表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/108

『最強』と料理人

「いや、本当あれはビビった。ヤバかった」

「大変だったな」


 俺こと永峰一斗が恐ろしい双子に遭遇した数日後のこと。

 今日は今日で、面倒なことに情報屋・居上正哉に遭遇した。

 しかしその隣に、今日はいいやつもいたからよしとする。


「ま、食って元気出せ、ほら」

「マジ感謝、阪谷(さかたに)の料理マジ好き」


 両手を合わせて、深々と礼をする。

 そんな俺を見たそいつ、阪谷佳音(さかたに かいん)は、呆れたように笑った。


「彼女作って料理してもらえばいいのに」

「俺にそんなもん作れると思うか」

「「ああ」」

「二人そろって納得してんじゃねえ」


 軽く睨んでやれば、二人そろって爆笑しやがる。

 何か腹立つ。


「にしても、阪谷の料理マジ美味い。なんでお前の料理こんなにうまいの」

「それは俺の能力がそっち方面だからだろ」

「え、そうなの」

「そうそう。料理にだけ特化した能力。それ以外には全く使えない」


 自嘲するように苦笑して、阪谷は自分の作った料理をつまむ。

 満足できる出来だったのか、その表情はすぐに和らいだが。


「居上もさ、情報蓄積系の能力だから」

「へえ、だから情報屋なんてやってんのか」

「そう。やっぱり能力は活かしていかないとな」


 にぱにぱ、相変わらずの満開笑顔で、居上は言う。


「……へえ」


 そういう、戦うことにまったく関係のない能力もあるのか。

 そんなことを思いながら二人の顔を交互に見ていたら、二人はそろって首をかしげた。


「何だよ、永峰」

「どうかした?」

「……別に」


 美味い飯をもりもりと食べながら、考える。


 俺の能力の活かし方って何だろう。

 それ以前に、俺が能力を活かすためには、どうやってこの能力を制御すればいいんだろう。


「課題はいっぱいだなぁと思ってよ」

「まあよくわかんねーけど、いろいろ頑張れ」

「おー」


 適当な励まし方をされたので、適当な返事を返しておく。


「ちなみに永峰、お前がさっき言ってた双子についての情報がここにいくつか」

「いらねえ。もう二度と関わり合いにもなりたくねえ」

「えー、そういうこと言うなよ。情報持っておいた方が回避しやすいってこともあるぞ?」

「お前また情報料とか言ってなんかおごらせるだろ」

「もちろん!」

「じゃあいらねえ」


 そう何度もおごりはしない。

 居上は不服そうに唇を尖らせて俺を見ているが、知ったことか。


「じゃあ居上、その情報は俺が買うよ」

「阪谷」

「報酬は俺の手料理で何とかならないか?」

「……おっし、商談成立!」


 また嬉しそうに笑う居上。そして阪谷も俺に向かって笑う。

 なんだかんだ、こいつらはお人好しの部類になるらしい。


「えー、石動黒斗、白斗。俺たちの同級生です」

「意外と近い!!」

「『最強』の情報は俺が流しました」

「嘘だろ!?」


 勘違いでした。

 どうやら俺が最も警戒すべき人物は、この居上正哉らしい。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ