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困った患者

(うたげ)の翌日から、代表団の五人は、暁との非戦協定並びに暁と合同で臨む波斯国(ペルシャ)に対する外交交渉について、詰めの打ち合わせに入った。

交渉の間、暇を持て余した使節団の兵達は、暁の兵達に対して合同訓練を申し入れた。

「合同訓練だと…。何をする積もりなのだ?」

(いぶか)しげに尋ねたシドニウスに対して、代表の武官は胸を張った。

「体術の試合ですよ。昨夜の宴会の席上で、暁の連中と約束したんです。武器など無しで、身体一つの勝負をしようって…。大丈夫ですよ。図体(ずうたい)は俺たちの方が遥かにでかいし、格闘技にも自信があります。負ける事なんてありませんから…」


武官の話を聞いたシドニウスは、(しばら)く頭を巡らした後に許可を与えた。

「良いだろう。但し加減と言うものを考えろよ。体格差は歴然としているのだからな。」

ところが、その日の夕方に宿営所に戻ってきた兵達は、いずれもげっそりと疲れ切った顔付きをしていた。

「どうしたのだ?まさか負けたのではあるまいな?」

シドニウスに問われた武官は、(うつむ)き加減のまま答えた。

「負けてはいません。でも勝ってもいません。勝負全体では引き分けといった所でした。申し訳ありません。」


「どう言う事だ?」

「暁の兵達の体術と言うのは、我々が見た事が無いものだったんです。正面から取っ込み合うんじゃなく、()を取って足技を使うんです。まるで風車のように脚を回転させて迫って来るんです。しかもそれが、厚板の数枚など簡単に叩き割る程の威力でした。」

シドニウスは絶句した。

「兵器の質では圧倒的に負け、体術でも互角止まりだと言うのか。」

そう言うシドニウスの前で、武官が上目遣(うわめづか)いでシドニウスを見た。

「何だ?他にも報告する事があるのか?」

しかし武官はその先の言葉を飲み込んだ。

「いえ、報告は以上です。」



武官の報告には、本当は続きがあった。

試合が終わった後、ローマの兵の一人が暁の兵に問いかけた。

「王宮には、守護神と呼ばれる白い狼がいるそうだな?」

「白い狼? あぁ、露摸(ろぼ)の事だな。あれは超常的(ちょうじょうてき)な存在だ。仙人が使うという瞳術(どうじゅつ)の持ち主だ。露摸の前では、どのような者でも赤子同然(あかごどうぜん)だ。(かな)うものなど誰もおるまい。」


それを横で聞いていたローマの兵長格の武官が、興味深そうに話に加わった。

「しかし所詮(しょせん)は只の狼なのだろう? 超常的など、幾ら何でも言い過ぎであろう。誰も(かな)わぬと言ったが、どの程度の人数を相手に出来るのだ?」

暁の兵達は、その言葉に怒りを(あらわ)にした。

「我らの守護神を侮辱するのか。そうだな。此処(ここ)にいる羅馬兵の百人が立ち向かっても、露摸には(かな)うまい。」

それを聞いたローマの武官が、不敵な笑みを浮かべた。

本日の体術試合が互角で終わった事にもやもやとした気持ちを抱えていた武官は、気晴らしに格好の材料を見つけたと考えた。

「面白い。そうまで言うのなら、その露摸とやらと我ら百人との対戦を申し込みたい。その狼を捕らえる事が出来れば我らの勝ちだ。この対戦、まさか逃げる事はないでしょうな。」


その話を聞かされた露摸の(あるじ)の耀春は、直ぐに拒否の姿勢を見せた。

「馬鹿馬鹿しいです。そのような対戦に露摸を連れ出すなど。断固としてお断りします。」

ところがその場には、たまたま耀春に会いに来た華真が居合わせていた。

華真はローマ軍と露摸の対戦の話を聞くと、面白(おもしろ)そうな表情になった。

「この対戦、受けても良いのではないかな。露摸ならば、相手の一兵すらも傷つける事はないだろう。露摸の力を見たいと言うのなら、見せつけて差し上げれば良い。」


こうしてローマの百人部隊と露摸の対戦が行われる事になった。

競技場には、(いま)だ気の乗らない表情の耀春と、初めて観る露摸の瞳術(どうじゅつ)興味深深(きょうみしんしん)の華真も姿を見せた。

舞台の開演を待つようなわくわくとした表情を見せている華真に向かって、耀春がそっと語り掛けた。

「叔父様。良いのですか?このような場所にいて。王宮では羅馬との交渉が行われているのでしょう? そちらをすっぽかすなど、後で(みかど)からお叱りがあるのではないですか。」

心配気な耀春に向かって、華真はにこりと笑ってみせた。

「問題ない。このような時の為に、羅馬の言葉に通じた優秀な文官達がいるのだ。基本の方向性は固まっているし、司馬炎(しばえん)殿も徐苑(じょえん)殿もいる。私一人いなくとも何の支障もない。しまった。帝もお誘いすべきだったかな。帝も露摸の瞳術には(すこぶ)る関心を持たれていたからな…。」

それを聞いた耀春は、呆れたように眼を見開いた。

そしてその後、諦めたような息を吐いた。


ローマ軍の前に現れた露摸を見て、兵達の腰が引けた。

「何だ、此奴(こいつ)は…。只の狼じゃないぞ。」

露摸の全身から発する闘気に、ローマの兵達は怖気(おぢけ)づいた。

兵達の様子を見た兵長が、声を張り上げた。

「何を(ひる)んでいるのだ。相手は只の獣だぞ。一斉に取り囲んで捕獲しろ!」

その様子を見ていた華真が、(あざけ)るような笑みを浮かべた。

ローマ兵達が一斉に露摸に向かった瞬間、露摸の瞳が金色(こんじき)に光った。


宿舎に引き揚げるローマ兵達は、誰もが沈黙したままだった。

重い足取りの全員の眼からは、全ての覇気はき)が消え失せていた。

体術試合では、体格で遥かに劣る相手に対して良くて引き分け。

その上、露摸一頭を相手に、百人部隊全員が手玉に取られてしまった。

兵長格の武官の横で、一人の兵士が力ない声で尋ねた。

「シドニウス様には、どう報告したら良いのでしょうか?」

「このような事、報告のしようがない。たった一匹の狼の前で、百人部隊の全員が金縛(かなしば)りにあったなどと…。報告したとしても信じては頂けぬだろう。」


後日、他の兵達から露摸との対戦を聞いたシドニウスは、何とも言えない表情を見せた。

「あの女神の使い魔が相手だったのか。ならばそんな事もあるやもしれぬな。それにしても、あのような聖獣を手の内に置くとは…。あのような(たお)やかな風情の何処(どこ)に、そんな強さが潜んでいるのだ…。」



その夜、一人の武官が、副長のラサウスの部屋を(おとず)れて来た。

「どうしたのだ?このような夜更(よふけ)に…」

訪れて来た武官は、やや声を(ひそ)めるようにラサウスに言った。

「昨晩の(うたげ)の酒、美味(うま)かったですよね。」

ラサウスは、きょとんとした表情でその武官の顔を見返した。

「あぁ…そうだな。しかし、それがどうかしたのか?」


「あの酒が有るんですよ。宿営所の厨房(ちゅうぼう)の倉庫に。先程、俺が見つけたんです。あの倉庫は酒蔵(さけぐら)を兼ねてるみたいで、棚一杯に酒が並んでいました。」

「まさか、お前…。それを盗み飲みしようと考えているのではあるまいな?」

「人聞きの悪い事を言わないで下さい。宿営所の食堂の卓には、いつも料理が用意してあって、いつでも食い放題って言われてるじゃないですか。それに昨晩の宴では、酒も飲み放題だったじゃないですか。それなら厨房倉庫の酒だって、少しくらい持ち出しても問題無いでしょう?」


ラサウスは、(あき)れたように武官を見返した。

「お前、そういうのはこじつけと言わないか? 今の話、他の皆も知ってるのか?」

「俺と同室の三人だけです。流石(さすが)に大勢で一斉に酒を持ち出せば、直ぐに酒は他の場所に移されてしまいますよ。だから副長にもこっそりとお伝えに来たんです。あの酒、もう一遍呑みたいと思いませんか?」

それを聞いたラサウスの咽喉(のど)がごくりと鳴った。


次の早朝、宿営所の一室から、三人の兵が(あわ)てふためいた顔で飛び出して来た。

その慌てように気づいた他の兵達が部屋に足を踏み入れると、中では二人の男が床に転がって(もが)き苦しんでいた。

部屋の中の床には何本もの酒瓶が転がり、食堂から持ち込んだ料理の皿が散乱していた。


「何の騒ぎだ。こんな朝早くから…」

騒ぎを聞き付けたシドニウスが、直ぐに部屋に駆けつけて来た。

シドニウスは、部屋の中で七転八倒(しちてんばっとう)して苦しむ二人を見て呆然(ぼうぜん)となった。

「ラサウス!何故(なぜ)お前が、こんな所にいるのだ!」


シドニウスは、最初に部屋から飛び出て来た三人の兵士達の前に立つと、怒りを(こら)えながら尋ねた。

「この有様(ありさま)は、何がどうなった結果なのだ? 包み隠さず答えろ!」

「さ、酒を、厨房の倉庫から持ち出しました。副長のラサウス殿も、少し位なら良いだろうと申されましたので…。」

「それは、分かった…。だが、どうしてこのようにラサウス達が(もだ)え苦しんでいるのだ?今にも死にそうな有様ではないか…。」


シドニウスに問い詰められた三人の兵士は、誰もが一様に首を振った。

「わ、分かりません。我らは昨夜ラサウス殿達と酒を飲み、そのまま酔って寝込んでしまったのです。先ほど(うめ)き声で目覚めると、このような状況に…。」

「いつから苦しみ出したのだ?」

「分かりません。我らも酔い潰れて、先程目覚めたばかりなので…」

その時、ようやく使節団に帯同している医師が駆けつけて来た。


ラサウス達を触診する医師に向かって、シドニウスが尋ねた。

「どうなのだ?何故(なぜ)このように苦しみもがくのだ? もしや食当たりか?」

その問いに医師は首を振った。

食当たりではないと思います。この苦しみ(よう)、単なる食中毒とは思えません。」

「では、どうしてこのような有様になるのだ。」

そう問われた医師は、途方に暮れた表情になった。

「…分かりません。」

「分からないだと…。何を言っている!お前は医師であろう?」


「本当に、見当がつかないのです。しかし、この苦しみ(よう)から見ても、これは尋常では有りません…。」

そう言った医師は、思い付いたようにシドニウスの顔を見上げた。

「王宮の医師に応援を求めるべきと思います。昨日、私は王宮の医師達と、医療について様々な意見を交わしました。その時に聞いたのです。今の王宮には、神の如き技を持つ医師達が滞在していると…。」


王宮医師処からの緊急の要請を受けて、華鳥(かちょう)胡蝶(こちょう)が使節団の宿営所に急行して来た。

食中毒の疑いがあると聞かされた厨房長も、慌てて宿営所に駆けつけて来た。

床に置かれた二人を容体を見た華鳥は、横に立つローマの医師に尋ねた。

「いつから、このような状態なのです?」

「早朝に私が駆けつけた時には、既にこの状態でした。」

華鳥は、少し考える仕草を見せた後、顔を挙げた。

「一緒に酒を飲んだ他の三人の方々には、何も異常は無いのですね?」

ローマの医師が(うなづ)くのを見て、華鳥は後方に立つシドニウスを振り返った。

「その三人の方々を、直ぐに此処(ここ)に呼んで下さい。」


シドニウスに呼び出された三人は、動揺が隠せない顔付きで華鳥の前に立った。

「貴方達三人は、此処(ここ)で苦しんでいるお二人と共に、厨房倉庫から持ち出した酒を一緒に飲みましたね?」

華鳥の問いに、三人は一斉に頷いた。

「その酒を飲んだ時一緒に食べたのは、食堂で(きょう)されていた料理でしたね?」

その問いに対しても、三人は同じように頷いた。

「それでは聞きます。此処にいるお二人だけが食べ、貴方達三人は口にしなかった料理は有りましたか?」

その問いには、二人が首を振り、一人が何かを思い出そうとするように考え込んだ。


「何か思い当たる事があるのですか?」

もう一度華鳥に念押しされたその兵士は、思い当たったように顔を挙げた。

「あの時は酒が進んでいて、我々三人はへべれけで寝落ち寸前でした。そんな時、曹長…。副長と一緒に此処に寝かされているパンデ殿ですが…。そのパンデ殿が、倉庫に酒のつまみを探しに行ったんです。副長と曹長の二人は、蟒蛇(うわばみ)と呼ばれるほどの酒豪ですから、まだ飲む積もりだったんだと思います。戻って来た時、確か赤黒い肉の塊を持っていた気がします。」


同席していた宿営所の厨房長が、その肉の正体に思い当たった。

「それは、きっと(いのしし)の熟成肉ですね。倉庫の奥で保存していた物です。」

それを聞いて、華鳥の眼が光った。

「その肉をどうやって食べたのです?」

その問いに兵士は首を(ひね)った。

「そこ迄は分かりません。自分は、曹長が肉の塊を持って部屋に戻って来たのを(おぼろ)げに覚えているだけなので…」


兵士の言葉を受けた厨房長部屋を見回した。

「火を使った形跡は無いですね。と、言う事は…」

それを聞いた華鳥が嘆息(たんそく)した。

「生で食べたのですね…」

華鳥は寝かされている二人に、もう一度眼を()った。


先程まで腹を押さえて(もだ)え苦しんでいた二人は、もはや(うめ)き声を挙げる事も出来ない様子で、全身を細かく痙攣(けいれん)させていた。

二人の状態を確認した華鳥が、胡蝶に指示を発した。

「王宮の医療処に、麻酔と手術器具の準備を急いで。」

(にわか)に動き始めた胡蝶を見て、ローマの医師が華鳥を見た。

「何をする積もりなのです?」


華鳥はローマの医師の顔を見据えると、(りん)とした声音で答えた。

「腹を切ります。このお二人がこのように苦しんでいる原因は、腹の中の腸という部分に有ます。」

ローマの医師から、華鳥が手術をすると聞かされたシドニウスが顔色を変えた。

「腹を切る…? 傷も負っていないのに、何故(なぜ)そんな真似をせねばならないのですか?」

ローマの医師とシドニウスの顔を交互に見ながら、華鳥は自分の診断を伝えた。


「このお二人は、厨房倉庫に保存してあった猪の熟成肉を食べたのだとと思われます。しかも、生のままで…。別の食材の話になりますが、魚を生のままで食すと、場合によっては食当たりを起こすという事は、貴方もご存知なのではありませんか?」

ローマの医師は、華鳥の言葉に(うなづ)いた。

「大型の魚で良く起こる食当たりですね。確か魚肉に潜む寄生虫が原因と聞いています。」

ローマの医師の言葉を耳にしながら、華鳥はもう一度自分の前に立つ二人を見据えた。


「それと同じ事が起こっているのだと思います。このお二人が食べた生肉は、魚などよりも遥かに身体の大きな野生の猪。しかも、常温で熟成保存されていました。寄生虫が肉繊維の中にじっと潜んでいたのでしょう。それを生のまま口にしてしまった事によって、寄生虫がお二人の体内で活性したのだと思います。恐らく、お二人の腸へと喰らいついているのでしょう。この尋常ではない苦しみは、その為だと思います。」


華鳥の説明に、ローマの医師は怖気(おじけ)づいて身震いした。

「し、しかし…。もし寄生虫が腸の中にいるとしても、その居場所をどうやって探り当てるのです? 私は手術というものを、自分の手で行った事はありません。しかし、人間の腸は身長よりも長いという話は聞いています。それなのに、どうやって…」

「寄生虫に喰らいつかれた場所は、()れて色が赤変(せきへん)している筈です。しかも、これ程の激痛を与えているとなれば、魚の寄生虫などとは違って、触診でも見定められる程の大きさでしょう。説明は此処(ここ)までです。もう時間がありません。このお二人の様子を、もう一度その眼で見なさい。このまま放って置くと死にますよ…。」


もはや息も絶え絶えとなってぐったりと横たわる二人を見たシドニウスが、直ぐに華鳥に向き直った。

「我が国の医師には、貴方の言われた手術とやらを手伝える技倆(ぎりょう)はない様子だ。ならば、全てを貴方達にお任せするしかない。お任せした結果何があっても、全ての責任は俺が負います。この二人を助けてやって下さい。」


王宮医療処に緊急搬送されたラサウスとパンデの二人は、直ぐに処置室へと運び込まれた。

華鳥達が部屋に入って一刻程が過ぎた時、華鳥を先頭として医療処の医師達が部屋から出て来た。

処置室の前で待っていたシドニウスが、先頭に立つ華鳥に不安と期待が入り混じった複雑な視線を送った。

「どうなったのですか?あの二人は…?」

「助ける事が出来ました。原因はやはり寄生虫でした。全て取り除きましたのでもう大丈夫ですよ。」

それを聞いたシドニウスは、大きく安堵(あんど)の息を吐いた。

「ただ、お二人とも衰弱が(ひど)いので、当面は会って頂く事は出来ません。その間は、医療処でお預かりします。お会い頂ける時が来れば、改めてご連絡します。」


華鳥にそう言われて医療処から出て来たシドニウスの前に、マルクスが駆け寄って来た。

「我が国の医師から、全て話は聞いた。ラサウス達は無事なのか?」

するとシドニウスは、興奮を抑えきれない表情でマルクスに向き合った。

「もう大丈夫だそうです。俺はこの国にやって来て、昨日と今日、途轍もなく凄い人に立て続けに出会いました。しかも共に女神です。ニコスを救った昨夜の幼い女神。そしてラサウス達を救った今日の医師の女神。俺は今、あのお二人に猛烈に感動しています。」

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