水着回
ある日、庭の一角にある家庭菜園で野菜を収穫していると、フォルがダッシュで俺の元に来た。
「カイト、海に連れていってください!」
なんだよ、藪から棒に。でも、海か……、前世では女の子と海水浴なんて行ったことなかったなぁ。行ってみるか!
「ノエル、人がいない綺麗な砂浜とか、どこかにない?」
「見つけたよ。今から行くの? レイナに位置情報を渡すね」
ノエルの情報検索の速さは、グー〇ル先生も真っ青だろう。
「レイナ、全員で海に……」
俺がレイナに頼もうとすると、フォルが割り込んできた。
「海に行く前に、水着を買わなくては! まずは街に行きましょう!」
「それもそうか。レイナ、お願い」
「承知しました」
レイナの転移で、全員揃ってアーリキタの街に来た。
女性衣料品を取り扱っている店が多い区画に行くと、それぞれ散らばって水着を選びに行った。
みんな気合いが入ってるなぁ。
俺は適当に短パン型水着を買うと、カフェのテラス席でジュースを飲みながら、遠巻きに彼女たちを眺めていた。
「カイト、買い物終わったわよ」
マユに肩を揺すられた。どうやら居眠りしていたみたいだ。空はもう赤くなっている。
せっかく街に来たので、久しぶりにテンプーレ亭で食事をしてから屋敷に帰った。
――翌日。
朝から海に転移した。
遠くまで続く白い砂浜。エメラルドグリーンの海。青い空と輝く太陽。絶景だ。
アイテムボックスから取り出した、パラソルとサンラウンジャーを設置して、背もたれに体を預け、トロピカルな色のドリンクを持てば雰囲気は満点だ。
みんなは水着に着替えてくると言って、木が茂っている方に行った。
しばらくすると、着替えを済ませた子から順に戻ってきた。
アイリ「えへへっ、似合うかな……?」
クレア「カイト様! 見てください!」
ノエル「たまには、こういうのも悪くないわね!」
フィリス「カイトもこっちにおいでよ」
マユ「……どう?」
リーゼ「あんた、こういうの好きでしょ?」
レイナ「カイト様、綺麗な海ですね……」
フォル「カイト! いきますよ!」
フォルの打ったスパイクが、俺の顔面に命中した。痛くはないが、イラっときた。
「よくもやったな!」
俺が投げたボールをフォルがひょいっと避けると、逸れたボールはノエルの背中に当たった。彼女はボールを拾って、ゆらりと俺を見る。
「フフッ、この私にボールを当てるなんていい度胸ね?」
ノエルの魔力を込めたスバイクが俺の腹に命中し、弾き飛ばされた。みんなは笑いながらそれを見ている。
「ビーチバレーやってるー! 私も混ぜて!」
「面白そう! 私も!」
「そういうわけでは……」
体が半分くらい埋もれてしまったので、砂から這い出していると、みんなが駆け寄ってきた。
「カイト様とペアがいいですー!」
「私の必殺ショットをお見舞いするわ!」
みんな思い思いのことを口にしながら、はしゃいでいる。
バレーじゃなくてドッジボールになっているが、彼女たちは楽しそうなので、良しとしようか。八人の超絶美少女の水着姿を、間近で拝めたのも嬉しい。
こんな光景、転生しなければ絶対に見られなかった。辛いこともあったけど、この世界に来ることができて本当に良かった。
美少女たちに囲まれて、もみくちゃにされながら、そんなことを思うのだった。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!




