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バットラ!~Battle Triangle 三校対抗全面戦争~  作者: くつぎ
第五章 その男、『時刻』
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『時刻』、提案

「……ぶはっ」

「笑うな」

「いや、ごめん、まさか過ぎてうけ、げっほげほげほっ、むせた」


 笑いすぎて咳き込む桧山を横目に、仁時は小さく溜息をついた。


「初恋! 仁時の初恋! うける」

「うけんな」

「やべーじゃん仁時、そいつ来たらどうすんの、お前戦えないだろ」

「うん、無理。だからそこは他にお任せしたい」


 ごろん、と寝返りを打つ仁時。

 桧山は笑いすぎた涙目のままメモ帳をめくり、仁時の方を見た。


「大丈夫だ、問題ない」

「そうかい」

「とりあえずは、そうだな……お前、従妹には勝てる自信あるか?」

「ねーな」

「『神官』には」

「……ねーな」

「……お前、誰になら勝てんの?」

「お前には勝てる」

「俺、敵じゃねーよ。まず戦えねーし」


 参った。

 困ったように小さな溜息をついた桧山は、もう一度メモ帳に目を落とす。


「あ、でもたぶんだけど」

「あん?」

「俺が勝てなくても、あいつが参加するなら大体なんとかなるんじゃねーの」

「あいつって」

「ほら、一年の女子でさぁ……何だっけ」


 思い出せそうで思い出せない、とでも言うように、うろうろと手を動かす仁時。

 その動きを見ながら首を傾げた桧山は、やがて何か思い出したように、口を開いた。


「『百式(ヒャクシキ)』?」

「そうそれ! 斑鳩奈音(いかるが なおと)!」

「あの子か。そういえばまだ声かけてなかったな」

「あいつがいればまさに百人力」


 がばっと起き上がった仁時は、楽しそうに笑みを深めて、桧山の顔を覗き込んだ。


「お前、よくわかったな?」

「まあ、仁時の考えてることなら大体は、な」

「さっすが親友」

「褒めても何も出ねーぞ」


 がさごそ、桧山がポケットを探る。

 仁時が掌を上に向けて手を出せば、桧山がその上に何かを乗せる。

 のど飴、だ。


「おばあちゃんかよ」

「うっせ」

「いただきます」


 にんまりと笑う仁時に、桧山もつられたように笑った。



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