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電子狐になりまして  作者: きつね耳モフモフ
開始編
65/106

嬉しさは態度に出やすいらしいです。

以外な所で意外な効果が

梃子の原理と云うモノをご存知であろうか。

軽い力で重たい物を動かす事が出来るというあれである。

VR介護ロボでのアシスト機能にもそれは組み込まれている。


 体位交換とかベッドからの移動からお風呂やらいろいろ。

意外と使う場面の多いそれは最初はめっちゃ機械的で

利用者に使われてる感覚が酷く不評だったらしいけど今は違う。


 精神感応。某国民的ロボットアニメの用語が宛てられるそれは

介護ロボットの動作をもより人間的にする事に成功した。

言うなれば使う側の個性が全面に出るという事でもある。


 私が遠隔アルバイトでの介護ロボの中の人として

お声が掛かりやすいというのはつまりはそういう事でもある。

使われる側だってより人間っぽい方を好むのは当然の理なのであろう。


 無論、学習装置とやらで全国的な平均化は図られてる様だが

ある意味敏感な先読みセンサーは時として使用者の機嫌すら再現する。

だからいつも同じ様に振る舞っている心積りでも相手に筒抜けだったりする。


 真に残念な事にこのバイトは一種のタイムアタック型競技でもある。

プロレスもどきな技を駆使して利用者の方をベットや車椅子から

素早く移動させる事を主目的としている以上接触の機会は多いのだ。


「はいおつかれ様。最近何か良い事あったの?」

と機械の調子すら見抜いてるんじゃないだろうかという利用者の方の

労いの声が掛かる位なのだからそれは相当なモノなのではあろうけど。


「あ。いえいえそういった訳でも無いんですけどね。」と向き直った

介護ロボがベッドに座る利用者へと屈み込みつつ答えている。

画面越しとはいえ顔見せも介護ロボの大事な機能の一つではある。


 この場合の操縦者、すなわち中の人の動作は完全には再現されてはいない。

無駄な動きは利用者にとっても脅威でしかないのでそこは当たり前だ。

髪の毛もないのに自らの頭をポリポリ掻いたりする機能までは要らないし。


 あははは。とつい目線を相手から逸したけれど、まさかこのバイトの体験が

ゲームでの狐さん退治にも役立ってただなんて私の口から言える訳ないし。

適当に誤魔化しておいたけどちょっと浮かれすぎてたかな?

敵勢NPCな狐さん達が掛けられてたのはスープレックスホールド的な何かだったと言う事でここは一つ。利用者の方は間違っても投げられませんのでご安心を。

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