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バットラ!~Battle Triangle 三校対抗全面戦争~  作者: くつぎ
第三章 その男、『審判』
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『審判』、聞く

「そういうわけだから、あんまり期待しないでね。勝てなくても怒らないでね」

「いや、俺に怒る筋合いなんてないですよ」


 病院からの帰り道。

 困ったような笑顔を浮かべたまま、飛鳥と芹沢は言葉を交わす。


「とはいえ、何もせずに負けるつもりは毛頭ないからさ。一年生の中に強い子がいないか探してみようと思うんだよ」

「あっ、俺も友達に心当たりないか聞いてみます!」

「よろしくね。もし誰か思い当たる子がいたら教えて」

「わかりました! では、俺はここで!」


 深々と頭を下げてから、角を曲がっていく芹沢。

 その後ろ姿をしばらく見送ってから、飛鳥は小さく溜息をついた。


「さて、参ったな」

「ほんまにな。えらいこっちゃで」

「うわっ、いつの間に横にいたの」

「あっはは、いつもながらええリアクションやなぁ、生徒会長!」


 ゲラゲラと笑うその男に、飛鳥はガシガシと頭を掻く。


 西崎皇牙(さいざき おうが)。戦えはしないが、漫才に対する愛は誰にも負けないと自負している……などと誇らしげに語る、飛鳥の同級生である。


「んで、なんやっけ。全面戦争?」

「そう。皇牙も行きたい?」

「行くわけあらへんやろ、俺まったく戦われへんもん」

「知ってる」


 歩き出す飛鳥の後ろに続いて、皇牙も歩き出す。


「あーあ、誰かもう一人くらい、俺レベルで戦える子がいたらいいんだけどなぁ」

「お? 心当たりならあるで」

「えっ、本当に!?」

「俺の情報網なめんなや?」


 にかっ、と楽しそうに笑う皇牙。

 飛鳥は一瞬、皇牙の後ろから後光が差しているような錯覚を覚えた。


「ははぁ~……皇牙様」

「あかん、会長がご乱心や」

「それで、誰? どんな子? なんていう子?」

「ほんで一気に聞くんかい、ちょっと落ち着きや」


 ポンポンと飛鳥の肩を叩いてから、皇牙は携帯を取り出す。


「確かこの間、連絡先交換を、と、と、おったおった。この子やこの子」

「神川和樹(かみかわ かずき)……男の子?」

「いんや、女の子や」

「え、嘘」

「いやいや、ほんまほんま」


 そう言ってへらりと笑いながら、皇牙は言った。


「『怪力』いうて、呼ばれてるらしいで」


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