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バットラ!~Battle Triangle 三校対抗全面戦争~  作者: くつぎ
第九章 その少女、『幻影』
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『幻影』、思い出す

「忍者みたいだね」

「一緒にしないでください。これは所詮『手品』なんですから」

「いやいや……手品の域は軽く超えてるでしょ」


 生徒会室内、視線を巡らせる千里。

 どこを見ても、どちらを向いても、灯熾の姿がそこかしこにある。

 内心で混乱しながら、千里はもう一度刀を構えた。


 ぱしゃり。

 水が跳ねる音に、振り向きざま刀を振るう。

 確かな手ごたえ……かと思いきや、真っ二つになって落ちたのは分厚いファイル。


 ぱしゃ、ぱしゃ、いろんなところから聞こえる水音に、千里は辺りを見回す。時々飛んでくるのは、ノートだったり、ペンだったり、はたまた座布団だったり。


「うわー、君も相変わらず性格悪いね」

「そういうわけじゃないですよ」


 灯熾の声が聞こえてきた方向に、炎を飛ばす。

 ぼっ、と音を立てて燃えたのは、観葉植物。


「基本的に戦うことは好みません」


 次に聞こえた声に炎を飛ばせば、段ボール箱が燃える。


「さすがにこれ以上器物破損をされますと困りますので」


 声がした方向に振り向いた直後、ごつっ、と後頭部に何かがぶつかる感覚。

 がくり、千里が膝をついた瞬間、水浸しだった生徒会室からは水が消え、散らかり放題の生徒会室に変わった。


「これでチェックメイトと言うことで、ご勘弁願えませんか」

「……うわぁ……まさか過ぎて現実を受け入れたくない」


 千里の後頭部に突き付けられたのは、教師が板書に使うような三角定規。それを持ったまま、灯熾は怪訝そうに眉をしかめる。


「灯熾に負けるとか屈辱すぎる。本当、やってらんないよ」


 くるり、振り向いた千里は、灯熾に向かってにこりと笑って見せた。

 その笑顔に、灯熾はきょとんと目をしばたいた後、小さく吹き出した。


「何笑ってるの」

「ごめんなさい。今、思い出した」


 くすくす、楽しそうに笑った灯熾は、くしゃりと千里の頭を撫でた。


「元気そうだね、千里にーちゃん」



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