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「カグヤと彼氏と日本史の謎」(セーラー服と雪女 第21巻)  作者: サナダムシオ


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㉗ カグヤの推理

 場面変わって、コチラは、無事に研究所の部屋に戻って来た二人。


 カグヤと成雪は、ソファに座って、まったりと旅の疲れを癒していた。

 そこでカグヤが、おもむろに成雪に向かって、語り始める。

「成雪、お疲れ様。さあ、約束の説明をするわね。」

「はい。是非お願いします。」


「結局、東洲斎写楽は、見つからなかった。そうよね?」

「はい。ボクなりに頑張ってみましたが…。」


「…見つかる訳が無いのよ。」

「えっ?」

「だって、アナタが、その写楽だったんですもの。」

「ええっ!?」


「さっき、一部持ち帰った、アナタの描いた似顔絵、見せてもらったんだけど…。」

「…はい。」


「もう、言い訳出来ない程、画風が写楽そのモノだったわ。」

「えっ、そうなのかなあ…。」

「本人に全く自覚が無いところが、何とも罪よねえ。」


「アナタは今日まで100余枚程の絵を描いた。」

「…はい。」

「それを劇場主から受け取った、版元の蔦屋重三郎が、浮世絵版画として仕上げていたのよ。」

「そうなん…ですね?」


「そして活動一年を待たずしての、作者の失踪。」

「ああ、ボクですね。」

「後半の作風の変化…は多分、贋作。」

「ボクが居なくなったから?」


「何より、写楽の正体とされている、人物の名前。」

「ボクは"十郎"と名乗りました。」


「一番有力な説は…能役者の、"斎藤十郎兵衛"と言われているわ…アナタの偽名に、アレコレ後から付け加えて、別人にしたんじゃないの?もちろん、諸説有るけどね。」

「そんなあ…。」


「ずっと気になっていた、謎の芸術家の正体が、実は自分だったなんて、皮肉よね?」

「う〜ん。ボクはナルシストなんでしょうか?」


「どうなんだろう?まあ、でも、自分の事を愛せないより、マシなんじゃない?」

 そう言って、カグヤが成雪を慰めた。


 そんな訳で、二人の初めての歴史探訪は、一定の成果を上げる事が出来た(?)のである。


 成雪はこの結果に、しばらくの間へコんで居たようだったが、少し時が立つと、またカグヤにお願いして来たのだった。


「実はボク、江戸時代にもう一人…いや、コンビだから二人か、気になるヒトが居るんですけど…。」

「もう、ヤメてよ?もしソレも正体がアナタだったりしたら、私、出るところに出るわよ?」


「えっ、どこに出るの?」

「…どこでもないわよ。言葉のアヤよ。それで…誰を調べたいの?」

 カグヤは、既にイヤな予感がしていた。


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