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バットラ!~Battle Triangle 三校対抗全面戦争~  作者: くつぎ
第八章 その男、『神官』
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『神官』、止める

 『極神』・竜崎帆風。対するは、『怪力』・神川和樹。


「始めようか」

「始めましょうかー」


 互いの距離を詰める一歩、二歩、三歩目。

 がきんっ、という金属音に、周囲から小さく悲鳴が上がった。


 帆風の手に握られているのは、槍。和樹の両腕を覆うのは、手甲。

 二人は互いにもう一度距離を取ると、改めて向かい合った。


「防御力が高そうだね」

「そっちはイマイチ攻撃力低そうですねー」

「はっはー。舐めてもらっては困るよ」


 槍を構え直して、軽く腰を落とす。

 ふわり、風が和樹の頬を撫でたその一瞬。瞬きをしたほんの一瞬の間に、帆風の姿が視界から消えた。


「!? なっ」


 一瞬にして、真上。圧倒的速さ、そして跳躍力。

 ギリギリのところで飛び退いた和樹のいた場所に、帆風の槍が刺さる。それと同時に、地面を走っていくヒビ。


「ちょ……これは思った以上に、ヤバいのでは……」


 和樹の笑顔が引きつる。

 ゆらり、顔をあげた帆風は、にやり、楽しそうに笑った。


「楽しいね!」


 くるくる、槍が回る。再び、風が吹く。視界から、帆風が消える。

 和樹ははっと顔をあげると、焦ったように両腕で顔をガードした。

 がきんっ、がきんっ、金属同士がぶつかる音が響く。


「帆風!」


 架月が声を上げたのと、和樹の手甲にヒビが入ったのは、ほぼ同時。

 ヤバい、と和樹の意識がそれたその一瞬、帆風が大きく槍を振りかぶった。

 視界に入ったのは、こちらを見下す帆風の顔。直後、視界いっぱいに槍。


「マジか」


 ぽつり。そんな言葉を最後に、和樹は意識を手放した。


「やりすぎ」


 和樹が意識を飛ばした直後、攻撃が当たる寸前。

 呆れたように溜息をつく架月の手から伸びたツタが、帆風の槍に巻き付き、攻撃を止めた。


「気を確かに」

「……ごめん架月、暴走してたみたい」

「だろうね」


 ツタに巻きつかれたまま、帆風が架月を振り返る。

 架月が溜息をつけば、帆風がへにゃりと笑う。


 『極神』の暴走を唯一止められる存在。

 それが、彼が『神官』と呼ばれる所以である。



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