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第47話 モーズ家の神聖魔術1



 昨晩のディナーショーでは無事クリスさんをリリアンの魔力結界に捕獲する事に成功し、酔い潰れた状態の彼女を宿に寝かしつけ俺達はまた店に戻った。


 それにしても荒くれ者の町でもあるクロスローズの住民たちは本当にタフである。

 先程の様なハプニングがあっても、終わればすぐに何事も無かったかの様にディナーショーが再開されており、お客さん達もいつもの事だろうと言った感じだった。

 そしてジェイ達も同様である。

 流石は傭兵をやっているだけの事はある。

 先程の倍に近い酒の空瓶を前に彼らは御機嫌そうだった。

 

 【キングジェイ傭兵団】

 彼らの話を聞くと、普段戦争や要人の警護等で生計を立てているらしいが、今は雇い主がいない為、貯金を切り崩しながら生活をしている様だ。

 そこで俺はチームリッキーリードに加われば生活の保証はするという名目で仲間に入らないかと打診してみた。

 俺としても強い仲間は少しでもいてくれると助かる。 


「すまないがリッキーリード。

 あんたは俺のガキの頃からの憧れの人物だし、

 ついて行きたいのは山々なんだが……

 実は今、条件の良い仕事の話があって

 今度話を聞いてみようと思ってるんだ」

 

 ジェイの話では、彼らは前回のドロナック戦争での功績が評価され東ラグレスタ連合王国の専属精鋭部隊の実践臨時コーチとしてのオファーを受けているらしい。

 ただ前みたいな戦いがあったら何時でもギャラ有で是非、俺達の力になりたいとの事だった。

 俺はジェイにいつでも連絡が出来るマジックアイテム、文字転送マジックカードを渡し、使い方を教えた。

 

「まあ、俺達はこれから神聖ノーツ帝国に

 向かう予定なんで臨時コーチの仕事が終わって

 もし暇だったら、また一緒に食事でも一緒にどうかな?」

 

「ああいいぜ

 そうさせて貰うよ!

 ありがとよリッキーリード!!」


 そして俺達はキングジェイ傭兵団とは一度別れ再び旅を続ける事になった。


 翌朝は、いつもどおりの泥酔から覚めたクリスさんの土下座から始まり、俺達は旅支度をして神聖ノーツ帝国南端町のスティレスドーフに向う旅に出た。


◇◇


挿絵(By みてみん)



 俺達はジェイ達と一緒に中継地点として東ラグレスタ連合国の東端にある【リトルミラーズ】を経由して、そこで彼らとお別れをしてからスティレス・ドーフを目指した。

 そして、国境付近の木々の生い茂った山岳地帯を抜け神聖魔術の中心地スティレス・ドーフに到着した。



 神聖ノーツ帝国南端の町【スティレス・ドーフ】。

  

 小さな田舎町であるが、元々神聖ノーツ帝国の修道者たちが集まり魔術の修行に励んでいた場所であったが、250年程前の武装国家ゴードン王国の侵略戦争で魔法国家ブラックラ(【第16話 光を放つ子供】参照)から多数の魔法研究者達がこの地に亡命してきた事で、小さな村だったスティレス・ドーフは、実力のある魔術師達が集まり出し、魔法国家ブラックラに変わり知る人ぞ知る魔術の聖地となったのである。


 この町は先日まで滞在して居たクロスローズとは真逆の雰囲気の町で、規模に比べて人口は多い方だが、町は物静かで、どこか気品があり、何処に行っても読書をしている人々の姿が数多く見られた。

 ちなみにスティレスドーフの識字率は世界一らしい。


 俺達は、まず呪いの浄化魔術に詳しい人がいないか聞いてまわる事にした。

 町の人たちは部外者の俺達にもとても親切で、町の地理など色々な事を教えてくれた。

 そして、呪いの浄化魔術を使える術者の件だが誰に聞いても答えは同じだった。


 その術者の名前は【マーティン・モーズ】。

 おそらく魔族大帝アドリアーノ大帝が言っていたモーズ一族の事だろう。

 スティレスドーフには代々神聖魔術を使うモーズという一族がいる。

 神聖ノーツ帝国の建国前、この土地は神聖魔術の創始者、聖人エリック・モーズが治めた聖なる土地セントモーズと呼ばれていたらしく、モーズの一族はその伝説の聖人の末裔にして代々この町の町長を務めている。

 アドリアーノが言うには、モーズの一族は俺にかけれた呪いを解く事が出来るかも知れないらしい。


 聞くところによると現在のモーズ家の当主マーティン・モーズは100歳を超える物静かで小柄な老人であるが、その魔術知識と経験は正に生ける魔術教本とまで呼ばれているらしい。

 

 モーズ氏の家は町の外れの丘の上にある長い石段を上った上にあり、歴史がありそうな、趣のある寺院の様な建物であった。

 大きな門の前で巨大なドアノッカーを叩いて、メイさんの非常に良く通る声で呼んでもらった。

 

「ごめん下さーい!モーズさーん!

 誰かいらっしゃいますかー!?」


「誰も出てきませんねメイさん」


「リッキー様。ワタクシが中に入って

 マーティン・モーズとかいうジジイを拉致してきましょうか?」


「やめなさいリリアン。

 こっちは呪いを解くのに協力してもらう立場なんだよ」


「師匠!!!!

 危ない!」


 突然敷地内から白色の閃光が迫って来た。

 そして大爆発が起こり俺は吹っ飛ばされた!


「師匠!!」


「大丈夫だ!

 一体何が起こったんだ?」


「リッキー様!

 お気を付けください!!

 凄まじい魔力を二体感じます!」


 そこには全身から白?もしくは銀色の目が眩む様な程の光を放つ少年がいた。


「誰……?」


「待たんか!キース!」


 すると向こうからメイさんを超える程の筋骨隆々の巨漢の爺さんが少年の後を追いかけてきた。


「マーティンジジイ……ほんとにしつこい奴だな。

 あんまりイライラしてると早死にすんぞ!」


「黙れ!口の減らねえクソガキめ!

 こう見えても御年128歳じゃ馬鹿モン。

 今日こそ、その性根を叩き直してやるわい!」


 その老人は明らかに空中に浮かんで静止している。


「あの爺さん明らかに飛翔魔術を使っているな……」


「ううううるあああああ!

 くたばれキース!!!」


 するとその老人の強烈な右フックで少年を林の中に殴り飛ばした。

 

「リッキーちゃん……もしかして

 あのデカイ爺さんがマーティン・モーズさんなのかしら??」


「物静かで小柄な老人って聞いてたんですけどね……

 2メートル以上はありますよ……」



           To Be Continued…




:現在のパーティー:


リッキー・リード:

 身長 150センチ

 ドロナック大戦の英雄。

 限定で無双できるようになった。

 


クリス・ロージー:

 身長 157センチ

 リッキーの弟子。酒乱魔道士健在。


メイ・アンデルセン:

 身長 205センチ

 怪力と硬質化能力、黄金化ゴールデンマザーメイに変身出来る。

 元シスター。


リリアン・ブラッドフィールド・リード:

 身長 177センチ

 リッキーの養子兼ボディーガード。

 変態魔法戦士。

 魔族大陸グランデネロの【血の戦場の狂戦士リリアン】。

 


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