なんという怪異か!(失笑)
ボクが三人称小説が苦手になったきっかけは、K地秀Yさん。
大昔、『おとなの子守唄』にゲスト出演した時に黒木香さんが「しゅうこう」と発音してたから秀Kかも。
東京23区の1つが謎の地震以降、魑魅魍魎や超科学が跋扈するエリアに変わってしまったという設定のシリーズが人気の作家さんです。
読まないと決めた理由の1つが、敵の「私はいつか帰ってくるぞ」的な曖昧な決着の作品を、何作か続けて読んだこと。
(今は知りません)
もう1つが、ある一文で冷めてしまったこと。
まず、前提として。
大昔、『鳥山明のへたっぴマンガ研究所』という本がありました。
鳥山明センセイの、マンガの描き方のハウツー本です。
その中で、こんな意味の教えがありました。
『紙の上では、どんなことでも起こせるんだから、常識に縛られずに大胆な表現をしてほしい』。
たとえば、パンチで地球を割っちゃうような。
その意味ではK地秀Yさん、よくやってたとは思います。
作品のスタイルは講談師的な立ち位置の三人称小説……だったと思います。
もう長く読んでいないので、たぶんですが。
でね、敵の能力の描写の後だったと思うんですが、こんな1文があったんです。
なんという怪異か!
これで冷めちゃった。
だって、紙の上ではどんなことだって起こせるのに、自分で驚嘆しちゃったよ、って(笑)
いや、一人称小説ならいいんです。
読者がどう思おうが、語り手である主人公が驚いたというなら、それをどう表現しようがかまわない。
でもね、作者である語り手が、それを言葉にしちゃうって言うのは……(失笑)
自分が描いた出来事の衝撃具合を、煽る文章というのは、必要だとは思うんです。
でも、講談師的な立ち位置の語り手がそれをするのは……少し抵抗があります。
そんな意味でも、それが割と自由に自然にできるという意味でも、やはり一人称小説の方が好きだったりします。




