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第99話 ダンジョン③

 気圧の変化に弱い作者ですまん。


 2021/8/15

 一部修正しました。


 そのあと、釈然としない表情のレイブンさんを連れて地下2階に降りるための階段を探していると出ました二種類目の魔物。


 その名も――ララビット!


「キュ? キュウ!」


 うん。相変わらずちとデカいだけのウサギだな。

 資料によれば、人間だけではなく魔物にも食われるとか。


 スライムとは別の意味で憐れだ。


 とはいえ、コイツに時間を掛けてる余裕はない。

 いつもであれば食料か素材かどっちかで得になるからアイテムボックスに入れて持ち帰っているけど、今日は効率優先なのでそのまま進みます。


「キュウウウウウウ!」


 ウサギがこっちに向かって突進してくる。

 ……敵意高いなー。


「ダンジョンに生息するララビットは外の個体よりも好戦的だ。コモン・スライムの時のようにいかないから今度は――」


 向かってきたララビットにタイミングを合わせて――シュート!!



――ドゴン! ――「ギュ!?」



 何と言うことでしょう~。

 向かってきたウサギさんは私の華麗なる前進に巻き込まれ、幻の左によるキックで壁のシミになったではありませんか~。


 これがスライムの時と同じで、急いでいる際にできる歩みを止めずに魔物を駆除する方法。脚力に自信のある方はどうぞお試しを。


 あ、階段発見。


「レイブンさーん。この階段で良いんですよねー?」


 何故か後方で固まったままのレイブンさんに声を掛ける。

 こりゃ、案内人が最低限の案内せずにどうする? 観光名所が見えるのに一向に紹介しないガイドさんレベルで役に立ってないぞ。


「……キミみたいなタイプの冒険者は初めてだ」


「? どういうことで?」


「何というか、その、良くも悪くもセオリー通りに動かないんだなと」


「故郷では『ルールとは破るためにある!』と言った人がいましてですね」


「どこの蛮族出身なんだ?」


 具体的な作品名は忘れたけど少年ジャ〇プで見た記憶がある。やけに印象に残っていたから覚えてるけど誰のセリフだっけ? あれ? セリフじゃなくてサブタイだったか?

うーん、思い出せん。いかんな。異世界転移してからまだ1年も経っていないとはいえ、内容が濃すぎて日本にいた頃の細かい記憶を忘れてってるぞ。担任とクラスメイトの顔も名前も全部忘れちまった。元から興味なかったから覚える気もなかったけど。


「やだなー。平和主義者が集まった比較的安全な国ですよー」


「ウソだ。どんな秘密を隠してるんだユキナさんは」


 ウソちゃうわ。

 平和な国ランキングじゃ毎年上の方だったし、銃規制とかアホみたいに厳しいんだぞ? 持ってるの警官を除けばヤの付く人たちぐらいだぞ?


「女の秘密を知ろうとする奴は馬に蹴られて死ぬと伝わってますよ?」


「何ソレ怖い」


「女を泣かせた男は馬に蹴られて死んでしまえとも伝わってます」


「男に対して随分厳しい故郷だな……!?」


 ホントそれな。

 男女平等を説いてる奴らに限って本当に平等にして立場が下がったら文句言うし。女性が男性殴っても許される風潮があるくせに、その逆だとすぐ警察沙汰になるし。法律とかモラルとか関係なく今の社会は何故か男性って立場が弱いんだよなー。本当の意味で平等になるのに何十年掛かるんだか。


 何年も前からあるラノベに出てくる、ツンツン頭の主人公なんてすごいぞ。攻撃手段が“殴る”しかないとはいえ、マジで男女平等パンチしてるからな。敵の女みんな美女・美少女だけど問答無用で顔面を殴り飛ばして気絶させてるからな。読んでる時は興奮して気にならないけど、読み終わったあとで冷静になると「アイツ、メンタルがオリハルコンで出来てるんじゃ?」って思うから。


「まぁ、私の故郷のことはもういいでしょう? 何もないなら降りましょ」


「……オレは確信している。絶対オレの知らないダンジョン攻略になると」


「さようで」


 そんな会話をしながら地下2階へと降りていった。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇




 そこからはもう、何というか、ダイジェストで良くね?って展開ばかりだったな。浅瀬ってだけあって見たことあるテンプレばかりだったもん。


 向かってくる魔物も多種多様になってきたけど、ハルバードか魔法で対処できる相手ばかりだから基本一撃で戦闘が終わるんだよね。

 レイブンさんによれば、下に行くごとに倒しにくい魔物が多くなっていくようで、核を潰さないといけないゴーレムから例の物理無効のスライムなどが出てくるらしい。


 うん。まさしく、テンプレですね。

 数あるラノベ作品の中でも基本に忠実みたいなのが上層で出てくる模様。

 中層になってくるとそこに“マグレでは勝てない強さ”と“層ごとの環境変化”が追加されるそうだけど、それは追々ってことで。


 そうこうして進んでいけば、もう10層の最後だ。

 レイブンさんとはここでお別れして、時間の許す限り上層を攻略し続けて中層直前まで行ってみようと思います。


 ……実際に体感した限りだと2、3日は掛かりそうだけど。


 いや、舐めてたわけじゃないんだよ?

 ダンジョンの奥に行くごとに魔物もトラップも対処が難しくなっていくのは分かっていたし。

 問題はその下りていくまでの時間感覚がゲームのダンジョン基準だったせいか、少々誤差がありまして……

 ぶっちゃけ、現実のダンジョンってクソ面倒だわ。閉鎖された空間のせいで余計時間感覚が狂うし。動けば腹が減るし。今回は大丈夫だけど、お花摘み事情などもあるし。こんな所に毎回潜って稼いでる冒険者たちってすごかったんだなー。


「ありがとうございます、レイブンさん。今回のだけでもいろいろ知れました。こっから先は私1人でも大丈夫です」


「……あぁ、そうだな。キミならたぶん死なないよ」


「どしたのレイブンさんホント?」


 何か微妙にやつれてない?

 そういえば攻略中ずっと後ろでうるさかったような……?


「いや、こんなにゴリ押しが効くうえに有能なら最初からオレいらなかったなーって思ってさ」


「本当にどうした……!」


 目から光が無くなってません!?


「じゃあオレは帰る。普通の速度で帰るから」


「ア、ハイ。オヤスミナサイ」


 リストラされたサラリーマンの背後霊でも憑いていそうな背中を見せながら帰って行ったレイブンさん。……途中で魔物に襲われないかな? 大丈夫?


「……ねぇ、ヘルプ。どうしたのさレイブンさんは?」



『〈元・冒険者レイブンの現状〉……全部オマエのせい』



「何でええええええええええええええええええええええ!!?」


 私が何をした!?

 ちょっと魔物やトラップを個性的に攻略しただけやろがい!?


 もういいもん!

 このまま上層攻略を進めてやるだけだ!

 私のストレス発散に付き合え魔物共!!



 次回はレイブンさん視点での閑話になると思います。


 作者初の中編小説『蜘蛛屋敷~ボクとヤベぇ女の脱出夏休み戦争~』が現在、同時に投稿しております。まだまだ始まったばかりですが、気になる方は是非見てください。

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― 新着の感想 ―
[一言] >向かってきたララビットにタイミングを合わせて――シュート!!  敵をダンジョンの壁にシューーー!!  超、エキサイティンッッッ!!  思わずこれを連想してしまうのは、仕方がないと思う(…
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