『戦争』、動く
「おう、ようやくきやがったな!」
「てめえらが来たんだろ、俺は招いてねえよ」
「うっせ! おい、一高のあいつはどうした」
「ここ、ここ! よっと、……おう! 来たぜ」
「なんかよくわかんねえ間に戦争が始まった感じになってんだけど」
「そもそもは二高だろ! 何だあの情報の送り方、チェーンメールかよ」
「あれ送ったのは俺じゃねえよ、三年の先輩だよ!」
「知るか! 仕掛けてきたのは二高ってことで間違いねえだろ!」
「それ言ったら一高も二高に仕掛けて来てんじゃねえか!」
「あれは三年の先輩が勝手に」
「ならこっちも三年の先輩が勝手にだろ、お互い様だ!」
「それより、言いたかねえんだけどさァ」
「あ?」
「んだよ」
「明らかに三高は被害者側じゃね? 奇襲受けすぎじゃね?」
「それはドンマイ」
「おいコラ」
「もうこうなったら仕方ねーよ」
「ああ、もうルールだのなんだの言ってる場合じゃねーよ」
場所は三座川高校・校門前。
図書館での小競り合い以来、日数にして一週間ぶりに、『発端』の三人が顔を合わせた。
一高『発端』、三崎拓史。
二高『発端』、芹沢悠馬。
三高『発端』、桧山颯太。
三人は顔を見合わせ、深く息をついた後、それぞれがそれぞれに、武器を向けた。
「最低限のルールを一つ。最後まで『誰か』が立っていた学校が勝者。どうだ?」
芹沢に短刀を向けるのは、三崎。
「それが一番わかりやすいな。全員参加できるし、誰も文句ねえだろ」
桧山に薙刀を向けるのは、芹沢。
「あとついでに、器物破損に関しては負けたとこで弁償してもらうからな」
三崎にトンファーを向けるのは、桧山。
「んじゃ」
「ああ」
「戦争開始、だな」
響く金属音。
引き金となるには充分の音量。
先頭が動き出したのはその直後。
二高軍勢の最後尾で、皇牙はまた小さく笑った。




