コンテストについて、後から調べたこと
私はキネコンと呼んでいますが、正式名称は【キネティックノベル大賞】。
2020年の夏にスタートした「ノベル&シナリオ部門」「イラスト部門」「音楽部門」の3部門合同&4社共同開催の《 クリエイター発掘型の新人賞 》として位置づけられたコンテストです。
==《 共同開催の4社 》==
◆小説家になろう
日本最大級の小説投稿サイト。
◆pixiv (ピクシブ)
イラストや漫画等の投稿サイト。日・中・韓国語、英語に対応。
◆ニコニコ (niconico)
出版大手KADOKAWA傘下の動画配信サービス。
◆VISUAL ARTS (ビジュアルアーツ)
泣きゲーのKeyブランドなどを持つ、18禁・全年齢パソコンゲームの最大手。
(※1)ネット検索すると東京ビジュアルアーツという専門学校もヒットしますが、こちらはエンターテイメントとクリエイティブ分野で活躍する人材育成が目的ですので、どうやら関係は無さそうです。
(※2)2022年5月23日付の官報の新設分割公告にて、ビジュアルアーツの成人向けゲーム事業を、新設する「イープロダクト株式会社」に移管することを明らかにしたそうです。
キネコンWEBサイトの最下部には『©VISUAL ARTS / KineticNovelGP』とありますので、コンテストやろうぜ! って言い出したのはビジュアルアーツなのでしょう。
各社のロゴの並び順も、最後尾になる右端にビジュアルアーツが来ています。
このことから、主催はビジュアルアーツと考えて良さそうです。
ビジュアルアーツは、どんな会社なのか。
代表取締役のVAVAしゃちょーブログを読んだところ、IPビジネスを加速するために『公募を復活させる』とあって、過去にもコンテストがあったらしいことが分かりました。
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※ここで言うIPビジネスとは、映画・ゲーム・アニメに関するビジネスのこと。
ビジュアルアーツはIP開発事業者なので『何年もかけて創り、それを愛してくれるファンのために何年もかけて展開していく』ことをメイン業務にしているのでしょう。
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社長さんブログを読んだあと、ウィキペディアで社名を検索。
ヒットしたページには『2010年 キネティックノベル大賞を設立』と、ありました。
キネコンは10年も前に開催していたコンテストだったのですね。
おかげで謎が解決しました!
だって第一回のコンテストなのに「過去の受賞イラスト」があったんですよ~~! これって、どう考えてもおかしいでしょう?
ビジュアルアーツと繋がりのあるイラスト系専門学校の卒業生(絵師のたまご)に箔付けするため、八百長なコンテストをしてるのかな? って疑ってました。
そんなことは無い(たぶん)ってことが判明したわけです。
いやー、スッキリしました。
ちなみにビジュアルアーツは、VA文庫というラノベのレーベルも持っていて、過去のキネティックノベル大賞の受賞者が、著者または挿絵師として起用されていたそうです。
(VA文庫は2013年10月まで刊行したのち、発行されていないので、それに付随するコンテストもやらなくなったっぽい)
では再びラノベのレーベルを作るのかといえば、そうではない模様。
『小説投稿サイトは活気があるけど、書籍などに商品化される道が細いし、アニメ化まではなかなか進まないので、その流れをもっと強くしたい』らしい。
『すぐれた作品を音楽とあわせて映像化(ゲーム・アニメ等)することで、音楽ライブやイベント事業、版権ビジネスなどに展開していける』と考え、そこを狙っていくってことでしょうか。
それから『ビジュアルノベルを強化したい』とのこと。
間口を広くするとともに、シリーズ化や連作など、幅広い展開をしていきたいようです。
ビジュアルノベルってのは、パソコンのエロゲやギャルゲが該当するそうです。
ときめきメモリアルとか、エリーのアトリエとかも入るのかな?
私は、コロプラの『魔法使いと黒猫のウィズ』というゲームが好きで、なろうに来る前にハマってたのですが、あれのイベント(黄昏メアレスなどの異世界ストーリー)もビジュアルノベルと言えるのかもしれませんね。
ともあれ。
ビジュアルアーツとしては、キャラで売っていける作品を発掘したい、ってことなのでしょう。
音楽ライブまで展開することを考えるなら、サブキャラにもキャラソングが発生するぐらいの『キャラ人気』が欲しいでしょうから。
しかしそうなると、イラスト部門まで作る必要があったのか。疑問です。
わざわざ新人を発掘しなくても、プロ絵師は沢山いるでしょうし、セミプロ絵師も山ほどいます。
『小説を書く人より、絵を描く人のほうが、ずっと多い』と思っています。私は。
キネコンにイラスト部門を作った理由。
これは私の想像ですが、海外ユーザーも多いpixivという大きなサイトも巻き込みたかったのと、絵描きはSNSの利用者が多いだろうし、イラストによる宣伝効果を狙いたい――つまり『コンテストの盛り上げ役』をイラスト部門の参加者に期待しているんではないか――なんて風に思いました。
ビジュアルアーツの作品イラスト(エロゲ等の塗りが美しい萌え絵)を好む人は、pixiv内のイラストを見るためにアカウントを持ってそうですしね。
推してる絵師が、ラノベに絵をつけるとなったら、ファンは喜んで買うんではないでしょうか。
以上、私の想像でした。
実際のところは『キネティックノベル』というジャンルをつくり、やる気のある若いクリエイターをたくさん集めて、じゃんじゃんヒット作を出すぞ~! って感じだと思います。
だって、毎年コンテストしているのですから。
応募する側は無料のコンテストですが、ロゴを出している企業は有料なんですよ。
お金を出して真剣にやってるんです。
だから、一次予選・二次予選で落ちた人が、再びコンテストに挑戦すれば、企業側もチェックします。
「この人、前回は一次落ちだけど、また来てくれたんだ。今度の作品はどうかな?」――って見てくれるんです。
作品の成長過程も、どのぐらいやる気があるのかも、必ず確認しています。
「作品はなかなか良かった。でも、もうちょっと力をつけて欲しい。頑張って賞をとって、一緒に仕事をする仲間になって欲しい」と願っているはずです。
コンテストって、そういうものなんですよ。
だから夢や野心がある人は、全力で挑戦すべきです。
もっと上に行けるはずだと信じて、努力することを諦めないでください。
※ノベル&シナリオ部門のコンテストは現在のところ年3回開催です。
(イラスト部門、音楽部門は年1回開催)
※ビジュアルアーツのブログ等は2022年の3月に調べました。
参考にさせていただいたビジュアルアーツの社長さんブログ
◆https://visual-arts.jp/blog/
◆https://visual-arts.jp/blog-2021/
◆https://visual-arts.jp/blog-2022/
第一回のキネコン参加前に、このへんのことを調査済みだったら、もうちょっとコンテストの方向性に合わせたイラストを描いたのになー! って思います。
エロゲっぽい質感重視のやわらかな塗り(影や光の表現にエアブラシを多用する?)にトライしてみるとかですね……。
でも、私が苦手な方向なので結局爆死ですけど(;^ω^)
線が太いんで繊細な塗りとは相性悪いんです。