正義の味方は黒歴史
部屋に入り、ドアの鍵を締めると、ケンちゃんは、昨日と同じ…貫禄がある土下座を繰り出しました…
「ご…ごめんなさい。アムール君を傷付けました。私の身勝手な行動で…すみません…」
止めようと思ったのだが、これについては、私にではなく、アムールに謝ってるからなぁ…どうしよう…
って、は?
「ぼくも、きらいっていって、ごめんなさい」
ケンちゃんと一緒に土下座し始めちゃったんだけど…私、どうしたらいいわけ?
「ぁ…アムール君、私なんかに謝らないでください!私が全部悪いんです!」
「ぼくのせいで、けんちゃんないちゃったから、きっと、ぼくがわるいとおもう。だから、ごめんなさい。」
「いやいやいやいや!アムール君は悪くないです!私が悪いんです!」
2人とも自分が悪いといって、相手を思い合っている。そろそろ仲介にはいるか…
「はい。ストップ!次謝ったら、ケンちゃんには二度と会いにきません!アムールはそれプラス、サンドウィッチも2度とご飯に出しません!」
「それは嫌です!すぐ立ちます!」
「えーーー!それはやだ!けんちゃんと、いっぱいあそびたいし、ぼくさんどうぃっちだいすきなのに!ぼくもたつ!」
2人とも嫌だったみたいで、直ぐに立ち上がって、私に駆け寄ってきた…これから、喧嘩したり、なんかあったら、土下座されちゃ大変だ…
「今度から喧嘩したら土下座じゃなくて、握手かハグにしましょ!そのほうが、お互いに気持ちが伝わると思います!わかりましたか?」
「わかりました。」 「わかった。」
わかってくれてよかった…これから、関わっていくうちで、土下座の回避は大きい…
「で、ケンちゃんはなんで、あんな態度だったんですか?」
「けんちゃん…こわかったよ…」
「アムール君…その、父に冒険者ギルドのマスターたる者、威厳が無ければいけないと、物凄く怒られまして…人前では、出来るだけ無表情で、無口にせよと…言われまして…ギルドではそういう性格といいますか…」
また、父か…本当に振り回されてるんだな…性格まで変える様に指示されて…必死に頑張ったんだろう…
「なるほど…あれ?なんで、私たちには素なの?」
「普通に…限界だったんです…誰かに縋り付きたい気持ちでした…助けを求めたかったんですが、その術を全て父や弟にへし折られてしまいまして、恥ずかしながら、お二人を見た瞬間に涙が出てしまったんです…無意識にですが、助けてと願ってしまいました…」
「そうだったんですね…」
あの土下座は、単に謝罪だけでなく、心からのSOSだったのかも…
「んーとね、ぼくとけんちゃんはおなじたとおもうの!」
「?私と同じですか?」
「うん!ぼくもね、こわいひとにいっぱい、いやなことされてたけど、おねがいたすけてー!っておねがいしたら、ひーろーにたすけてもらえたんだよ!」
え…っそれって、あの…黒歴史ですか…?
「ヒーローですか?それは凄いですね!是非お会いしてみたいです!」
「?ここにいるよ!ぼくのひーろーはなぎだよ!なぎはせいぎのみかたなの!」
「…へ?」 「アムール…それは…」
「なぎのほんとうのなまえは、なぎうーまんなの!」
あーーー…言ってしまった…てっきり、覚えてないと思ってた…アムールを助け出した日は、必死で…そう!必死だったから!く…黒歴史ではない!ないはず!(T-T)




