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電子狐になりまして  作者: きつね耳モフモフ
開始編
64/106

襲われてるのはどっち!?

戦闘シーン・・・なのかな?

ピンと立った茶縁の三角耳に太めの尻尾に白い筆先に。

白い胸毛に魅惑の詰まったそのボディはスレンダーで。

猫の瞳を持つ犬の様なその四足の子のお名前はというと。


        狐さんです。


 狐狩り的なクエストもあるのではと云われる

そのエリアにはなるべく近寄りたくは無かったんだけれど。

狐スキーとしては行ってみたくなるのが本能というか・・・


 私の中の狐センサーがこっちだよ。こっちだよ。と

囁きにもならない不思議な導きというか直感によって

気が付いたらごく自然な感じで彼?とごたいめーんしてました。


 嫌味か?嫌味なのか!?運営さーん!?

結音(きつね)に狐さんを倒せとおっしゃるのか!?

そりゃまぁ確かに相手は敵勢NPCなんだけれどもさっ!!


 「コニャーーッ(怒!!」

あーはぃはぃ、分かりますよー。貴方もそれがお仕事ですもんね。

「こ、こにゃーーん!(ひぃぃぃぃ。」


 大人な体格の狐さんの威嚇の前に紅狐の子供はタジダジです。

丁度親別れして旅立った位の子狐になんて無茶をっ

・・・え?違う、そこはそうじゃないだろって!?


 私だって分かってますって。敵勢NPCである以上は、

例え相手が可愛い子狐だろうと襲ってくる敵だって事位は。

うぅぅぅ。出来る物ならば「テイム」とかして連れ帰りたい。


 そんなスキルは今の所、生えて来たりはしそうもないですけどね!

私が出来る事と言えば。襲ってくる彼を『受け止める』事位。

そぅ。こういう時だからこそ、物理的交渉術が生きるのですっ(くわっ)。


 先制攻撃を仕掛けて来た狐さんNPCの突進を立ち上がって

前脚で抑え込む形で『迎え入れ』て勢いに引きづられる形でいなします。

体格差と運動エネルギーのせいでドタバタ三昧になっても構いません。


 他人が見れば狐さん同士の格闘にしか見えないだろうその光景も

私にとってみれば言わば『天国』です。

なんせVRですから相手は毛並みも毛触りもモノホン並み再現で。


 多少噛まれようが引っ掻かれようが、そんなモノはどーでもいい。

今この瞬間だけは好きなだけ相手をモフれるのですからっ!!

ふはははははっ!思う存分私の前脚の中で暴れるが良いわーーーっ。


 画して黄色と赤色の組んず解れぬ一進一退の攻防は

暫くの時間を経て地に転がる赤い子狐の方に軍配が上がり、

敵勢NPCだった狐さんは立ち上る光の粒へと還っていく。


 むく。と4つ足で立ち上がった赤い子狐の目は、

物足りぬという意思を体現するかの様にギラギラと光り輝くと

次なる目標を探すべく、森の中へとその歩を進めていく。


「邪魔よっ!!そこ退いてっっ!!」ドスッ!ドカッ!!モフモフモフ!

「グギャーッ!?」「グエーッ」「「コニャーーン!?」」」

立ち塞がる魔物達をものともせず彼女の歩みはもはや止められない。


 ボロボロで街に帰って来た彼女の顔は実に満足げだったと云う。

どうせ倒すのならば堪能してから倒す!方向で落ち着いたらしい結音さんでした。

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