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ソロキャンにて  作者: oga
2/2

「えー、続いてのニュースです。 現在も逃亡……」


 俺は、ラジオを回してFMの音楽番組にチャンネルを合わせた。

聞いたことの無い洋楽が、ステレオから流れてくる。


「もう少しで着くハズなんだけどな」


 俺の名前は糸国レイ。

最近、ソロキャンに目覚めた都内の学生(17)だ。

親の車をかりて、あまり知られていないキャンプ地に向かっている。

以前、友達とキャンプに行った際、あまりの人の多さにシラけたが、偶然、隣り合わせたキャンパーからその場所を教えてもらった。


「都内近郊にあって、まだ知らない人ばかりだから、スゴい空いてるんだよ」


 もう間もなく、そこに到着する。

つい30分前まで、アパートやらマンションやらが建ち並んだ通りだった。

それが突然、森の中だ。

カーナビが、目的付近に着いたことを告げた。


「……すっげぇ!」


 車から降りて、俺は目を疑った。

邪魔な人間は一人もいない、真っ平らな平野。

俺は、思わずその場に寝転び、空を仰いだ。

これだけ視界が開けてりゃ、夜空もキレイに違いない。


「彼女がいりゃ、ぜってー連れてきたわ」


 もし気になる女子ができたら、ここに連れ出そう。

考えててたら、何故かニヤニヤしてきた。


「っと、んなこと考えてる場合じゃない!」


 俺は、車からテントの道具を取り出し、準備を始めた。







 ソロキャンは今回が初めてで、少し大きめのテントを持って来てしまった為、張るのに時間がかかってしまった。

もう夕方だ。

すぐにメシに取りかからなきゃならない。


(初めてキャンプした時も、テント張って昼作って、すぐまた夕飯だったっけな)


 今度からは一人用で、張るのも楽なテントを持ってこよう。

近くに川もあるらしいから、釣り竿を持って来るのもいいかも知れない。







 ガスコンロで水を沸かし、インスタントラーメンを投入。

具材はキャベツと卵だけだが、これが妙にうまい。


「はふはふ…… んめぇーっ」


 俺は、夜空に向かって叫んだ。

いや、マジで、こんなうまい札幌一番は存在しないだろう。

札幌どころか日本一だ。


「っと……」


 こんな時に、俺は尿意を覚えた。

しかも、我慢出来ないやつだ。

ここを教えてくれたキャンパーの話じゃ、近くにトイレがあるって話だけど。


「……アレかよ」


 暗闇の中に、蛍光灯で照らされた公衆トイレがある。

人っ子一人いない闇夜の公衆トイレ。

ただただ、不気味だ。


(ダメだ、漏れちまう!)


 俺は、尿意に負けてトイレに向かった。

中は、立ちション用の小便器と、大の個室がある、典型的なトイレだった。

が、


(大の方、誰か使ってやがる……)


 扉が閉まっている。

鍵の所が赤になっているから、間違い無く誰か入っている。


(他に車は無かった…… よな?)


 俺は、早く用を足してしまおうと、小便器の前に立って、ズボンのチャックを下ろした。

その時だった。

個室の扉が開いた。

チラ、とそちらに目をやる。

心臓が、跳ね上がった。


「……」


 出てきた男の手には、血まみれの包丁が握られていた。






終わり


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