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みんなで朝ごはん~修羅場~

朝6時30分いつものように起きてから洗面台に顔を洗いに行く。毎回思うが僕は寝汗がひどいのか?毎回顔がベトベトで気持ち悪いと思い水で顔を入念に洗った。タオルで拭きふと、鏡で自分の顔をみた。そこには甘栗色の髪が肩までのボブヘアーで毛先がふわっとした感じにパーマが当てられていた。ゆるふわパーマというやつだ。クリクリな目に小さな鼻と口。口の下と目元にほくろがある。なんか妙にエロいな。ていうかまて、僕の見た目凄く女の子みたいだ。

「かっこいいというより可愛いに寄っているような。ま、大丈夫か!美容師さんもいいって言ってたし家族も見違えたっていってたもんね!」

僕は一人納得していると足元をチョンチョンと引っ張られる。これは

「まーくん、おあよー!だっこー」

天使のお目覚めだ。僕はお望みの通り抱っこして一緒に鏡の前にきて美星の顔を洗う。これは朝の恒例行事。なぜか美星は僕にやってほしいみたいだ。かわいいなー全く。

そして二人してリビングに行くとすでに家族全員が揃っていた。いつもみんな早いよなー。でも毎回みんな寝不足気味なのはなぜだろう。もうちょっと寝ててもいいのに。


「おはよー。お母さん、お父さん、夜空、朝姉。」

そう言うと四人は僕と美星に視線を向けてきた。この視線は毎回だが蕩けたような目でみてくるから僕は戸惑う。なんの視線なの?美星の可愛さによるものならわからなくもないけどね。

そして家族揃っての朝ごはん…………なんだけどこれも毎回だが誰がどこに座るかで僕と美星以外で言い合いが始まる。どこでもいいじゃんと毎回思うがここでいつも美星が

「みー、マーくんのおとなりにしゅるー」

この一言で解決した。まるでみんなが美星に僕の隣を譲るみたいに。美星の隣じゃなくて僕の隣がいいの?わからない。僕の前の席に座った夜空がじーっと僕の事をみていた。

「う?どうしたの、夜空?」

べつにーと言って頬を膨らませていた。その横で朝姉も僕に視線をむけていた。

「えっと朝姉?なに?」

「真昼、お姉ちゃんが卵焼き食べさせてあげようか?」と言ってきた。今日から僕は高校生になるというのにまるで小さな子供に向けるような目でそんな事をいう。この発言で母、父、夜空の三人が血相を変えて次々に

「真昼ーお母さんが食べさせてあげてもいいのよー

ね、はい、あーん」

「真昼、お父さんの方が綺麗に取れたからこっちを食べた方がいいぞ。ほら」

「お兄ちゃん!今日は私が作ったから私のをたべてよ!」

「ちょっと!3人ともなにいってんの?私が最初に言ったんだから私でしょ?ね、真昼?」

といつもよりも騒がしくなってきてどう静めようと思っていると右腕が引っ張られた。横を向くと美星があーんといってフォークで刺した卵焼きを僕に向けてきた。これは美星の勝ちだね。

「あーん。うん!美味しい。ありがとね美星」

といって美星の頭を撫でた。美星も嬉しいようでえへへと可愛く笑ってその後も美星からのあーんでお腹いっぱいになった。その様子を羨ましそうに見ている四人には気づかず………いや、気付いているけどめんどくさいから無視だね。

朝ごはんも終わり、歯を磨いて新しい制服に袖を通した。なんか嬉しい気持ちだ。今日から僕は高校生なんだと実感が湧いた。制服に着替えてリビングに戻ると四人がスマホを片手にパシャパシャと撮ってきた。少し恥ずかしかったけど四人があまりにも嬉しそうなのでされるがままになった。


「じゃあ、いってくるね!」

僕は昨日の美容師さんとの約束のため少し早く出ることにした。すると後ろから

「え、真昼。お姉ちゃんと一緒にいこうよ?せっかくだし。」と昨日の話を聞いてない朝姉が言ってきた。

「ごめん、朝姉。今日は美容室で髪とかセットしてもらう約束してるから先にいくね!明日から一緒にいこ、ね?」

僕が申し訳ない気持ちで小首を傾げながらお願いした。すると顔を若干赤らめた朝姉が

「…………かわいすぎ」

ブツブツ何かいいながらわかったといってリビングに戻っていった。何言ったんだろ?ま、いいや。

すぐに切り替えて美容室に行くため家を出た。

真昼が出たあと家では先程の小首を傾げた姿を写真にちゃっかり収めた朝姉は自慢するように家族にみせ、母、父、夜空が悔しみのあまり吐血したことは真昼には知る由もない。

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