結びつかないのですけれど。』


『そっすね。若ちゃんは、そのモードに入り込むと自分の自我を抑え、見たままで判断してるっすからね。というか、この世界のスキルに引っ張られず、あっちの世界の身体的情報で判断しているというのが正しいっすかね。』


 先程ツブ猫は、この若月の判断に「御し難い」と称したが、ケレースには、「情報」を戦いの第一線で活用し、それに頼りがちな『チームみたらし団子』の戦術に、別視点で見れる彼女の存在は、大きな戦力になると確信していた。


 ~・~・~


 一方、バフォメットに対峙している『三つ葉』と組合長との戦況も膠着状態にあった。

 最も、こちらは、心理戦による戦闘の中断ではなく、一進一退の戦闘状況であると言ったほうが正しいのかもしれない。


 バフォメットは戦闘を楽しんでいた。

 自分のほうが、スピードと戦闘経験は上なのであろうが、こいつらは、戦い方が上手い。

 恐らく、女3人は同じ仲間なのだろう。連携に穴がない。

 そこに合わせてくるエルフの男。

 こいつが曲者だ。女3人の連携に+αをもたらしている。


 また、自分の体はひ弱な人間の体だ。『あれ』のお陰で本体の体を保てているが、一発でも渾身の一撃を喰らえばそこでゲームオーバー。

 逆にこちらの攻撃は、一発で致命傷を負わせるには、力不足だ……割に合わない。

 

―――だが、それがいい。背中が放り付き、たまらない緊張感がある。


 山羊顔の大きな鼻から、息を強く吐いて、興奮を抑える。

 正直、ここで倒されたとしても、自分としては、暇潰しがなくなる程度ではある。

 だが、彼はその考えを封印し、戦闘を楽しむために蹄に力を込めて、好敵手に向かって突っ込んでいく。


 ◇


「ラスルト様よ。それは、殆ど合ってたということでいいのかな?」


 余裕を見せるラスルトに、苛立ちを隠さずに丈二が言う。

 とはいえ、交渉術はONのままで、ある意味舌戦に持ち込もうとしているのだが。


「今言った通りだ。ひとつ以外は合っているぞお!」

 指を一本立てて、ラスルトは1歩1歩と歩きながら、小屋の方に歩きながら言う。


「そのひとつを、私は君に教えないのだが、さてさて、何だろうね。フフフ。」

 小屋の扉の前まで彼は歩き、そこで止まり、転がっているエルビスの首を蹴る。


「さて、お話はこのくらいにしておこうか。」

 ラスルトは、立てていた指を自分に向けると、彼の姿が、中肉中背中年の神官女性の姿になる。


「メーリエ!お前さんかい!メーリエをあんな目に合わせたのは。」

 マリダ婆さんが、ラスルトのその姿を見て叫ぶ。


「婆ちゃん。そのメーリエのスキルは何にょ……。」

 黒猫が少しふら付きながら、マリダの手から飛び降りて言う。


「あの子の能力は通信能力だった。特定の人の座標……位置さね。それが分かれば、何処でも話ができる能力ね。だから、こいつは誰かと連絡を取っているはずだよ!それ!」

 マリダが、メーリエに化けたエルビスに光の矢を放つ。


「ほ~()()()()()()()()のだな。流石神殿の神官といったところか。」


 ラスルトは扉を開け、小屋の中に入る。

 と、同時にエルビスの首から下の胴体が赤黒く光りだし、足元と頭の上に魔法陣が現れると消え去り、他の何かがその場に姿を現す。


 ◇


―――これがキャスリングか!?


『すまない八木。こっちにヘルプだ。エルビスの胴体がキャスリングで消えて何か召喚された。』


 丈二は、組合長達の援護をしていた八木にこちらを助けるよう頼む。


 銀色の身体、鋭く尖った3本の鍵爪を持つ無機質な人型の魔物。

 八木はすぐさま『万科辞典』で調べ出し、丈二はマリダ婆さんと黒猫の元に駆け寄り構える。

 そして、サニーに少しの間、魔物との闘いをお願いして、カットレイに指示を出す。


『カットレイ!イヤフォンをこっちに!』

『急に何や?』

『マリダさんとイヤフォン越しに話しながら戦いたい。』

『! そうゆうこっちゃな。』


 カットレイからイヤフォンを受け取りマリダに渡す。


「マリダさん。すみませんがそれを耳に着けて貰えませんか?」

「耳……にかい?」

 マリダがイヤフォンを装着する。


『聞こえますか?これが俺のスキルです。先ほどのメーリエさんと近いスキルだと思います。』

『驚いたね!通信能力かい。』

『えぇ。これを装着している人達複数と話すことが可能です。後……。』

 丈二は、手短に自分の能力と自分が迷い人であることを伝え、八木とケレースを紹介する。


『へ?女神ケレースですって?』

『まぁそうなるっすよね。出来ればおかあさまの信者の人と話はしない方がいいんすけど、そうは言ってられないっすものね。』

『色々思うところがあると思うけど、それは後程ね。じょっちゃん取り合えずこれ。』 


 八木から、魔物の情報が送られてくる。


→【闇の復讐者:中級ダンジョン下層の階層ボスモンスター。光魔法を一切受け付けない銀色の身体と、鋭い鍵爪が特徴で、その爪には猛毒・混乱毒・麻痺毒がそれぞれ仕込まれている。

 光魔法を受け付けない身体を持つがアンデッドであり、銀色のボディとの継ぎ目には銀武器が有効である。

 魔法や特徴的なスキルの使用がない代わりに、攻撃と硬さ、そしてスピードと近接戦闘だけ見れば上級ダンジョンのボスモンスタークラス。】


「おい!カットレイ!トラウマの中級ダンジョンの階層ボスモンスターだぞ!これ!」

「はぁ?な…なんやてぇ!何でそんなんおるんやぁ。」


「しかも……猛毒・混乱毒・麻痺毒の毒攻撃持ちだわ。」

「あぁうん。さよか……。」


「「はぁ……。」」


 丈二とカットレイ、そしてこっそりとサニーは、また、このパターンかと、大きくため息を付く。

読んで頂き有難う御座います♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ