第20話 「 とりあえず、夜は寝る。」
「それは、ノーカウントだぞ?。」
「・・・・・・・・・・・・。」
テーブルの上の船の設計図は帆船のようだが大きなものだった。
全長にして20メートルほどはありそうだ、マストは2本で横幅は6メートルって
人間は2人、いや3人かそれにサイズが可変するゴーレムとスライムやゴーストで
動かせるのかね?。
「でかくないかな、人員は4人だぜ?。ヨット位でもいいんじゃないかな。」
「初めはそう考えたがな、召喚した奴に聴くと海には海の魔物がいてこれが結構デカイらしいからな、10メートル前後だと一撃で沈むそうだ。」
そういいながらテーブルの上の紙を広げて、そこに簡単な絵を書いて説明してくれる。
「倍あれば耐えられる、いやいや的がでかくなって当てやすくなるだろう?。」
「普段は、自分より大きな獲物は襲わないそうだ。」
「普段って・・・。」
「さっきのお前のように興奮してると、見境なく襲い掛かってくるそうだ。」
「いや、俺が興奮じゃなくて、襲いかかられたんですけど。」
「喜べ、脱チェリーボーイ。だが私の男になれたと思うなよ。」
だめだこの会話が続くとまた脱線していく切り替えないとな。
「で、大陸の方向はわかったんですか?。」
そう帆船だろうが、ボートだろうが彷徨う為に漕ぎだすわけにはいかない。
「ダーくんが昼間に、高度300メートルまで上がって見回してくれたが、陸らしき影は見えなかったんだが・・・」
「だが?っといいますと。」
「夕方に呼び出せるようになった子がね、航路を案内できるというんだよ。」
「それ都合良すぎないですか?。」
「いや、そんなもんだよ。ところで可愛いぞ?。」
「何がですか?。」
「呼び出した娘がだよ・・・まぁ人魚とやれるのかどうかはわからんが、呼ぼうか?。」
「人魚ですか、てなんで俺がその娘とする前提なんですかーって召喚するんですか?。」
ここには水がないのになぁ~と思ってると水槽ごと召喚しやがった。
その中には確かに人魚がいた、下半身が人で上半身が魚の・・・。
「まじですか、ていうかこれだと魚人では?。」
「逆だとお前が使えないだろう?。」
そう言いながらベネッタは水槽の魚人の足を指しながら
「ほら、綺麗な若い女の脚だぞ。」
「確かに下が魚ではどこに入れたら・・・じゃなくって!。」
「冗談だ、ほれっ。」
そういうと、水槽の中が煙のようなもので覆われて中が見えなくなる。
水面をピチャと跳ねる音がすると、水面から上半身を出したブロンドのロングヘヤーで、
とっても水の抵抗が大きそうな胸を持つ若い女の子がいた。
「マスター冗談でもさっきの姿はおやめください。妾にもプライドがありんす。」
いや、見た方もめっさビックリしたんですけど。そんなことを考えてると、
彼女は水槽の淵に手をかけて身体を引き上げるとそのまま外に出てきた。
地面に尾鰭が着くと足に変わり、パイアが渡した白いローブを身にまといその裸体を覆った。
ちぇ見えないじゃん!じゃなくて、動く度に「チラリ チラリ」と見える方が色っぽい。
-はっ-。
パイアの視線を股間に感じる。いかんこのままでは・・・。
「さっき言ってた、航路を案内できるのが彼女なんですね?。」
「そうだ、見ての通りマーメイド族のローラィちゃんだ。」
「では、船が出来ればここから出て行くと。」
「うん、ここに居てもこの世界が見えないからね。我々がこの世界にいる理由を探すのがベストだと思う、君が元の世界に帰る術を探す上にも。」
「それしか無いか?。」
「ないな、君に他の選択肢があるとすればだが。」
ベネッタとテーブルを挟んで向かい合う。
「もっとも、ここで死ぬまで暮らすのもありだがな。それを選んでも」
「選んでも・・・何も得られないか。」
「そうだな、私はここを出て行く。弾薬に限り有る君がこの世界で生きていくことは出来なくもないだろうが、難しいことになると思う。」
「サバイバル戦はやったことがないからな、確かに生きることだけになれば元の世界に戻ることも難しいか。」
今でも食事と寝る時の安全は彼女によって保証されているが、その保護下から出れば先日のような組織的なゴブリンの襲撃や、オークを始めとする各種ファンタジーな魔物から身を守りつつ生き抜くことは難しい。少なくともこの世界に適応した武器が扱えるようになるまでか、人が暮らす町中に出るまでは同行するほうが懸命だと思う。
「船を作るのを手伝う必要はあるか?。」
「ない、私の召喚した者達で十分だ。というか危険な作業も有る怪我でもしたらどうする気だ?寝てろ。」
そういうと、彼女はゴーレムである大ちゃんやゴーストのダーくんやシャど-達に命令を与えるとローラィに耳打ちするとミントに乗ってローラィが外に出ていく。
振り返るとパイアもいない、
「私はこの世界からは出れないと思う、すでに何回も転生しているからな。でもお前は違う、転生ではなく転移してきたからには帰る望みも有る。」
「明日から少しづつこの世界について考えていこう。」
そういうと彼女は自分のベットに向い布団に潜り込むと静かになった。
しかたなく俺も自分のベッドに入り・・・
なんで、ここにいるの~。




