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第31話 ドロナック崩壊の幕開け



◇◇



城塞都市ドロナック東側

ゴイン平原



「粗方片付いたな。

 カイル!レオナ!

 そっちも片付いたみたいだな」


「何とかね…。

 それにしても結構な数だったよ」


「さてと…、大将。

 フィリップ王子様だっけな?

 あんたはどうする?」


 フィリップは怒りに震えながらジェイ達に叫んだ。


「あり得ない!

 断じてあり得ん!

 私は父上に力を頂いた!

 決して負ける事など許されないのだ!

 決してだ!!」

 

 フィリップは再び全身に黒いマナが溢れ出し、両脇にいた部下の頭を掴み兵士ごとジェイに投げつけた。 

 投げられた兵士2人は空中でアンデッドに変身しジェイに襲いかかった。

 しかし、ジェイは瞬時に銃を構え2体のアンデッドを撃ち込落とした。


「実にクールじゃねえな…。

 部下のこんな使い方は。

 大将としての誇りが全く感じられねえよ…」


 ジェイは不機嫌な口調でフィリップを睨みつけた。

 

 しかし、運命は皮肉な事にフィリップを味方した。


「フィリップ様!2万の援軍が到着いたしました!」


 フィリップが振り返ると周辺の駐屯地より2万人のドロナック援軍が到着した。


「ははは!

 まだ運命はまだ私を見捨てては

 いなかった!」


 ヴィクターは絶望の表情で、その援軍を確認した。


「何!援軍だと!?

 くそ!もう少しと言う所で!」


「心配ねえよ。

 さっきのバケモン共に比べたら

 まだ人間の兵隊なんて

 可愛いモンだぜ」


 ジェイは冷静な様子でそれを見つめた。


「おい王子様!

 そいつらがお前の切り札って事なら

 この戦、俺達の勝ちは揺るがねえよ」


「確かにお前たちは強い…。

 しかし、私は絶対に負けん!

 私の真の悪魔の力を思い知らせてやるよ!」


 フィリップは鳥の様に大きな跳躍をし、2万人のドロナック軍に前に着地した。

 そして、凄まじい量の黒いマナで、一気に2万に兵を包み込んだ。


「ま、まさか…。

 あの数をアンデッドに変えるつもりか!?」


「ヴィクターさん。

 あのバケモン共は人間だったのか?」


「ああ。

 フィリップ王子は悪魔の契約の力で

 人間をアンデッドに変える事が出来る…」


 そして、フィリップの姿もまた、みるみる変わり始めた。

 髪は抜け落ち二本の角が生え、皮膚は緑色に変色を始め、

 背中を突き破り大きな黒い羽根が生え始めた。

 身体はみるみる巨大化し怪物へと姿をかえた。


 ジェイはとっさにフィリップに魔法光銃を放ったが、

 フィリップの外皮に弾き飛ばされた。

 そして、驚くほどの速さで2万のドロナック軍はアンデッドの大軍へと変わった。


「今度は2万のアンデッドに

 あの化け物だ…」


「ジェイあなた…。

 あれに勝てると思う…?」


「今回は全く勝てる気がしねえよ…」


「ヤバいわね…この光景。

 まるで昔観たブラピのゾンビ映画みたいだわ…」


「ブラピ?

 何だそりゃレオナ?

 お前たまに訳の分かんねえ事言うよな」


 

◇◇◇



城塞都市ドロナック

都市中央部

チームリッキーリード



 俺達はディーン達と別れて、シェリー宮殿に到着した。

 今回は前の潜入と違ってメイさんが入り口の警備を扉ごとタックルで吹っ飛ばして正面突破する形となった。


「さすがメイさん…。

 でも本当はもっと静かに奇襲したかったですよ」


「何言ってるのリッキーちゃん。

 城塞都市外では皆戦ってるのよ。

 今は一刻も早くワタシ達も戦わないと!」


「メイさんの言う通りですよ師匠。

 むしろ、急いで攻めて

 敵が体制を整える前に

 一気にかたをつけるべきですよ」


「それにしても宮殿外の警備が急に薄くなったな。

 みんな都市城壁の方に向かって行ったみたいだし…。

 それだけ、外の戦が激しくなっているようですね」


「じゃあ、尚更ワタシ達もモタモタしていられないわ!

 先を急ぎましょう!」


 宮殿の中に入るとドロナック兵が俺達に向かってきた。

 メイがパワーで吹っ飛ばし、クリスが攻撃魔法で敵を打ち抜いた。


 相変わらず二人とも流石だ!


 だがしかし!

 今回は俺にも新兵器がある!

 俺が新たに開発した敵の足元の摩擦を一時的に奪い身動き出来なくする最新の魔法効果のあるスクロールだ!


「くらえ!

 これがリッキーリードの新作魔術だ!」

 

 スクロールを使うと俺達周辺の床の摩擦が限りなくゼロになった!


≪ゴン!!≫


 同時に俺は足を滑らせ床で自分の肘を強打した!

 

「おおう!!」


 俺は悶絶した…。


 周りを見渡すと敵兵だけでなくメイやクリス達も

 すっ転んで悶絶していた…。


 皆、立ち上がろうとするが

 再び転び、立ち上がるを

 繰り返すカオスな時間が暫く続いた…。


 スクロールの効果が切れるとメイさんに頭を引っ叩かれた。


「真面目にやりなさいリッキーちゃん!!」


 俺達の戦いも遂に始まった…。



             To Be Continued…





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