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いろんな(メディア的な)ジャンルに想いを馳せて  『アンナチュラル』の構成???

 ボクには教養がありません。。

 だから、語りたいことを語る為の言葉の正確さには、自信がありません。

 特に今回は、どうか伝わることを祈るしかないのですが……。



 ボクは『アンナチュラル』が大好きです。

 野木亜希子さん脚本。

 『アンナチュラル』を観ずに人生を終えるのはとてももったいないと思っていますし、面白いと思えない人とは永遠にわかり合えないような気がします。



 それなら、学ぶこと語ることも多かろうと考えてみたんですが……これが難しい。

 いや、表現する言葉が。

 たぶん、“構成”という言葉が1番妥当だと思うんですが……。





 の、前に持論。

 理想的な連ドラ論。


 理想的な連ドラとは、“基本的に1話完結で、かつ、全体を通して解決する問題(謎など)がある”ことだと思っています。


 決着感を小刻みに味わって気持ちをスッキリさせながら、とても大きな物語を読み進む。


 正直に言います。

 ボクは、1つの問題を長々と付き合うのは、苦痛なんです。

 問題の深刻さにもよりますが。


 だから、1話完結を重ねながら大きな物語が動くスタイルが好きだし、理想と信じています。




 で、『アンナチュラル』。

 素晴らしいところはたくさんありますが、特に感じたのは“構成”?というか“1話完結の並び順”でした。



 できるだけ楽しむことに影響しない範囲にとどめますが、うろ覚えでネタバラシますので、先に視聴をお薦めします。

 ま、この投稿を読んでから観るのも面白いと思いますが……。




 この、各1話完結、多種多様です。

 規模も大小。

 バラエティ豊富と言えますが、展開の意外性や解かれる謎のレベルなど、ちょっと不統一感を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 すべての事件が必ずしも斬新さに溢れているわけではないのです。


 と、そこで、『今回は、どんな事件、謎解きを魅せてくれるかな?』と目の前の1話に集中しちゃうタイプだと、気づかないかもしれない“順番の的確さ”。




 第1話。

 かなりの大事件に発展します。

 それは予測を越える展開としての意味で、視聴者に今後の各エピソードへの期待を持たせることに成功してると思います。


 でも、それだけじゃない。

 ボクだけかも知れませんが、『アンナチュラル』を視始める前、「この程度の範囲内でコチョコチョと謎解きを展開して収まるのだろう」という漠然とした決めつけが心の中にありました。

 んー……たとえば深津絵里さんの『キラキラひかる』みたいな(って、こちらもうろ覚えなんですが)。

 事件が起きる(謎が生まれる) ⇒ 謎を解き事件が解決する ⇒ メインキャラクターたちが謎の解明の中で知ったドラマについて感慨を語り合う、みたいな。

 それの繰り返しだろう、と。


 それが、かなりの大事件に発展する。

 その時に、視聴者は無意識に感じたと思っています。

「これは、先の展開を決めつけられないぞ?」と。


 喩えるなら『はぐれ刑事純情派』と思って視始めたドラマが、『沙粧妙子 最後の事件』かも知れないと気持ちが引き締まったような。

(この喩えの意味を語ると『沙粧妙子 最後の事件』のネタバレになってしまうので語りませんが、「え?こんな人が死ぬの?」「この人が殺人者になるの?」に満ちたドラマでした。

 観る価値のある作品なのでご自身でチェックしてください)


 第1話に、この大規模なエピソードがあったことは、物語後半のドキドキ感を高める上で、(無意識にですが)とても影響があったと思っています。



 で、第2話。

 事件の規模としては小さくなりますが、ヒロインは、一刻の猶予も無い危機におちいります。

 ヒロインは「助けてください!」とSOSを出します。

 同僚たちに心を開かない頼れる男に。

 これ、大事なエピソードですよね?

 リアルで考えてみてください。

 あのタイプって、同僚だったら、ずーっと距離のある関係で続いて終わっていてもおかしくないですよ?

 でも、このトラブルで(的確な表現かわかりませんが)“強制的に人間関係ができあがる”わけです。


 3話以降、ヒロインは彼に興味を持ったり、ヒロインたちと彼は行動を共にしたりするわけですが、これ、2話があるのと無いのでは、自然さスムーズさが、だいぶ違うような気がします。



 以降、完結エピソードは割と小規模(人の生き死ににこんな表現をするのは失礼ですが)な事件が続き、それとは別に、ヒロイン、そして視聴者にも、この物語全体で取り組む謎(事件)が見えてきます。


 そして、完結エピソードに絡む形で、“彼”の、「人生が終わってしまうことになっても復讐したい」気持ちが見えてハラハラしたり、自分の人生を終えようとする少年に語る言葉に“光のような希望”を感じて、ますます、先の展開が読めなくてドキドキハラハラさせられるのです。


 って……こんなところかな?語れるのは。


 TSUTAYAで全話観返してからなら、もっと語れると思うんだけど。




 とにかく、『アンナチュラル』は“2度観て楽しむ作品”というイメージがあります。


 1話完結に集中して楽しむのも良し。

 そして、すべての真相を知ってから、書き手として「今回は大きな物語の何が進んだのか?」に、レーダーを張って分析するような視点で楽しむ。


 ちょっと感嘆してもらえるんじゃないかな?と思います。





 あと、これは誰かが本で書いていたことですが、

『良い物語とは、登場人物(特に主人公)の変化や成長が伴う』そうです。

 どこまで正しい意見かわかりませんが、否定する意見も(今のボクには)見つかりません。


 そして、この作品は、1人の青年の成長という形で終わるのです。



 なんか「スゲーな」と書くことを愛する1人として、素直に感嘆します。


 ボクの中では“まるで芸術品のように完成されたドラマ”という評価が消えないのです。



 語りたい魅力はまだまだあります。

 まだ観賞されてない方は1度、もう観たことのある方も分析する眼で観返すことを、お薦めしたいのです。


 観ずに死んじゃダメだ。



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