第30話 巨躯の重戦士
それは、正に一瞬の出来事であった。
カイルの構えた斧が動いた瞬間に怪物ブロックの巨体の上半身が宙を舞った。
「信じられん…」
ヴィクターとビリー王や連合軍の兵士達は驚愕していた。
それはまたドロナック軍もまた同様であった。
「フィリップ様!
あのブロック迄もが!
あやつらは一体何者ですか!?」
「わからん…。
しかし、ブロックは悪魔より
召喚された、魔人だ。
そう簡単には殺されん…」
切断されたブロックの上半身はムクりと起き上がり、また雄叫びを上げながら下半身が生え再生を始めした。
カイルはそれを平然とした表情で見つめていた。
「悍しい怪物よ…。
大した生への執着心だな」
立ち上がったブロックはすぐさまカイルに爪で襲い掛かった。
カイルは斧を使って攻撃を防ぎ、そのままブロックの右腕を切り落とした。
そして、ブロックの腹に蹴りを入れ距離を取った。
ブロックはすぐに右腕を再生した。
「見た所、あまりダメージは
無さそうだな…」
「とんでもない怪物だ!
あれでは切りがない!」
ヴィクターはブロックの再生能力に驚き慌てていた。
しかし、カイルは表情ひとつ変えずに斧を背中に戻した。
「斬撃では効果は無さそうだな。
ではこちらも戦法を変える必要が
ありそうだ」
カイルは背中にもう一本かけてあった、先端に鉄球がついたメイスを手に取った。
そして、カイルの全身からは魔力が溢れそれをメイスの先端に集中した。
「今度はこちらでお相手しよう」
カイルはブロックに向かい走り出し、メイスを構えた。
そこにブロックは両腕の爪を使い掴みかかった。
カイルは前転しながらそれを躱し、メイスとは反対の手で、短刀を使いブロックの片足に斬りつけた。
そしてブロックがバランスを崩した所にメイスを両手で持ち、ブロックの頭の先から巨大なメイスを叩きつけた。
ブロックの胴体は正中線から粉々に粉砕された!
「ジェイ!」
「OK相棒!」
そこに、ジェイが跳躍し現れブロックの砕けた身体に爆裂式魔法光弾を撃ち込んだ。
凄まじい爆発と共にブロックの身体は灰になった!
◇◇◇
城塞都市ドロナック
都市中央部
都市内は警戒警報が出されていた。
至る所に、国家騎士がいて警備にあたっていた。
しかもかなりの数だ。
「なあ、ディーンさん…。
これ完全に二手に別れてるの
読まれてる感じよね…?」
「残念ながらその様だなリッキー…」
「大人数ではないにしても
ワタシ達14人もいるから
中々見つからないで潜入するのも
難しいわよね…」
「敵勢力はドロナック城と
シェリー宮殿に集中していますから
ここは更に二手に別れて
行動する事になりそうですかね?」
「確かに、クリスさんの言うとおりかな。
ディーンさんの意見を聞きたい」
「無論そのつもりだ。
リッキー達はリスクの少ない
シェリー宮殿の方に行ってくれ。
俺達はドロナック城に王をうちに行く」
「分かった
武運を祈るよ」
そして俺達は再び二手に別れる事になった。




