キラキラの1年生
ケンちゃんに向き合うように、2つの椅子を持ってきて、2人で座ると、息を呑み、手をギュッと握った…なんていうか、チワワ?目がうるうるしてんですけど…
「お待たせしました。今日の販売は終わりましたので、お話を再開しましょう…」
「はい…お忙しいのに、お時間作って頂いて、すみません…」
「大丈夫です。用事って、ギルド職員に付いてですよね?本当にケンちゃんが謝る事ではないですよ」
というか、
何度も謝っているケンちゃんに、こっちまで、申し訳無くなってしまう…
「その、丁度その日は私の就任式でして…。なんといいますか、上の方の役職は全てこっちに参加していたんです…。」
え?就任式?
てことは、キラキラのギルドマスター、1年生ってこと?
「もしかして、その日からギルドマスターになったんですか?」
「え…っと、はい。父が自由になりたいと急に言いはじめまして、長男の私が引継ぐ事になったんです。私なんて、そんな器じゃないのに…」
しかも、父親の自由を求める欲求の生贄にされたわけだ…なんていうか、可哀想だな…
「そ…そうなんですか…」
「なので、その日はギルド自体に若い職員しかおらず、お客様にご迷惑を沢山かけてたみたいで…その中でもあなた方に特に酷い仕打ちをしたと、就任後に冒険者から聞きまして…。本当に申し訳ありません。」
申し訳ありませんとまた、頭を深く下げるケンちゃんに、胸が痛くなる…
とことん可哀想な人だな…
父親の身勝手で嫌なギルドマスターに就任し、ギルドに戻ると問題が沢山発生している。そして今、自分は悪くないのに、まだあまり関わったことがない部下の尻拭いをこうしてしてるのか…ここに来るまで、結構頭を下げたんじゃないかな…めっちゃ可哀想…
これって、何て言ったらケンちゃんは立ち直るっていうか、元気になるのだろうか…気にしてません。か?大丈夫です。でもないよな…どうしよ…
「けんちゃん、よくがんばったね!とってもたいへんだったでしょ?おつかれさまです。いいこいいこ!」
お!?アムールがナデナデだと!?うらやましい!
ケンちゃんの反応も、戸惑ってはいるが、ちょっと変わった!
「な…ぅ…私、頑張ってるって分かりますか?」
アムールがいつも私がしてあげる、いいこいいこを、ケンちゃんに続けていると、ケンちゃんは、控えめにアムールに質問している!卑屈から抜け出せるかも!アムールがんばってくれ!




