コクオウ
リアルが色々あり、更新が遅れました。週一週末更新を目指しますが、かなり今リアルが多忙なのであまり更新ペースに期待しないでください。
コロナあるからちゃんと家にいましょうね!
田「すごい…これが紋章の力…」
メ「使い慣れれば後は自分の体の一部のやつに使えるはずだ」
?「あの…」
喋りかけられて田中は振り向いた。
?「あの…ありがとうございます。僕ゴブリンのサインっていいます。」
サ「こっちは姉のタンジェです。僕たち作業場から逃げ出してきてて…それで追われてたんです。」
サインは頭を丁寧に下げて言った。
田「あー大丈夫大丈夫。んで、あいつらは何者だったんだ?」
タ「あいつらはライトランドの連中だ。あたしたち魔物に差別的で見つけては無差別に過労死するまでこき使わせるんだ」
田「なるほど…やっぱりあいつらロクでもないやつだったのね…」
タ「にしてもあんたも魔物なのによく追手をかわせたよな。あの魔法のおかげか?」
田「ちょっと待て、さっきから気になってたんだが、なんであの兵士どももあんたらも俺のこと魔物だのなんだのって言うんだ?俺はどうみたって人間だろ?」
タ「あんた鏡見たことある?どうみたってアンタの見た目はゾンビそのものだろ」
田「どこがだよ!この見た目!この血色のいい肌…」
言い終えたところで田中は自身の手を見た。
血色が悪い。
いや、性格には土っぽい色なのである。
頭を触ってみた。髪がない。ボサボサでいつもフケがつき気味だった髪がない。
田中は真っ青になった。既にそんな顔色に近いのだが。
田「おい…メネラウスさんよぉ…」
苛立ち気味に呼んだ….返事がない。
タ「あんた誰と話してんだ?」
田「えらい神様。多分俺しかテレパシーで会話できない」
田「おいゴルァ!メネラウス!返事寄越しやがれ!」
…しかし返事はこなかった。
田中は憤慨しきっていた。
田「あー!畜生!あのおっさん!俺にとんでもねぇもの寄越してきやがった!なんだこれ!説明にないぞこんな見た目になるなんて!大体善意でついてきてやってんだからもうちょいマシな処遇だろ普通!なんでゾンビなんだよ!なんでよりによって見た目ランク下から数えたほうがいい奴にしやがった!」
サ「あのー大丈夫…ですか?」
田「もう絶対あのおっさんに敬語使ってやらねぇ!敬意も払わん!さっさと仕事終わらせたら見た目戻すまであの偉そうな髭に火つけてやる!」
散々叫びたらし田中は少し冷静さを取り戻した。
タ「まぁアンタも色々あんだろうな、うん。よければ家招待してやるけどついてくるか?」
田「お言葉に甘えてそうさしてもらうよ」
田中はとりあえずサイン一家の家に向かうことにした。
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田中は混乱していた。自身の見た目の事。この世界な事。紋章の力のこと。ありとあらゆる新しい情報の一つ一つが田中の頭を殴りつけていた。
サ「そういえば名前を聞いてませんでした。名前なんて言うんですか?」
田「田中だ。田中真斗。田中でいい。」
タ「へータナカか。珍しい名前だな!ハリボテの連中と似てるような名前だ。」
田「ハリボテってなんだ?」
タ「ハリボテっていうのは、ここ最近異世界から来てこの世界で好き勝手やってる奴らのことさ。ライトランドの国王もこの一派だよ」
サ「ハリボテの人の中にはいい人もいるんですけど…大抵は国王みたいなロクでなしです。」
タ「自分を勇者だのなんだのって偉そーにしてる奴らが多いから中身なしの意味を込めてハリボテ。ここに住んでる奴らはみんなそう呼んでる」
田中少し複雑な気持ちになった。自分以外にも転生者がいることに驚いた。そして疎ましく思われてることにも。
田「そうか…ねぇその国王って強いの?」
サ「さぁどうだか…ただここに元々あった魔物の民事軍がすぐに返り討ちにされましたから。多分それなりにかと」
タ「ったく。なんであたしらがビクビクくらさなきゃいけないんだろうな?元々あたし達の街なのに」
ぼやくようにタンジェは言った
サ「つきました。ここが僕らの村で、あそこが家です。」
石造りの洞窟のような家がいくつも並んだ村がそこにあった。だがやはり活気がない。
タ「昔はもっと活気良かったんだけどな。今じゃ衰退しきってこのザマよ」
田中はサイン達の家の中へ入った。
母「あら?サイン!タンジェ!」
父「無事だったのか!」
サ「うん!とーちゃん!かーちゃん!」
タ「そこにいるアンデットの人が助けてくれたんだよ」
母「あらあら…本当にどうお礼を言っていいか」
父「本当にありがとうございます」
2人とも深々とお辞儀した。
田「ど、どうも…」
若干照れながら答えた。
母「2人とも先月に乗り込んできた徴兵隊に捕まっちまってね…。あたしたちみたいなヨボヨボは使えないから若い奴をよこせってつかまえられちまったのさ」
父「せっかくだ。時間も時間だし夕飯食ってけ」
気前よく笑いそう言った。
田「えっとじゃあ折角だからいただきます。」
母「久々に家族が揃ったからね!腕によりをかけるから期待しときな!」
サ「やったー!」
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___この森のはずれにて
兵A「畜生…体が動かん。早く…国王様に伝えなければ。あれは後々我々の脅威になりうる力だ。」
兵B「しかし…やつは本当にただの魔物なのか?ここら辺に生息しているやつとは明らかにパワーが違いすぎる」
兵A「どんだけ強かろうが関係ない。国王様のパワーに敵うやつなどいないからな」
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母「さぁ!たんとお食べ!」
タ「うっひょい!いただきまーす!」
出されたのはこっちの世界で言う野菜炒め、米、そして汁物だった。品数は少ないもののボリュームが多く、味も美味い。気がつけばこの世界に来てから何も食べていなかったため田中は夢中でがっついた。
父「どうだい、お味の方は。うちのお袋の料理は美味いだろ!」
田「はい!おいしいです!」
父「ところでアンタ泊まるところあるのかい?ないなら今日はうちに泊まってくといい。寝床もちょうどあるぞ」
田「行くアテも特にないですしそうさしてもらってもいいですか?」
父「じゃあ決まりだな!」
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___夜
サ「ねぇねぇ、タナカさんはどこから来たんですか?」
田「え?うーん人がたくさんいる街さ」
サ「へーいい場所でした?」
田「まぁ暮らしやすかったな。何も起こらなさすぎて暇になることが多いけど」
サ「のどかなところなんですね!いつか行ってみたいなー」
ふとその言葉で思いついた。自分は神に言われた仕事を終えた時、どこに行くのだろうか。元に帰れるのだろうか。それともこのままここに居ることになるのだろうか。先のない不安が田中の心を蝕んだ。
サ「タナカさん、いいやつだから友達になれて本当によかったですよ!僕友達居なくなって少し寂しかったんです。」
田「友達できなかったのか?」
サ「いえ、みんな連れ去れちゃってほとんど居なくなっちゃったんです。」
田「そうか…大変だったな。」
田「…ねぇもしもう一回その友達と会えるなら会いたい?」
サ「そりゃもちろんですよ。また一緒に遊んだり、話すだけでもいい。近くにいて欲しいですよ。」
田「なら、俺が今度連れ戻してくるよ」
サ「え!危険ですよ!やめてください!タナカさんは別に徴兵対象でもないですし、わざわざそんなことしなくても…」
田「いやいいんだ。どのみちライトランド、だっけ?連中に用事あるし」
田中は自身の発言に対し驚いていた。人のために何かをする。そんなタイプではない。だけどもサインの何かが田中の心を動かしたのだろうか。サイン達を助けたい。そんな一心になっていた。
ドガーーーーーン!
急に玄関の方からでかい音がした。
父「なっなんだ!」
?「やれやれ…なんでこんなたった2人の労働員のために私が腰を上げなければならないのかね?全く虫唾が走るよ本当」
サ「おっお前は!国王!」
国「いい加減名前ぐらい覚えてくれよ。これだから魔物の労働員教育の金がかかる。物覚えの悪い馬鹿どもめ。私の名前は
日出屋 登 だ。」
田中は名前の響きとメネラウスのレーダーからすぐにわかった。こいつは日本人だ。そして紋章を持っている。
田中はサイン一家を守るために強く念じ手を前に出した。
すると地面からさっきよりもさらにでかい拳が現れ、日出屋を殴りつけた。
日「!!?ぐふっ!」
日出屋は家の壁を突き破り吹っ飛ばされた。
田「アンタ、何様の分際で他人の一生踏みにじってんだ!」
日「何様?私は国王様だ。あの兵士たちをぶっ飛ばしたのはキミだね。」
田「あーそうだよ。そしてアンタも同じように吹っ飛びやがれ!」
田中は日出屋に向かって走り出した。
日「確かに能力は凄まじい。しかし、私には遠く及ばない。いや正確には追いつかない、か。」
田中は日出屋を覆い囲むように「手」を出した。
が、日出屋にはかすりもしなかった。正確には、
その場から 消えて いた。
田「なんだと!どこ行った?」
日「こっちだハングサレ君。残念だが君が見る光はこいつが最後だ。」
田中はとっさに振り返ったが間に合わなかった。
多数の光弾のようなものが田中を貫き、田中は意識を失った。
田中の「手」を出せる能力は地面、壁などありとあらゆるところから出すことができる。大きさ長さも意図的に変えることができ、細くして相手を拘束したり、太くして火力をあげたりできます。
因みにサインの父と母の名前はションとパーミです。




