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心を自然解凍  作者: あまやま 想
第7章 2年後の世界
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① 2年後の世界ー1

 早いもので、志恩が亡くなってから二年が経った。八月十三日、三回忌の法事が身内と近しい知人だけでしめやかに行われた。


 ななみは志恩の遺志を受け継いで、NPO法人コンティーゴのアフリカにあるンパッ事務所で一年間活動してきた。つい最近、七月末に帰って来たばかりである。一年間やれば、少しは心も晴れるだろうと思ったが、そんなことは全くなかった。


「ななみちゃん、声をかけてくれてありがとう…」


「千代ちゃん、東京からわざわざ来てくれてありがとう」


 茶山千代子とはコンティーゴの親睦会で始めて会った。ななみは志恩がどうして亡くなったのか知りたくて参加した。茶山は生前の志恩と一緒に働いていたことがあり、あの日、活動報告をしていた。


 その後、二人でスタバへ行った。そして、淡い思いを一方的に告げてきた。本当にとんでもない初対面であった。さすがに今はどうか知らないけど、未だに独身である。もしかしたら、志恩の存在自体が罪なのかもしれない…と冗談まじりに考えた。


 茶山はその後、事故で急死した志恩の穴を埋めるべく、再びアフリカでの活動をするためにアフリカへと戻った。


 それから遅れること一年ほどして、ななみは身辺整理を済ませた上で、現地活動前研修を東京で二ヶ月受けた。その後、ようやくアフリカへと入った。


 その後、さらに現地での引き継ぎを茶山から受けて、活動を本格的に始めた。小学校での算数指導を初め、マラリア対策や飢饉対策などやることはたくさんあった。とても充実した一年間であった。


 茶山が帰ってからしばらくしてから、今度はななみが後任の指導に当たった。ななみと同じように視察の旅でボランティア活動に興味を持った箱崎太一と、以前親睦会で出会った学生ボランティアの城南翔がその後を受け継ぐ。


 茶山は今ではコンティーゴの正規職員として、東京事務局にて事務処理などを担当している。その茶山から東京事務局に来ないかと誘われている。正直なところ、ななみは迷っている。人生は本当に何が起こるか分からない。

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