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十正義:持ち物検査と全身タイツ

短編書いてたら更新遅くなりました。


六時限目の授業が終わった。


美香の監視はどうしようかと考えながら、俺は静かに机の上に突っ伏して、寝たふりをしていた。


(悪屋へ向かうにしてもまず、全身タイツを着ないとな…)


そう思ってチラリとカバンを見る。

体操着に着替える時に、コッソリと全身タイツをカバンの中に隠しているからだ。


(もしこんなモノを持ってきていると知られたらマズイからな、ばれないように気を付けないと…)


そう考えていた矢先、教師が教室に入ってくる。

こちらを敵意のこもった目で睨みつけてきたのはご愛嬌だ。


「抜き打ちで持ち物検査をすることにする」


教卓に着くなり、教師がそう言う。


(なるほど、持ち物検査…)


…ちょっと待てえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?


顔を上げたい衝動を必死で抑え、動揺を隠す。


「特に、今日問題を起こした赤松、田中、佐々木は服装もチェックさせてもらう」


そう言って、教師は出席番号順に持ち物検査を始める。

どうやら、今朝のことに対する俺たちへの嫌がらせのつもりらしい。

しかし、俺にとっては嫌がらせでは済まないだろう。

全身タイツの事を聞かれて言い訳できる自信は俺には無い。


(出席番号順か、俺の順番が回ってくる前に何とか…)


赤松明

出席番号:1番


最初イチバンじゃねえかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?


「まずはお前からだ、赤松」


教師は俺の前に立ち、カバンに手を伸ばす


ヤバイっ!


俺は咄嗟に机の端を掴んだ。


「ああっ!手がすべったアァァァァァ!?」


机を持ち上げ、教師の顔面に思いっきりぶつける。

教師は鼻血を吹きながらうずくまる。


「な、何を…」


「せ、先生!?大丈夫ですかァァァ!?」


冷や汗をかきながら、慌てて教師に駆け寄り、机の角で思いっきり後頭部を殴る。


「う、うぅ…」


教師が鼻から血を流し、うめき声をあげながら起き上がろうとする。


「うあぁっ!?手汗がすごすぎて滑ったァァァァァァ!」


教師の服の襟をつかみ、背負い投げの要領で教室のドアに向かって投げ飛ばす。

ドアはアッサリと突き破られ、そのまま教師は教室から飛び出て、廊下の壁に頭をぶつける。

壁にハンマーで殴ったような亀裂が走り、教師は倒れた。


「大丈夫ですか先生!?」


俺が抱き起すと、教師は白目をむいて、ガクリと頭を垂れた。


「よしっ!先生は不慮の事故で倒れたから、持ち物検査は中止!」


「『よしっ!』って何よっ!?」


俺がガッツポーズをすると、美香に後ろからグーで殴られた。


・放課後


偶然にもホームルームは中止になり、俺は校内の自販機の前でタケシと卓郎と一緒にリンゴジュースを飲んでいた。


「自販機を使うなんて何年ぶりだろう…」


「明が突っ込まれるなんて何年ぶりだろう…」


「フハハハハハ!これが、これこそが知恵の実の果汁の味か!エデンの園に生える知恵の樹の果実、これを口にした人間はありとあらゆる知識を得ることができ、神にのみ許された全知全能の力をその身に宿すことが…」


「なあタケシ、ちょいと相談があるんだが…」


「おう、なんだ?なんでも言ってくれ」


俺はタケシに話を持ちかけると、タケシはずいっ、と身を乗り出して、興味津々と言った表情だ。


「協力者は何人集まった?」


「ざっと二十人。生徒会と風紀委員に話を通しておいた。二日後は警戒を強め、緊急時は彼らが責任を持って対処に当たるとよ。避難誘導の準備とか、戦闘の指揮を執るとか。充分だろ?」


「よく信じてもらえたな」


「簡単だよ、相手の弱みの写真をちらつかせれば簡単に首を縦に振ってくれる」


「サラリと恐い事言うよなお前!?」


必死に説得したと言うのかと思えば、まさか脅しで解決するとは…

なんて恐ろしい奴だ。


「じゃあ、教師は説得できたのか?」


タケシはジュースを一口飲んでから、肩をすくめる。


「それは明日にするつもりだ。信じてもらう為には証拠が要る」


「明日って、そんな悠長な事を言っている暇は…」


俺が反論しようとすると、タケシにピッと口に人差し指を当てられる。


「今の状況じゃあ無駄足だ。無意味に時間を潰すよりマシだぜ?それに、もしも情報源を追求されたら困るのは明、お前だろ?」


自信に満ちた瞳でこちらを見据えるタケシ。

俺は両手を上げ、降参の意を示す。


「それもそうだな、お心遣い感謝しますよ。で、もう一つの相談なんだが…」


そこで俺は口を噤む。

このままタケシに協力者集めをしてもらう間に、俺が美香の監視を行うことは、タケシも認めてくれるだろう。

しかし、いつまでも監視を続けている訳にもいかない。そして、俺が監視をする必要を無くすには…


「安心しろ明、お前の言おうとすることは解ってる」


「タケシ…」


流石、俺の親友であり幼馴染みだ。

俺の考えなんてお見通しってことか。

タケシはリンゴジュースを飲み干してから言う。


「間違いない、美香ちゃんは隠れ巨乳だ!」


「…」


タケシはやはり、タケシだった。

今回は「一悪」並みに雑な進め方ですね。

反省してます

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