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欲張ってチートスキル貰いすぎたら、ステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します  作者: ゆさま


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レベル上げ(後編)

 ――翌朝。


 窓から差し込む柔らかな光を受け、心地く目が覚めた。


 両隣には二人の美少女が横たわっている。昨夜の出来事が脳裏に蘇って、胸の内が熱くなった。


 そうだ、俺はこの二人と……。


 マユの睫毛が微かに震え、ゆっくりと瞳が開いた。


「カイト、キスして」


 まだ夢の中にいるような、とろけるような声。おねだりに抗えるはずもなく、唇をそっと重ねた。


「カイト様、私にも……」


 後ろから聞こえる控えめな声。振り返ると、クレアは熱を帯びた瞳で俺を見つめている。その愛らしさに胸が締め付けられ、クレアにもキスをした。


 夢の一つが、確かな手応えを伴って現実になった。


 胸がいっぱいで、叫びたい気分だ。こんなの、前世では味わったこともない。これが達成感なんだろうか?


 もう一つの目標である、俺Tueeeも実現してみせる。そのためには、まずはザッコスに勝たないとな。


 俺はベッドから這い出すと、拳に力を込めて気合を入れた。




 * * *



 

 朝食を済ませ、ダンジョンに潜る準備をしているとクレアが尋ねる。


「今日もカイト様に変身をした方が良いのですか?」


 クレアのレベルも上がってるはずだし、今日は俺に変身しなくてもいけるんじゃない?


 頭の中でノエルに確認してみた。


「効率でいうとカイトに変身した方がいいけど、無理じゃないよ」


 それなら俺の姿でいるより、可愛いクレアの姿でいる方が、俺のやる気は出る。多少の戦力ダウンがあったとしても、むしろ効率は上がるだろう。


「変身しなくていいよ。クレアの姿のままで行こう」


 クレアは「はい」と返事して着替えはじめた。クレアの全部を見てはいるものの、目の前で着替えられるとちょっと困るな。




 準備を終えた俺たちは、冒険者ギルドに移動した。ギルドに設置してあるポータルからダンジョンに飛べば、時短になるからな。


 ダンジョン内に直接転移する人はそれほど多くないのか、ポータル施設内は空いている。便利だがお金がかかるので、ある程度の収入が見込めなければ使わないのだろう。


 二十階層は3万イェン、三十階層は10万イェン、四十階層は50万イェン……と高くなっていく。四十階層なんて三人で行くだけで150万イェンもかかるのか。


 ノエルのおかげで100万イェン以上の収入は見込めるので、今日はポータルで二十階層へ行き、そこから三十階層を目指すか。




 ポータルを使って、ダンジョン内に移動した。


 二十階層ともなると人はほとんどいない。他の人を気にしないで狩りができそうだ。


 サイクロプスは、昨日さんざん倒したのでもう慣れた。出てきた奴から順に切り捨てて進んでいった。




 順調に奥へと進み、現在二十五階層。


 ここのモンスターはケーブスコーピオ。全長2mほどのサソリ型モンスターで、堅い外皮に覆われ、両手にはごつい鋏があり、毒を持った尻尾がある。


 何度も切らないとダメージが通らないので反撃を喰らってしまうが、アイギスの盾は毒も完全防御してくれるので安心だ。


 マユとクレアはそうはいかないので下がってもらう。


 マユの聖光を受け続けているエクカリバーは徐々に力を取り戻しているらしく、クレアが振ると刃から煌めく星が飛び散ってモンスターを斬り裂く。


 俺が必死に戦ってようやく一体倒せるケーブスコーピオも、クレアの一振りで数体倒している。


 マユの神聖魔法は、この階層のモンスターでも一発で蒸発させるほどの威力だ。


 不意に囲まれても安心ではあるが、何ともやるせない。


 ケーブスコーピオを倒すと、手のひらに収まる程度の大きさのコアが落ちる。これは高く売れそうだ。




 三十階層に到着。この階層はこれまでよりも天井が高く開けた空間となっている。

 

 出現するモンスターはソードリザード。体長4~5mはありそうな巨体に、鱗の一枚一枚が剣のように鋭くとがっており、体当たりなどされたら、切り刻まれてしまうだろう。


 俺はアイギスの盾で無傷だろうけど。


 巨体に似合わない俊敏な動きと、剣のような鱗を撃ち出す攻撃のおかげで、近づいて斬りつけるのも難しい。何とか間合いを詰めて斬りつけても、硬い鱗を叩き斬るのはかなり難儀だ。


 俺が何度も剣を振り下ろして、ようやく一体倒していると、マユは神聖魔法でソードリザードの硬い刃の鱗をものともせず貫通して、一撃で消滅させている。


 クレアも離れた位置からエクスカリバーを振って光の刃を飛ばし、数回命中させると倒せている。


 倒すと「ゴトッ」と音を立てて、リンゴより少し大きいくらいのサイズのコアが落ちる。


 俺も二人に負けないように戦い続け、ソードリザードを倒し慣れてきたところで、ついにレベル45になった。


「ようやくザッコスと同じレベルだ」


 根詰めて戦っていたせいか、ジワリと疲労が滲んできた。目標のレベルに到達したことだし、帰るとしようか。


 あ、その前に、ノエルに聞いて高く売れそうな岩をアイテムボックスに収納しなくては。


 岩を収納してから、三十階層のポータルを使って、冒険者ギルドに帰った。




 * * *



 

 冒険者ギルドに戻ってくると、持ち帰ったものを査定してもらいに広場へ向かった。


 俺が持って帰ってきた岩を見て、鑑定おじさんは今日も驚いてくれた。


「この岩は、オリハルコンが多く含まれている!? あんたらこれをどこで?」


「三十階層でたまたま……」


「三十階層で、オリハルコンがこれほど含まれている岩石を発見できたのか? 運がいいな……」


 俺の顔をジッと見る鑑定おじさん。怪しまれている? でも不正はしていないので堂々としている。


「運がいいだけじゃないな。何か特別な探査系のスキルを持っているんだろう。これからも期待してるぜ」


 おぉ、ご名答。このおじさんも大勢の冒険者を見ているベテランみたいだから、分かるのかもしれないな。 

 

 コアも今までよりも高く買い取ってもらえたようで、合計で1200万イェンにもなった。インフレだ。


 受け取った金額に、マユは目を見開いて驚いている。


「ザッコスのパーティにいた時でもこんなに稼げなかった」


「マユもクレアも強いからね。俺たちならもっと稼げるようになるよ」


 クレアが片膝をついて、俺に頭を下げた。


「カイト様の御心のままに」


 君は王に仕える騎士なのか?


 心の中で突っ込みつつ、可愛いので頭を撫でておいた。




 * * *




 ――その夜、宿の部屋にて。


 ベッドに寝転ぶ俺の両隣りには、静かに寝息を立てる美少女がいる。さっきまで肌を寄せ合い、熱い吐息を交わしていたのが嘘のようだ。


 俺はなかなか寝付けずに、天井を眺めていた。


 明日はザッコスと決闘か。なんだか全く負ける気がしない。ノエル、実際どうなの?


「100%楽勝だね。レベルが同じでも、カイトは能力の上昇幅がケタ違いだからね。負けようとしても負けられないから」


 頭の中で響く心強い声。やっぱりそうか。


 あの時の悔しさを思い出し、ギュっと拳を握り締める。


 マユを突き飛ばし、酷い言葉を掛けて悲しませたザッコス。


 しっかりお仕置をしてやろうと、再確認したのだった。


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